ダボス会議 リセッションの速さと激しさがCEOの不安を増幅させ、世界的な信頼感の危機につながった

2009-01-29 | 社会
Bloomberg 世界のCEO見通し示せず 「自信」2割 ダボス会議に暗い影
2009/1/29
ダボス会議参加の各国首脳・財界人らが利用するヘリポートで警備に当たるスイス軍兵士=27日(ブルームバーグ)
 世界の企業首脳の見通しが悪化し、28日から5日間の日程で開幕した今年の世界経済フォーラム年次総会(WEF、ダボス会議)に影を落としている。
 米コンサルティング会社プライスウオータークーパース(PwC)が50カ国・地域の企業のCEO(最高経営責任者)1124人を対象に実施した調査によると、「今年の売り上げ成長見通しに非常に自信を持っている」と答えた人は全体の2割にとどまり、昨年調査時の5割を下回った。悲観的な見通しを示した人も4分の1以上を占め、PwCが2003年にCEOの見通しに関する調査を開始して以来、最悪となった。
 PwCのサミュエル・ディピアッザCEOは発表文で「リセッション(景気後退)の速さと激しさがCEOの不安を増幅させ、世界的な信頼感の危機につながった」と指摘した。
 ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスのディレクター、ハワード・デービス氏は「現状は良くない。アンケートは状況がさらに悪化しつつある様子を示している」と指摘。
 調査では早期成長回復への期待が薄いことも分かった。「今後3年間の成長に非常に自信を持っている」と答えた人は全体の約3分の1と、昨年調査時の42%を下回る水準。ほぼ10人のうち約7人が「信用危機の影響を受ける」と答え、そのうち7割が「その結果として投資計画を延期する」と回答した。
 回答に表れた懸念が深刻になるなか、米JPモルガン・チェースのダイモンCEOや英HSBCホールディングスのグリーンCEOら企業首脳のほか、学識経験者や政府当局者など計2500人以上が、徹底的反省と協調の5日間をダボスで過ごす。
 世界がリセッションへ一層深く滑り落ちる中での開催。金融機関はさらに1兆ドルの評価損に直面し、各国政府は金融システムの監視を強めている。55%の企業首脳は規制が過ぎると成長が妨げられると懸念している。(Matthew Benjamin,Simon Kennedy)

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