ホイヴェルス神父『最上のわざ』おのれをこの世に繋ぐ鎖を少しづつ外していくのは、えらい仕事  コヘレト12章3~5

2016-07-07 | 日録

 「最上のわざ」
 この世の最上のわざは何?
 楽しい心で年をとり、働きたいけれども休み、しゃべりたいけれども黙り、失望しそうなときに希望し、従順に、平静に、おのれの十字架をになう。
 若者が元気いっぱいで神の道を歩むのを見ても、ねたまず、人のために働くよりも、謙虚に人の世話になり、弱って、もはや人のために役だたずとも、親切で柔和であること。
 老いの重荷は神の賜物、古びた心に、これで最後のみがきをかける。
 まことのふるさとへ行くために。
 おのれをこの世につなぐ鎖を少しずつ外ずしていくのは、真にえらい仕事。
 こうして何もできなくなれば、それを謙虚に承諾するのだ。
 神は最後にいちばんよい仕事を残してくださる。
 それは祈りだ。
 手は何もできない。
 けれども最後まで合掌できる。
 愛するすべての人のうえに、神の恵みを求めるために。
 すべてをなし終えたら、臨終の床に神の声をきくだろう。
「来よ、わが友よ、われなんじを見捨てじ」と
*『人生の秋に』 ヘルマン・ホイヴェルス著より
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〈来栖の独白2016.7.7 〉
 心弱くなっていた私。再度、ホイヴェルス師の詩に救われた。
>おのれをこの世につなぐ鎖を少しずつ外ずしていくのは、真にえらい仕事。
 実に、そうだ。老年とは、晩年とは、この世につなぐ鎖を少しずつ外ずしていく、そういう作業をやっている時期なのか。
>すべてをなし終えたら、臨終の床に神の声をきくだろう。「来よ、わが友よ、われなんじを見捨てじ」と。
 泣いてしまった。「わが友よ」と言ってくださり、「われなんじを見捨てじ」と言ってくださる主なる神。
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コヘレトの言葉12章3~5
その日には
家を守る男も震え、力ある男も身を屈める。
粉ひく女の数は減ってゆき、失われ 窓から眺める女の目はかすむ。
通りでは門が閉ざされ、粉ひく音はやむ。
鳥の声に起き上がっても、歌の節は低くなる。
人は高いところを恐れ、道にはおののきがある。
あめんどうの花は咲き、いなごは重荷を負い アビヨナは実をつけける。
人は永遠の家へ去り、泣き手は町を巡る。

 ホイヴェルス訳
「そのときになると、家の番人は震え 力持ちはかがみこみ、
窓の太陽はかげって 臼ひき女は仕事を休む。
彼女たちの数は少なくなったからである。
そのときになると、窓からのぞくふたりの者はかくれ、道へのとびらは閉じられる。
粉つき場の音は静まり、小鳥の声はより細くなり 歌声もやむ。
そのときになるとからだはのぼり道を恐れ、
長い道をいやがる。」
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「ツナグ」という映画で、ホイヴェルス神父の「最上のわざ」が、紹介されているらしい 
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