元死刑囚との接見制限 国が一部敗訴

2013-01-30 | 死刑/重刑/生命犯

元死刑囚との接見制限 国が一部敗訴
NHK NEWS WEB 2013年1月30日 21時58分
 平成11年に山口県のJR下関駅で起きた通り魔事件で、当時、広島拘置所に収監されていた元死刑囚の男と再審請求の打ち合わせをしようとした際、立会人なしで接見することが認められなかったのは違法だとして、弁護士らが国に損害賠償を求めた裁判で、広島地方裁判所は原告の訴えの一部を認める判決を言い渡しました。
 この裁判は、平成11年に山口県のJR下関駅で起きた通り魔事件で、殺人などの罪に問われて死刑が確定し、去年3月に刑が執行された元死刑囚について、広島弁護士会の弁護士2人が平成21年2月と3月に広島拘置所で再審請求の打ち合わせをしようとした際、職員の立ち会いなしの接見を求めたにもかかわらず、拘置所が認めなかったのは違法だとして、国に330万円の損害賠償を求めていたものです。
 30日の判決で広島地方裁判所の梅本圭一郎裁判長は「今回の接見は再審請求の打ち合わせのためのものであり、拘置所が職員を立ち会わせる必要があったとは認められない。裁量権を逸脱した違法なものであり、弁護士と元死刑囚との信頼関係の構築を妨げた」として国に慰謝料などとして48万円を支払うよう命じる判決を言い渡しました。
 今回の判決について原告の小田清和弁護士は「死刑囚と立ち合い人なく接見することが認められた画期的な判決だと考えている。一方で、今回の判決は、職員の立ち合いを容認するものでもあり、今後控訴したいと考えている」と話していました。
 また、広島拘置所は「判決の詳細を把握できていないのでコメントは差し控えたい」としています。
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3人の死刑執行 東京、広島、福岡 / 小川敏夫法相、就任から3ヵ月弱 2012-03-29 | 死刑/重刑/生命犯 問題 
 死刑執行は下関駅通り魔事件の上部死刑囚ら
 産経ニュース2012.3.29 10:18
 関係者によると、死刑が執行されたのは、山口県下関市のJR下関駅で平成11年、15人を死傷させた上部康明死刑囚▽横浜市で14年、元妻の両親ら3人を殺害した古沢友幸死刑囚▽宮崎県で13年、女性2人を殺害し現金を奪った松田康敏死刑囚-の3人。
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死刑執行への抗議声明
2012年3月30日
抗 議 声 明
本日(3月29日)、松田康敏さん(44歳:福岡拘置所)古澤友幸さん(46歳:東京拘置所)上部康明さん(48歳:広島拘置所)に死刑が執行されたことに対し、強く抗議する。
 2010年7月27日から1年8ヶ月間、3人の法務大臣によって、死刑執 行停止状態が継続され、法務省内では、死刑の是非を巡って勉強会が続けられてきた。そして、この勉強会がきっかけとなって、死刑制度について政府や国会だけでなく、広く社会一般に議論が広がることが期待されていた。
 しかるに、小川敏夫法務大臣は、十分な議論もまったくないまま、検察・法務官僚に指示されるままに勉強会を終了させ、死刑を再開した。これは、官僚主導を廃し政治主導の政治を目指すという民主党政権のマニフェストに真っ向から反するものであって、およそ許されないことである。
 また、就任後わずか2ヶ月間しか経過していない段階での十分な記録の検討もされないままの拙速を極めた執行であり、慎重のうえにも慎重でなければならないという法務大臣の職責を放棄するものであって、強く非難されなければならない。
 小川法務大臣は、死刑執行後の記者会見で、「刑罰権は国民にある。国民の声を反映するという裁判員裁判でも死刑が支持されている」と述べたが、これはまったくの誤りである。死刑の是非は、国民の支持・不支持によって決められるものではない。民主主義の理念と人道主義のもとに高度な政治的な判断によって決められるべきものである。
 上部さんは、一審の段階で心神耗弱の精神鑑定が出されていた。松田さんも知的に限界級と鑑定されていた。いずれも責任能力の有無について、死刑の判決の是非が問われていたケースである。とりわけ、松田さんの場合は、弁護人に再審請求を依頼し、弁護人もその準備に着手していた。上部さんは、再審弁 護人との接見において秘密交通権が保証されていないことに対して、これを違 法として国賠訴訟を提起したこともあった。死刑執行は当然に回避されるべき ケースであった。
 死刑には犯罪抑止の効果はなく、また、被害者の救済や社会の平穏にも資するものではない。死刑は人道と民主主義に反する。
 私たちは、死刑の廃止を願う多くの人たちとともに、また、小川法務大臣に 処刑された松田さん、古澤さん、上部さんに代わり、そして、死刑執行という苦役を課せられている拘置所の職員に代わって、小川法務大臣に対し、強く、強く抗議する。
2012年3月29日
  死刑廃止国際条約の批准を求めるフォーラム90
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下関駅通り魔事件から9年、死刑確定後も遺族の傷癒えず 2008-10-01 | 死刑/重刑/生命犯 問題 
 下関市のJR下関駅で1999年9月、15人が殺傷された通り魔事件から29日で丸9年を迎えた。現場となった同駅には遺族らが訪れ、花を手向けて冥福(めいふく)を祈った。
 刺殺された衛藤和行さん(当時79歳、下関市豊北町)の二女夫婦は、夕方の事件発生時刻に、衛藤さんが倒れた6番ホームに献花し、手を合わせた。
 上部康明死刑囚(44)の刑は8月下旬に確定した。二女は「ようやくこの場で父に死刑確定を報告できたが、9年は長かった。遺族や被害者の心の傷が癒やされることはない」と話し、現場を後にした。
 妻瑞代さん(当時58歳)をなくした松尾明久さん(67)(北九州市)もこの日、被害者の一人で「下関事件被害者の会」代表世話人の永藤登さん(77)(長門市)とともに、同駅を訪問した。 事件発生日に現場を訪れるのは2年ぶりという松尾さん。瑞代さんが上部死刑囚の暴走車にはねられた当時の東口コンコース付近に花を供え、「死刑確定で一区切りは付いたが、事件は終わっていない。遺族の悔しい思い、悲しみは消えることはない」と静かに述べた。
(2008年9月30日 読売新聞)
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