郵便不正の上村被告「冤罪こうして作られる」
読売新聞2010年2月26日(金)01:32
郵便不正事件に絡み、偽の障害者団体証明書を発行したとして虚偽有印公文書作成などの罪に問われた厚生労働省元局長・村木厚子被告(54)の公判は25日も大阪地裁で行われ、弁護側は元係長・上村勉被告(40)が取調官の言動などを書き込んだ被疑者ノートを示して、上村被告への証人尋問を行った。
ノートには「調書の修正はあきらめた」「 冤罪 ( えんざい ) はこうして作られるのかな」などと取り調べに対する不満が記されており、法廷で上村被告は「(村木被告の指示を認めないと)死ぬまで拘置所から出られないのではと思い、怖かった」と当時の心境を証言した。
被疑者ノートは、自白強要などを防ぐため、弁護人が拘置中の容疑者に差し入れ、取調官の言動などを書き込んでもらうもの。上村被告の逮捕2日後の昨年5月28日からほぼ毎日記載があった。
調書で訂正が認められなかったことを書き込む欄には、「〈1〉村木被告の指示〈2〉村木被告に(証明書を)渡したこと」と記され、検事の取り調べについて「(調書が)かなり作文された」「もうあきらめた。何も言わない」などと書かれていた。
弁護側が、逮捕数日後の「多数決に乗ってもいいかと思っている」という記述の真意をただすと、上村被告は「検事から『(村木被告の関与を認めないのは)あなただけだ』と言われ、自信をなくしていた。よくないことだが、『上司に言われてやった』という方が、世間が『仕方がない』と思ってくれるのではないかと考えた」などと答えた。
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「調書訂正、聞き入れられず」=元係長、検事の作文と改めて主張-郵便料金不正
時事通信2010年2月25日(木)21:03
虚偽有印公文書作成罪などに問われた厚生労働省元局長村木厚子被告(54)の公判は25日午後も大阪地裁で開かれ、部下だった元係長上村勉被告(40)は証人尋問で「村木被告の関与を認めた調書を訂正しようとしたが、検察官に聞き入れられず、抵抗すると拘置所から出られないとあきらめた」などと述べた。
弁護側は、上村被告が拘置所で取り調べ内容などを記録したノートを基に質問。「村木被告の関与は思い出せない。どうしたらいいか」「いいように作文されている。どっちでもいい。早くここを出たい」「冤罪(えんざい)はこうして始まるのか」などの記述が読み上げられた。
上村被告は「村木被告の関与を否定しても、検察官から『あなただけほかの人と違ううそを言い張っている』と言われた」「自分の供述など最初からどうでもいい感じだった」などと証言した。
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元部下の被疑者ノート法廷で公開 「冤罪こうして始まる」
厚生労働省の文書偽造事件で、虚偽有印公文書作成・同行使罪に問われた元同省局長村木厚子被告(54)=休職中=の公判が25日、大阪地裁であり、偽造の実行役として起訴された元同省係長上村勉被告(40)=同=が取り調べの状況などを記録した「被疑者ノート」が法廷で公開された。
ノートには「冤罪はこうして始まるのか」などの記述もあり、逮捕当初から村木被告の関与を全面的に否定する内容。調書が検察の意図通りに作成されていくと指摘して「こういう作文こそ偽造だ」と検察を痛烈に批判している。弁護側はノートを証拠請求する方針。
上村被告の証言によると、ノートは逮捕された2日後に弁護人から差し入れられた。「『うそをついている』と言われた」「どうしても村木被告と私をつなげたいらしい」との記述から始まり、翌日には「私の供述さえ得られれば検察のパズルのピースは完成か。しかし、村木被告の関与は思い出せない」と心情を吐露。2010/02/25 19:52【共同通信】
◆石井一参院議員=口添えを否定 上村勉被告=再逮捕をちらつかされ、耐え切れなくなって認めた
◆「供述調書はでっち上げ」=厚労省元局長村木被告公判で元係長 検察苦戦=「虚構」「冤罪」証言相次ぐ