加藤寛治議員「3人産め」発言2018/5/10 人間存在の云いようのない悲しみが---〈来栖の独白〉

2018-05-12 | Life 死と隣合わせ

“結婚・出産”強制発言か、自民・加藤寛治議員が撤回・謝罪
TBS NEWS ─2018/5/10 22時10分─
 自民党の衆院議員が女性に結婚・出産を強制するともとられかねない発言をして、党内で物議を醸しています。
 自民党本部で行われた細田派の派閥総会。
 「そこ(結婚式)で新郎新婦にお願いをするわけです。必ず3人以上の子どもを産み、育てていただきたい」(自民党 加藤寛治 衆院議員)
 少子化問題に触れた加藤寛治衆院議員は、招かれた結婚披露宴の場で、新郎新婦にこのように伝えると話しました。さらに、「結婚しない」と答える若い女性に対しては、次のように話していると明らかにしました。
 「『あなたが結婚しなければ、子どもが生まれないわけですから、人様の子どもの税金で老人ホームに行くことになりますよ』と言えば、はっと気づいたような顔をするんですよね」(自民党 加藤寛治 衆院議員)
 結婚を強制するとも受けとられかねないとして出席した議員からは・・・
 「実情を分かってない」(会合に出席した男性議員)
 「これこそセクハラだ」(会合に出席した女性議員)
 と批判が続出。
 加藤議員は当初、発言を撤回・訂正する考えはないとしましたが、結局、発言を撤回・謝罪しました。

 ◎上記事は[TBS NEWS]からの転載・引用です
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社説「3人産め」発言 女性蔑視の本音見えた
  2018年5月12日 中日新聞
 またか。その思いを強くする非常識な発言が与党議員から出た。子どもを産まない女性に対し配慮に欠ける。政府・与党関係者による女性への差別発言は後を絶たない。本音だからだろう。
 あきれた発言である。
 自民党の加藤寛治衆院議員が会合で「(結婚する女性に)三人以上の子どもを産み育ててほしい。これが世のため人のためになる」と語った。
 最後は発言を撤回したものの、その非常識さを自覚しているようには見えない。女性蔑視と言わざるを得ない。
 出産するかどうかは個人の自由である。親の介護で余裕がなかったり、夫婦で働かないと生活が成り立たなかったりと、不妊以外にも産みたくても産めない事情を抱えている人はいる。こうした事情に無自覚な発言が言われる側を傷つけることを自覚すべきだ。
 安倍政権は少子化対策の目標に「希望出生率一・八」を掲げる。若い世代の望む結婚や子どもの人数を実現するとこの出生率になるからだが、政府が数値目標を設定することは出産を国民に強いているととられかねない。それだけに政府・与党関係者の発言には慎重さが求められる。
 女性への政府・与党関係者の差別発言は枚挙にいとまがない。二〇〇三年に森喜朗元首相が「子どもを一人もつくらない女性の面倒を税金でみなさいというのはおかしい」と発言、〇七年に当時の柳沢伯夫厚生労働相が女性を「産む機械」と発言して批判された。
 今回の財務省前次官のセクハラ問題では、麻生太郎財務相が十一日の国会でもセクハラを認めていないととれる発言を繰り返した。この問題では与党議員からも心無い発言がされている。女性に対する差別的な意識は変わっていないのではないか。
 加藤氏は「少子化は一番大事な問題」と発言の動機を説明した。ならば求められているのは、女性が働きやすい職場環境の整備や、男性も子育てするための長時間労働の見直し、育児しながら働いても生活ができる賃金の実現などを通して、産みたい人が安心して産める社会の実現のはずだ。
 加藤氏は「結婚しなければ、人様の子どもの税金で老人ホームに行くことになる」とも言った。年金、医療、介護などの社会保障は支え合いの制度だということを理解していない発言である。
 国会議員として取り組むべき課題は何か、再考してもらいたい。

 ◎上記事は[中日新聞]からの転載・引用です
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〈来栖の独白〉
 自民党加藤寛治衆院議員の発言は無惨だが、その批判に勢いづく人々にも、私は、優しさとか思いやりが感じられない。伝わってこない。
 人間存在の(例えば、不妊の女性の)云いようのない悲しみが解っておられない、そんな気がしてならない。人間の価値とは、何だろう。人間は「生きている、それだけで価値があるんだよ」と考えてはいけないだろうか。どんな人も---障碍をもった人であれ、病者、老人であれ---そこに生存しているのは、幾つもの奇蹟(神からの愛・恵み)であると考えてはいけないだろうか。
 昔、柳沢伯夫厚生労働相(=当時)が女性を「産む機械」と発言したのを受けて、ミサ後、教会から修道院へお送りする車中でシスターが「じゃぁ、私たちって、何の価値もないってことね」とおっしゃった。
 人は、多様である。そのことも理解しなければ・・・。
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1 コメント

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朝に思う (あやか)
2018-05-13 06:58:59
加藤議員の御発言のこと、さまざまな思いが胸によぎります。
私は加藤さんの言いたい趣旨はわからないことはありませんが、もう少し、さまざまな立場のかたを配慮し、表現のしかたに工夫なさるべきだったと思いますね。
 私も、なんでもかんでもセクシャルハラスメント呼ばわりする昨今の風潮はおかしいとは思いますが、女性の人権意識が高まっている事も確かであり、そういう問題に抵触しかねない発言は配意と節度が必要なことも認識していただきたいです。
 ただ、加藤議員の発言をいちいち問題視するような人の意見にも組することはできません。ああいう発言は、その場で笑い飛ばすか、聞き流しておけばいいんじゃないですか。
 少子化の問題は深刻であり看過できないと思いますが、私は、若者たちが安心して結婚し、出産できるような環境を整えていただきたいと思います。。。。。それが、政治家のかたの責務でしょう。

 私は、シスターさんのような宗教的な理由で独身・貞潔な人生を誓っているかたは別ですが、人はやはり結婚し、子供を産むのが通常の生き方だと思います。
 愛する男女が出会い結ばれ、愛の歓喜を奏で、やがて赤ちゃんを生むことが自然の摂理であることは言うまでもありません。私も、そういう生き方をしたいと思います。
 私は、学校時代のころ、校長先生が、こういうことを、おっしゃつていた事を覚えています。
『最近の若者には、【俺は俺だ、俺だけの人生だ】という人がいますが、そういう考え方は正しくありません。君たちはお父さんとお母さんから生まれ、両親もまたその御両親からうまれ、御先祖さまの血の流れからあなたがたは生まれてきたのです。そしてあなたがたも、いづれは健全な結婚をして子供を産み、先祖から受け継いだ血と家系を次世代に残して下さい』
とおっしゃつていました。
私は、その時は、この校長先生の言葉に、ちらっと軽い反発をかんじたことを覚えていますが、いまでは正しいと思えるようになりました。
私は、加藤議員も、こういう御表現をなさればよかったんじゃないでしょうか、と思います。
 
ところで、本論とは別ですが、以前、『優生保護法』とかで、強制不妊手術が行われた事実があったと聞き、いまさらながら、激しい怒りを感じています。これほど罪深い冒涜行為はありません。
 それに比べたら、加藤議員の出産奨励発言は、まだ、おおらかな事のように思えます。
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