トヨタ自動車の豊田章男社長らの5日の記者会見での一問一答

2010-02-06 | 社会
(日経新聞 2/5)トヨタ社長の記者会見一問一答
 トヨタ自動車の豊田章男社長らの5日の記者会見での一問一答は以下の通り。
 ―― 一連の品質問題をどうとらえるか。
 豊田社長「複数の地域、複数のモデル(で不具合、リコール)が連続したことでお客様に不安を与えてはいけない。お客様が、私の車は大丈夫かと不安な気持ちで過ごされることが大変申し訳なく思う」
 ――問題が広がった責任をどう考えるか。
 豊田社長「一日も早く信頼を取り戻したい。リコール対象については一日も早く直してお乗りいただきたい」
 ――英語でメッセージを。
 豊田社長(英語で)「常にお客様を第一に考えている。信じてほしい。迅速に対応するよう全力を尽くす」
 ――「プリウス」をリコールするのか。
 佐々木副社長「一件一件を確認しながら、どのような処置がベストなのか精査しているところだ。長々と精査することはないが結論が出次第、お伝えしたい」
 豊田社長「プリウスに限らず、品質への不安を与えることは製造業のトップとして非常に残念。一日も早く信頼を回復するため従業員一丸で信頼を取り戻したい」
 ――日本の閣僚からも批判が出ている。
 佐々木副社長「昨日来、鳩山首相にまでご心配をおかけしたことは自動車メーカーとして大変不本意。厳しいご指導だが真摯(しんし)に受け止め、最大限の努力をして早い決定をしたい」
 ――米国内のトヨタ批判にどう対応するのか。
 豊田社長「真摯に対応する。より顧客目線を重要視し、お客様を第一に置く」
 ――販売への影響は。
 豊田社長「販売台数よりとにかくお客様の不安を取り除く。信頼を取り戻すことを第一に考えたい」
 ――リコールが相次ぐ理由は。
 豊田社長「我々も精いっぱいやっているつもりだが、現在起こっている点を謙虚に見つめながら反省していきたい」
 ――社内で問題を隠すことはなかったのか。
 佐々木副社長「その都度ベストを尽くし努力してきたつもりだが、こういう事態になった」
 ――トヨタは危機感が薄いのでは。
 豊田社長「創業以来70年の歴史の中で60年は苦労の連続。過去と比べるわけにはいかないが、現在起こっていることは大変なことで危機的な状況だ。こういう時こそ全社一丸となって協力してやっていくことが私に課せられた課題だ」
 ――プリウスに起こる問題を解説してほしい。
 佐々木副社長「問題は(ブレーキ時の)減速度が期待値とずれるということ。昨日まで我々が把握している範囲では、止まれなかったケースはなかったと考えている。今日はどうかといわれれば全部把握していない。(対策が)遅いと言われないようにする。決して隠してきたわけではない。包み隠さず正々堂々とやっていきたい」
 ――対応を副社長に任せているのでは。
 豊田社長「品質問題は会社の生命線。一緒に力をあわせてやっている。任せきりではない。そういう誤解は解いていただきたい」
 ――今後、海外工場での部品調達をどう考える。
 豊田社長「クルマ造りを通じて地域社会に貢献することが当社の経営のベース。海外生産する場合も売れる車はできるだけ現地で造り、現地で調達する。コストと現地調達に相乗効果があってはじめて良い車ができると思っている」
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(2/5)トヨタ社長会見、欧米メディアも一斉報道
 トヨタ自動車の豊田章男社長の5日夜の記者会見を受け、欧米のメディアは「トヨタ社長が謝罪」(米紙ウォールストリート・ジャーナル)などと一斉に報道した。英BBCのテレビ放送は会見冒頭の同社長の発言を生中継し、世界に拡大したトヨタの品質問題に対する関心の高さをうかがわせた。
 米経済専門テレビCNBCは「ビリーブ・ミー(私を信じて)。トヨタ車は安全です」と社長が英語で発言するもようを繰り返し放映した。米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は「この先の長い道のりを認識しているように見えた」と紹介した。
 英経済誌エコノミストは5日発売の最新号で「トヨタの打撃は今後も続くかもしれない」と評した。米テレビではスキャンダルへの対応が後手に回って批判を浴びたプロゴルファーのタイガー・ウッズを引き合いに出す意見も出された。(米州総局)
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(2/5)S&P、トヨタ格下げ検討
 米格付け大手のスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は5日、現在「ダブルA」としているトヨタ自動車の長期会社格付けを引き下げる方向で見直す「クレジット・ウォッチ」に指定すると発表した。北米での大規模リコール(回収・無償修理)やハイブリッド車「プリウス」の不具合などで「ブランドイメージが低下し北米など主要市場への影響が長期化する可能性がある」ため。
 トヨタだけでなくグループ会社のデンソーや豊田自動織機、アイシン精機についても見直す可能性があるという。すでに先月、英米系格付け会社のフィッチ・レーティングスも現在「Aプラス」としているトヨタの長期信用格付けの見通しを「安定的」から、格下げの可能性が高まったことを示す「ネガティブ」に見直すと発表済み。

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