「自分でいいのか」参加悩む=障害者の裁判員候補-配慮求める動きも・裁判員制度

2009-06-08 | 裁判員裁判/被害者参加/強制起訴
(時事通信社 - 06月07日 15:01)
 早ければ来月にも第1号事件が始まる裁判員裁判。希望する障害者は参加可能だが、映像や音声が重要証拠となる場合、視覚・聴覚障害者は選任されないこともある。障害を持つ裁判員候補者は参加への不安を口にし、障害者団体などからは配慮を求める声が上がっている。
 愛知県に住む障害者施設勤務の男性(50)は生後すぐに脳性まひになり、言語障害が残る。「本当に自分がやっていいのかという思いがある。選ばれたらどうするかは決められない」と話す。
 ゆっくり言葉を区切れば会話に問題はないが、緊張すると単語が出にくいことがあり、評議で迷惑を掛けるのではとの不安がある。それでも、参加を勧める友人の言葉が支えになり、前向きな気持ちに傾きつつある。
 大阪市に住む聴覚障害者の男性(44)は「選ばれたら辞退する気はない」という。「無縁な制度」と思っていた昨年末、候補者通知書が届いた。驚いて調べたところ、自分も参加できると知った。
 手話通訳などで参加可能とされるが、排除されることへの心配は消えない。男性は「障害を理由に辞退させられるのは嫌だが、裁判官に無理だと言われれば従うしかない」とする。
 昨年、候補者へ送られたパンフレットには、問い合わせ先の電話番号しか記載されていなかった。これに対し、電話では会話できない聴覚障害者から他の手段を求める声が上がり、最高裁は、今年からはファクス番号などの記載も検討する。

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