19年前の斎藤衛さん殺人容疑で、矢野治確定死刑囚(「檻に3日間監禁、殺した」と告白)を逮捕へ 警視庁

2017-04-08 | 死刑/重刑/生命犯

死刑囚の元暴力団会長 会社社長殺害容疑で逮捕へ
NHK NEWS WEB 2017/4月10日 4時02分
 死刑囚の元暴力団会長が殺害を告白した不動産会社社長が、去年、埼玉県内の山林で遺体で見つかった事件で、警視庁は10日、この死刑囚を殺人の疑いで逮捕する方針です。
 平成15年に前橋市のスナックで客など4人が銃で射殺された事件で、指示役として死刑が確定した住吉会系の元暴力団会長、矢野治死刑囚(68)は、東京・新宿区の不動産会社社長、斎藤衛さん(当時49)を金銭トラブルから殺害したと告白する文書を警視庁に送り、警視庁が配下の組員の証言をもとに、去年11月、埼玉県ときがわ町の山林で遺体を発見しました。
 警視庁がさらに捜査を進めた結果、矢野死刑囚が平成10年4月ごろ、豊島区にあった暴力団事務所で首を絞めて斎藤さんを殺害したとして、10日、殺人の疑いで逮捕する方針です。
 斎藤さんは、当時の参議院議員らが実刑判決を受けた「オレンジ共済組合」の大型詐欺事件に絡む政界工作疑惑をめぐって、平成9年に国会で証人喚問されています。
 矢野死刑囚をめぐっては、平成8年に行方がわからなくなった神奈川県伊勢原市の不動産業、津川※シズ夫さん(当時60)の殺害を仲介したことも告白し、去年4月に伊勢原市の山林で遺体が見つかっていて、警視庁が調べを進めています。(※「シズ」は、「靜」の左側が「青」)
■前橋の4人射殺事件で死刑が確定
 矢野治死刑囚は、平成15年、対立する暴力団の元幹部がいた前橋市のスナックで、居合わせた客など4人が射殺された事件などを指示したとして、殺人などの罪に問われました。
 1審と2審はいずれも死刑を言い渡し、矢野死刑囚側は「事件に関わっていない」と無罪を主張して上告していましたが、3年前の平成26年3月、最高裁判所が上告を退け、死刑が確定していました。
■社長など2人の殺害を告白
 長年行方不明とされていた2人の男性が遺体で見つかった今回の事件。2人を殺害した経緯について、矢野治死刑囚がそれぞれ具体的に記した文書を警視庁に送ったことで発覚しました。
 このうちの1人が不動産会社社長の斎藤さんで、高い金利と元本保証をうたって全国から多額の現金をだまし取ったとして、当時の参議院議員らが実刑判決を受けた「オレンジ共済組合」の大型詐欺事件に絡む政界工作疑惑をめぐり、国会に証人喚問されていて、警視庁によりますと、平成10年ごろに行方がわからなくなり、親族が捜索願を出していました。
 矢野死刑囚は、3年前の平成26年に警視庁に送った文書の中で、斎藤さんについて「平成10年ごろ、東京・豊島区の暴力団事務所で、金銭トラブルから斎藤さんの首を絞めて殺害したあと、配下の暴力団組員に命じて遺体を遺棄した」などと記していました。
 矢野死刑囚が殺害に関与したと告白したもう1人の被害者は、平成8年に行方がわからなくなった津川さんです。
 矢野死刑囚はおととし、警視庁に送った文書の中で「知り合いの暴力団幹部から津川さんの殺害を依頼され、別の人物に殺害させた。遺体は配下の組員に遺棄するよう指示した」と告白しました。
 津川さんは当時、伊勢原駅前の土地をめぐって住吉会系の暴力団とトラブルになっていたということです。
 警視庁が、矢野死刑囚から津川さんの遺体の遺棄を指示された元組員の証言などをもとに、去年4月、神奈川県伊勢原市の山林を捜索したところ、白骨化した津川さんの遺体が発見されました。
 去年11月には、埼玉県ときがわ町の山林で白骨化した斎藤さんの遺体が見つかり、警視庁がいずれも殺人の疑いで捜査を進めていました。

 ◎上記事は[NHK NEWS WEB]からの転載・引用です
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産経ニュース 2017.4.8 07:26更新
死刑囚、戦後初の逮捕へ 19年前の殺人容疑で警視庁 前橋スナック拳銃乱射事件で死刑確定
 平成15年の前橋スナック拳銃乱射事件で死刑判決が確定した矢野治死刑囚(68)がほかに2人の殺害関与を告白した事件で、警視庁が殺人容疑で矢野死刑囚を近く逮捕する方針を固めたことが7日、捜査関係者への取材で分かった。確定死刑囚を逮捕することは、執行の先延ばしにもつながりかねず極めて異例で、関係者によると戦後初とみられる。警視庁は、事件の全容解明に逮捕が不可欠と判断したもようだ。

  

 

     

 捜査関係者によると、矢野死刑囚は10年4月ごろ、会社役員の斎藤衛さん=失踪当時(49)=を殺害した疑いが持たれている。
 矢野死刑囚は26年9月、斎藤さんに8600万円を貸していたことをめぐるトラブルから「首を絞め殺しました」などとする文書を警視庁目白署に送付。警視庁は28年11月、矢野死刑囚や、斎藤さんの遺体を遺棄したとされる関係者からの任意の事情聴取に基づき埼玉県内の山中で斎藤さんの遺体を発見した。
 矢野死刑囚は遺体発見前後から東京拘置所内での任意の事情聴取に応じなくなり、非協力的な態度に転じたことから、真相解明には逮捕しての取り調べが不可欠と判断したとみられる。
 斎藤さんは、全国から約90億円を集めた巨額詐欺事件として知られる「オレンジ共済組合事件」をめぐって9年に国会で証人喚問され、注目された。10年4月に口座の取引が途絶し、5月に親族が警視庁に捜索願を提出していた。
 死刑囚の逮捕をめぐっては、水戸市と宇都宮市で男性と女性を殺害し、死刑判決を受けて上告中だった後藤良次死刑囚が17年、未発覚の殺人事件3件に関与したという内容の上申書を茨城県警に送付し、その後県警に殺人容疑で逮捕された例があるが、刑が確定した死刑囚の逮捕は異例だ。
 矢野死刑囚は8年8月ごろに神奈川県伊勢原市の自宅を出て失踪した不動産業の津川静夫さん=当時(60)=についても殺害への関与を告白する文書を警視庁に送付しており、警視庁と神奈川県警の合同捜査本部が捜査している。

 ◎上記事は[産経新聞]からの転載・引用です
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スナック乱射
おりに3日間監禁、男性殺害」死刑囚告白
毎日新聞2017年4月9日 06時30分(最終更新 4月9日 06時30分)
 2003年に前橋市のスナックで4人を射殺した罪などで死刑判決が確定した元暴力団組長、矢野治死刑囚(68)の供述に基づき、19年前に失踪した男性の遺体が発見された事件で、矢野死刑囚が「男性を3日間おりに入れ、殺した」という内容の上申書を警視庁に提出していたことが捜査関係者への取材で分かった。同庁組織犯罪対策4課は殺人容疑で矢野死刑囚を逮捕し、裏付けを進める方針。
 捜査関係者によると、男性は東京都内で不動産会社を経営していた斎藤衛(まもる)さん(失踪時49歳)。1998年4月に行方不明になり、親族が捜索願を出していた。矢野死刑囚は死刑確定から半年後の14年9月、斎藤さんの殺害を告白する上申書を警視庁に提出した。金銭トラブルから斎藤さんを東京都豊島区の組事務所に連れ込み、おりに入れて3日間にわたり監禁し、首を絞めて殺害したと経緯を説明した。同課は昨年11月、矢野死刑囚らの供述に基づいて埼玉県ときがわ町を捜索、白骨化した斎藤さんの遺体を発見した。
 監禁場所とされた組事務所が既に取り壊されるなど証拠が乏しいこともあり、同課は矢野死刑囚を逮捕して事情を聴く必要があると判断した。矢野死刑囚は、96年8月に行方不明になった神奈川県伊勢原市の不動産業、津川静夫さん(同60歳)の殺害にも関与したとする上申書を警視庁に提出。同庁は伊勢原市の山林から津川さんの遺体を発見している。【黒川晋史、五十嵐朋子】
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 ◎上記事は[毎日新聞]からの転載・引用です *強調(太字)は来栖
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「前橋スナック銃乱射事件」首謀者が語った隠された殺人 “首にネクタイを巻きつけ、殺しました”〈永田町の黒幕を埋めた「死刑囚」の告白(2)
(抜粋)
  私、矢野治は、ヤクザ渡世の親として、住吉会の本部長にまで昇格した幸平一家のある幹部(故人)に師事し、崇拝しておりました。その親分のところに企業舎弟として出入りしていたのが、龍一成です。その縁で私も龍と親交を持ち、彼に金を貸すなどしていました。多い時で1億円は超えていましたが、それなりに返済をしてくれていました。しかし98年に入ると、やつも金が回らなくなってしまった。返済が滞り、8600万円が焦げ付いてしまったのです。追い込みをかけ続けた私に、ある時、龍はこう提案してきました。
「『川崎定徳』の佐藤さんが亡くなった後、会社の資産を受け継いで、管理している男がいる。不動産会社を営む桑野大樹社長(仮名)です。佐藤さんの跡を継いだのだから、それなりの物件を多数持っている。奴を攫(さら)って脅す。権利関係の書類を奪い、それから殺します。矢野さんのところの若い衆を2人ほど貸してほしい。8600万円を2億円にして返しますから」
 龍の話では、桑野社長は、住吉会の大幹部にも挨拶に行っていると言います。そこで私は、先に述べた親分に相談した。すると、
「とんでもない話だ。絶対、桑野を殺(や)らせるな」
 と言われたのです。それで、私は龍に、
「大幹部と親交のある桑野を攫うことは許さん」
 と言い聞かせました。しかし、やつは、
「もう俺にはこの手段しか残されていないんだ」
 と、聞く耳を持とうとしません。そこで私は、幸平一家のある組長に頼んで、龍の監禁場所としてその組事務所を使わせてもらうことにしました。
「おまえの仕事を手伝う人間が待っている」
 と言って、龍を呼び出し、東京・要町にあった、その事務所に連れて行きました。組長には大きな檻を用意するよう予め依頼していたので、事務所に入るなりこの檻に龍を入れたのです。
 こうして3日間、彼を檻に閉じ込め、翻意を促した。しかし、やつはウンと言わなかった。やむなく私は決意したのです。もともと彼には糖尿病の持病があり、いつ死んでもおかしくないくらい、体が弱っていた。私は怨念を抱きながら、その首にネクタイを巻きつけました。彼の命を奪うということは、私の債権も回収できなくなることを意味するからです。抵抗する力も残っていない龍の首を絞めあげました。ほどなくして龍は絶命したのです。
 私はすぐに矢野睦会の配下である結城実に電話を入れました。
「結城よ。悪いが、龍を殺ったから、死体を山に埋めて、始末してくれ」
 結城がどこに龍の遺体を埋めたのかまでは、敢えて確認していないので、分かりません。あとは結城に聞いてください。
 *強調(太字)は来栖
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遺体は98年から行方不明の斎藤衛さんと判明=矢野治死刑囚が殺害告白 警視庁 2016/12/16
◇ 矢野治死刑囚の告白で見つかった(2016/4/19)遺体=「津川靜夫さん」と確認 殺人容疑での立件検討
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◇ 永田町の黒幕を埋めた矢野治死刑囚の告白(10)警視庁が捜索を始めた死体遺棄場所『週刊新潮』2016/3/17号
永田町の黒幕を埋めた矢野治死刑囚の告白(9)カタギ「津川静夫」さん殺害の背景 『週刊新潮』2016/3/10号
永田町の黒幕を埋めた矢野治死刑囚の告白(8)10億円利権でカタギを手に掛けた 『週刊新潮』2016/3/10号
永田町の黒幕を埋めた矢野治死刑囚の告白(7) 遺族証言と一致 実行犯・秘密の暴露『週刊新潮』2016/3/3号
永田町の黒幕を埋めた矢野治死刑囚の告白(6)「斎藤衛」とは別の、もう一つの殺人『週刊新潮』2016/3/3号
永田町の黒幕「リュー一世(斉藤衛)」を埋めた矢野治死刑囚の告白(5)『週刊新潮』2016/3/3号
矢野治死刑囚の告白 (3)(4)結城実氏「リュー一世(斉藤衛)を遺棄した経緯」週刊新潮2016/2/25号
永田町の黒幕「リュー一世(斉藤衛)」を埋めた矢野治死刑囚の告白(1)(2) 週刊新潮2016/2/25号
「他の人物も殺害した」前橋スナック乱射事件の矢野治死刑囚が警視庁に文書提出 平成26/9/7付
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