邦人赤野光信死刑囚の刑執行は6日に《中国》

2010-04-05 | 死刑/重刑(国際)

中国、日本人死刑囚の刑執行を6日に延期
 【大連=大木聖馬】日中関係筋は5日、中国遼寧省大連で麻薬密輸罪に問われ、2009年4月に死刑判決が確定した赤野光信・死刑囚(65)=大阪府出身=に対する刑執行が、6日に延期されたことを明らかにした。
 中国は先月29日、4月5日にあたる「7日後」の刑執行を日本側に通告していた。5日午前には、赤野死刑囚が収監されている大連看守所を家族らが訪れ、約1時間にわたって赤野死刑囚と接見した。
 関係筋によると、中国は5日になって、刑執行を「6日に行う」と通告してきたという。理由は不明だが、家族との面会直後の刑執行を避けるよう中国側が配慮したほか、5日が先祖をまつる祝日「清明節」のため、刑の執行を見合わせた可能性もあるという。英BBCによると、中国は昨年末にも麻薬密輸罪の英国人死刑囚に対し、親類が面会した翌日に刑を執行した。
 赤野死刑囚は、06年9月、石田育敬・受刑囚(同罪で懲役15年確定)と共謀して大連空港から覚せい剤約2・5キロ・グラムを日本に密輸しようとして逮捕され、09年4月、遼寧省高級人民法院(高裁)で死刑が確定した。
 刑が執行されると、中国での日本人に対する死刑執行は、1972年の国交回復以来初となる。中国は今月1日、麻薬密輸罪で死刑判決が確定したほかの3人の日本人死刑囚に対する刑執行も「7日後」の8日に行うと通告している。(2010年4月5日20時50分 読売新聞)
.......................................................
日本人死刑囚の刑執行は6日に 中国が日本側に連絡
 asahi.com2010年4月5日18時52分
 【大連(中国遼寧省)=西村大輔】中国当局は5日、麻薬密輸罪で死刑判決が確定している日本人、赤野光信死刑囚(65)=大阪府出身=に対する刑を6日に執行すると日本側関係者に伝えた。中国当局は3月29日、日本政府に「7日後に執行」と通告しており、執行の最終期限は5日とみられていた。理由は明らかにされていないが、親類との面会直後の刑の執行を避けたのではないか、との見方もある。
 執行された場合は、中国で日本人の死刑は1972年の日中国交正常化以来、初めて。日本政府は中国当局に対し、死刑執行による日本の国民感情や邦人保護の観点から懸念を表明してきた。
 赤野死刑囚が収監されている遼寧省大連の大連拘置所には同日午前9時(日本時間午前10時)すぎ、赤野死刑囚の親類らが乗り込んだとみられる車両が到着。親類らは、一般に20分前後とされる接見時間を大幅に超える約1時間にわたり面会し、正午(日本時間午後1時)すぎに再び車両で拘置所を後にした。同拘置所には同日午前、救急車や裁判所の関係車両などがたびたび出入りした。
 赤野死刑囚は2006年9月、大連の国際空港から大阪に覚せい剤約2.5キロを別の男と2人で密輸しようとしたとされ、同省の高級人民法院(高裁)で09年4月、死刑判決が確定した。今年3月29日、遼寧省外事弁公室から瀋陽の日本総領事館に対し「7日後に死刑を執行する」とする文書による通告があった。
 中国当局は今月1日にも、麻薬密輸罪で死刑判決を受けている武田輝夫死刑囚(67)、鵜飼博徳死刑囚(48)、森勝男死刑囚(67)の3人の日本人の刑を「7日後」に執行する方針を日本政府に伝えている。最終期限は8日とみられているが、今回の中国側の対応をみると、8日に刑を執行するかどうかは不明だ。
.......................................................
中国 赤野死刑囚、家族らと面会 刑執行を前に
4月5日12時22分配信 毎日新聞
 【大連(中国遼寧省)浦松丈二】中国遼寧省高級人民法院(高裁)で昨年4月に麻薬密輸罪で死刑判決が確定した赤野光信死刑囚(65)=大阪府出身=の刑執行を前にした家族らとの面会が5日午前、赤野死刑囚が収監されている大連市看守所で始まった。中国で日本人の死刑が執行されれば、1972年の国交正常化以降初めてとなる。
 赤野死刑囚の家族と友人は同日午前9時15分(日本時間同10時15分)ごろ、在瀋陽日本総領事館大連出張駐在官事務所の職員に伴われ、マイクロバスで同看守所に入った。同省当局によると、約20分の面会終了後に注射で死刑を執行し、その後、家族が遺体を確認することになる。
 判決によると、赤野死刑囚は06年9月に大連の空港で、共犯の石田育敬受刑囚(同罪で懲役15年確定)と約2.5キロの覚せい剤を日本に密輸しようとして警察に拘束された。08年6月に大連市中級人民法院(地裁)で死刑判決を言い渡され、控訴。理由として(1)取り調べ通訳は正式な通訳資格がなく、記録は証拠にできない(2)他人から指示された補助的な役割だったのに刑が重すぎる(3)覚せい剤は押収されて社会に害を与えていない--と主張した。
 中国は2審制。同省高級人民法院は09年4月、いずれの主張も退けて1審判決を支持、刑が確定していた。死刑執行には最高人民法院(最高裁)の許可が必要で、同法院は死刑確定から1年となるのを前に許可した。
 中国政府は3月29日に赤野死刑囚の刑執行予定を日本政府に通告。鳩山由紀夫首相が懸念を表明していたが、1日には同罪で死刑が確定した名古屋市の武田輝夫(67)▽岐阜県の鵜飼博徳(48)▽福島県の森勝男(67)の3死刑囚についても今月8日に刑を執行すると通告した。
 【ことば】中国の死刑
 国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(本部ロンドン)によると、中国では殺人以外に、麻薬密売や汚職、脱税などの「非暴力犯罪」にも死刑が適用される場合がある。アムネスティは「社会の安定を乱すとみなした活動に対し、厳格な対応を誇示する目的で死刑を用いている」と分析する。中国当局は死刑執行数を公表していないが、09年は1000人以上に執行され、2位のイラン(388人)を大きく引き離して世界最多とみられる。最終更新:4月5日13時9分
.......................................................
中国:日本の国民感情に配慮 死刑囚と面会
 【大連(中国遼寧省)浦松丈二】中国当局は日本人への死刑執行が予想外の反発を招くことを恐れ、友人との面会を認めるなど日本の国民感情にも一定の配慮をみせた。
 中国人死刑囚の場合、家族との面会は認められず、刑確定直後に執行されることが大半だ。赤野死刑囚は確定からほぼ1年の猶予期間が設けられた。
 中国政府が、麻薬密輸罪で死刑が確定している日本人4人のうち、赤野死刑囚の執行予定を先に日本政府に通告し、その3日後に名古屋市の武田輝夫死刑囚(67)ら3人の執行予定を通告したのも、日本側の反発の大きさを確認するためだったとみられている。
 一方、歴史的に日本とつながりが深い遼寧省大連市には、日本企業約2800社が進出しており、約5000人の在留邦人が暮らしている。一連の密輸事件では武田死刑囚が主犯格とされており、地元日本人の間では「指示された側の赤野死刑囚が主犯格と同様に死刑というのはどうか」と量刑のバランスを疑問視する声が多い。
 しかし、中国では近年、覚せい剤のまん延が社会問題化しており、たとえ外国人の「運び屋」であっても覚せい剤1キロ以上が押収された場合、大半は死刑判決を言い渡される。
 赤野死刑囚が共犯者と共に密輸しようとした覚せい剤は約2.5キロ。このうち、赤野死刑囚が約1.5キロ、懲役15年が確定している共犯の石田育敬受刑囚が約1キロ所持していたとされる。覚せい剤が純度約95%だったことから、わずかの差が死刑かどうかを分けたとみられている。
 同じ罪で死刑が確定した英国人アクマル・シャイフ死刑囚(53)の例でも、中国は欧州各国の強い反発を無視する形で、昨年12月に刑執行を強行した。死刑囚のスーツケースからヘロイン約4キロが見つかっており、中国当局は麻薬犯罪抑止のため1キロの目安を厳格に適用する傾向にある。
毎日新聞 2010年4月5日11時47分
.......................................................
<アムネスティ>中国大使館前で死刑執行停止求めアピール
4月5日21時21分配信 毎日新聞
 中国が日本人4人の死刑執行を通告したことを受け、国際人権団体「アムネスティ・インターナショナル日本」(東京都千代田区)は5日夜、東京都港区の中国大使館前で、死刑執行停止を求める緊急アピールを行った。
 アムネスティ日本の職員が要請文を読み上げ、今回の死刑執行停止のほか▽死刑の執行状況の情報公開▽薬物や経済犯罪の死刑の適用除外▽公正な裁判を受ける権利の保障--などを求めた。
 要請文を大使館のポストに入れた後、「停止執行死刑」などと書いたボードを掲げ「中国政府は直ちに死刑の執行を停止してください」などと呼び掛けた。
 アムネスティ日本は6、7日も同様のアピールを行う予定で、「深刻な人権問題。日本政府は中国政府に執行停止を働きかけるべきだ」と話している。【松本惇】

中国、邦人に死刑執行(通告)。日本も中国人《陳徳通死刑囚》に2009/07/28死刑執行している
「いい加減な裁判でたまらぬ」《中国》赤野光信死刑囚が不満


コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。