<浪速風>英霊に顔向けできる生き方をしているか 戦後79年の節目に考えたい
戦後79年の8月15日を迎えるにあたり、吉田満の『戦艦大和ノ最期』を読み返した。吉田は昭和20年、戦艦大和の乗組員として沖縄特攻作戦に参加し、奇跡的に生き残った。手記は終戦直後にほとんど1日で書かれた.
▶作戦での巨艦について「ソノ使命ハ一箇(こ)ノ囮(おとり)ニ過(す)ギズ」。つまり沖縄の米拠点への特攻攻撃をしやすくするため、米迎撃機群を引き寄せる標的とするもので、「余リニ稚拙、無思慮ノ作戦」だった。
▶作戦を巡る艦内の議論を制した臼淵磐大尉の発言は胸を打つ。「進歩ノナイ者ハ決シテ勝タナイ。負ケテ目ザメルコトガ最上ノ道ダ(中略)今目覚メズシテイツ救ワレルカ 俺タチハソノ先導ニナルノダ 日本ノ新生ニサキガケテ散ル」。先の大戦で多くの若者たちがよりよい日本の建設を願って戦死した。現代人は英霊に顔向けできる生き方をしているか。節目に考えたい。
◎上記事は[産経新聞]からの転載・引用です
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〈来栖の独白 2024.08.15 Thu〉
過去の犠牲の上に、今日がある。
本年は戦後79年。来年は、80年。「80」年だからと、騒いではならない。亡くなられた方たちの犠牲(死)を真摯に思いたい。