テレワークのあなた 大丈夫? 目の酷使 角膜の傷つき 2020.4.21

2020-04-21 | 社会

2020年4月21日
テレワークのあなた 大丈夫? 目の酷使 ドライアイ注意
 パソコンやスマートフォンなどの画面を見ながら行うVDT作業で、目を酷使している人は多い。新型コロナウイルス対策でテレワークに切り替えた結果、メールでやりとりしたり、画面越しに話し合ったり、VDT作業の時間が増えた人もいるだろう。作業中はまばたきの回数が減り、角膜の傷つきや目の乾き(ドライアイ)など目のトラブルが起きやすい。 (北村麻紀)
■点眼薬、蒸しタオルなど効果
 ライオン(東京)が昨年九月、眼科医約百人に行ったアンケート。63%の医師が「十年前に比べ、角膜上皮に傷のあるドライアイ患者が増えている」という認識を持つことが分かった。このうち「スマホ普及が関係している」と答えた人は70%以上に達した。
 厚さ約一ミリの角膜は眼球の表面を覆うドーム状の透明な組織。五層からなり、最も上部、表面にあるのが角膜上皮だ。ピントを合わせるレンズの働きと、異物や細菌の侵入を阻むバリアーの役割を果たす角膜は通常、涙などで保護されている。しかし、ドライアイの状態になると傷つきやすくなってバリアー機能が損なわれ、雑菌が角膜の傷口から内部に入って視力低下や眼病の原因になることも。
 「以前は、角膜が傷つく原因といえばパソコン、エアコン、コンタクトレンズの『3コン』だった」と順天堂大静岡病院(伊豆の国市)眼科の土至田(としだ)宏・先任准教授(51)。「近年は、そこにスマホが加わった」と説明する。通常、まばたきは一分間に約二十回。しかし、VDT作業時は画面を凝視し、それが四分の一の五回程度まで減って涙が蒸発しやすくなるという。
 角膜上皮には自然に傷を治す自己修復機能がある。しかし、かゆみで目をこするなどするとダメージを受け、修復が追いつかない場合も。「痛みや視力の低下などの症状が出て初めて受診する人が多いが、実は自覚のない『予備軍』も多い」と土至田さんは言う。

 

 まずはセルフチェック=図表(上)。土至田さんは「要注意」に当てはまる人に「角膜の新陳代謝を助け、涙の生成にも必要なビタミンAを多く含む緑黄色野菜、レバーなどを多く取りバランスの良い食事を」と助言する。蒸しタオルで目を温めるのも乾き目を防ぐのに効果的。上下まぶたの縁にあるマイボーム腺から出る油分が涙液に溶け、涙の蒸発防止に役立つためだ。「無意識に飲食店の温かいおしぼりを目に当てるのは本能だと思う」。コンタクトの人は「傷を防ぐとともに清潔に保つことが感染防止に必要。一日で交換する使い捨てもいい」。
 市販の目薬を使う場合、症状に合ったものを薬剤師に選んでもらうことが大事だ。ただ、点眼や保管の方法が不適切だと、目薬の容器内に繁殖したカビに感染するなど、かえって症状が悪化することも。正しい点眼方法=同(下)=を守りたい。点眼後にあふれた液をふき取るのは目の周りのかぶれ防止、目頭を押さえるのは、そこにある涙点をふさぎ、薬液が鼻やのどに流れ込むのを防ぐためだ。

 

 ライオンによると、自分で差すのが苦手な人は、顔を上に向け、容器を持たない方の手をグーにして下まぶたを下げるのがお勧め。「下まぶたに当たる指の面積が広がる分、目が大きく開いて『命中』しやすい」。市販薬なら「回数とタイミングは朝・昼・就寝前の一日三回が目安」という。
 ドライアイに悩む人の増加で、同社ではここ数年、複数のビタミンを配合するなどした目薬の売り上げが前年比二割ほどずつ伸びている。直射日光や高温を避け、開封後は二カ月以内に使い切るといい。

 ◎上記事は[中日新聞]からの転載・引用です *強調(=太字)は来栖


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