マイナ保険証 強引な義務化許されぬ 2022.10.15

2022-10-15 | 政治

マイナ保険証 強引な義務化許されぬ
 2022年10月15日 Sat. 中日新聞 社説

 河野太郎デジタル相=写真=が現行の健康保険証を二〇二四年秋に廃止し、マイナンバーカードと一体化した「マイナ保険証」に切り替えると発表した。法的には任意のカード取得を、生命に関わる保険証を使って事実上、義務化するものだ。あまりに乱暴すぎないか。方針の再検討を求めたい。
 マイナンバー制度は一六年に導入されたが、カード普及率は国民の約半数にとどまる。昨年十月に本格稼働したマイナ保険証を持つ人は全人口の二割にすぎない。
 政府はカードの普及に向け、申請すると電子マネーなどに交換できるポイントが付くマイナポイント事業を展開したが、成功したとは言い難い。
 政府が保険証を使って普及を図るのは、国民に受け入れてもらえないことへの焦りからだろう。
 なぜカードが普及しないのか。国民の多くは、国が集めた個人情報がどう使われるのか、個人情報が漏洩(ろうえい)することはないのか、利便性以上に不安を感じるからだ。
 実際、国からマイナンバーカードなどの個人情報入力を委託された業者が無断で再委託し、情報流出が懸念された事案も起きた。
 国民の不安を置き去りにして理解を得る努力も怠り、「脅し」にも近い形でカードの普及を図ることは本末転倒も甚だしい。
 政府はマイナ保険証で、転職などの際には保険証を切り替える必要がなくなり、投薬履歴も確認しやすくなると利点を挙げる。
 しかし、カードに内蔵される電子証明書の交換期限は五年で、五年ごとに更新が必要になる。受診のたびに認証操作が必要で、認知症の人の場合、第三者が暗証番号を扱わねばならない。紛失時の受診をどうするかなど、具体的な対応は先送りされている。
 読み取り機の導入など、マイナ保険証に対応できる医療機関や薬局もいまだ約三割にとどまる。医師会からは、現場の負担や混乱を懸念する声も漏れてくる。
 国会での議論を尽くさず、期限ありきでカード取得を強引に義務づけることは到底許されない。導入を急がず、制度への不信感と誠実に向き合うことが先決だ。

 ◎上記事は[中日新聞]からの転載・引用です  写真、略(=来栖)

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 〈来栖の独白〉2022.10.15. Sat.
  新聞を読みながらの朝食が日々の私の楽しみの一つだが、今朝の新聞には驚いてしまった。マイナンバーカードという個人の恣意に委ねられているものに「保険証」を組み込ませるという。驚いて、思わず夫君に声をあげてしまった。国は、何ということを考えるのだろう。怒り心頭に発す。


マイナカード、事実上義務化 24年秋、現行健康保険証廃止
2022年10月13日 17時34分 (10月13日 18時12分更新)
 河野太郎デジタル相は13日、現行の健康保険証を2024年秋に廃止してマイナンバーカードを代わりに使う「マイナ保険証」に切り替えると発表した。カードと運転免許証の一体化も24年度末としていた実施時期の前倒しを検討する。保険証廃止はカード取得の事実上の義務化と言え、23年3月末までにほぼ全ての国民に交付するとした政府目標へ向け、普及促進を図る。
 マイナ保険証は既に本格運用が始まっている。医療機関は患者の同意の下、過去の処方薬や特定健診の情報を見て治療に生かせる。廃止後もカード未取得者が診療を受けられるよう厚生労働省などと対応策を検討する。

 ◎上記事は[中日新聞]からの転載・引用です


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