中国、麻薬密輸罪英国人の死刑執行  英首相、最大限の強い言葉で執行を非難

2009-12-29 | 死刑/重刑(国際)
英首相、中国の死刑執行非難…恩赦要請27回
 【ロンドン=大内佐紀】中国当局が、英国人アクマル・シャイフ死刑囚の死刑を執行したことについて、ブラウン英首相は29日、「寛大な措置を求める我々の度重なる要請が認められなかったことに驚き、失望している。最も強い言葉で非難する」との声明を発表した。
 BBC放送によれば、英政府は過去2年間で27回にわたり、精神疾患があるとされるシャイフ死刑囚の恩赦を中国政府に求めてきた。28日夜も、英外務省高官が駐英中国大使を呼び出し、刑を執行しないように求めたばかりだった。
 人権団体や精神疾患患者を支援する団体関係者は28日から夜通し、在英中国大使館を囲み、恩赦を求める運動を展開。シャイフ死刑囚の命運は英国で高い関心を集めていた。英国では死刑が廃止されており、死刑に対する忌避感が強い。(2009年12月29日23時11分 読売新聞)
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中国、英国人の死刑執行=ブラウン首相が非難声明
12月29日17時13分配信 時事通信
 【北京時事】AFP通信によると、ブラウン英首相は29日声明を出し、中国当局が麻薬密輸罪で死刑判決が確定していた英国人アクマル・シャイフ死刑囚(53)の刑を執行したと発表。「われわれの釈放を求める要求が認められなかった」と失望をあらわにするとともに、「最大限の強い言葉で執行を非難する」と述べた。これに先立ち、中国国営新華社通信は最高人民法院(最高裁)が同日、死刑執行を承認したと伝えていた。英メディアによれば、中国で欧州の市民が死刑を執行されたのは過去50年で初めて。
 シャイフ死刑囚は2007年9月、タジキスタンの首都ドゥシャンベから航空機で中国新疆ウイグル自治区ウルムチの空港に到着した際、携帯していたスーツケースにヘロイン4キロを所持していたとして、昨年の一審で死刑判決を受け、今年10月に刑が確定した。
 北京の英国大使館と人権団体は同死刑囚に精神疾患があるとして、精神鑑定を申請。ブラウン首相も死刑を執行しないよう中国に要請した。しかし、最高人民法院は同死刑囚の精神状態に疑いを抱かせる理由はないとして、申請を却下した。
 同法院は「麻薬犯罪は国際的にも重大な犯罪で、国籍の異なる者に対してもすべて法に基づき処理されなければならない」と指摘。「死刑適用は麻薬犯罪の防止に有益だ」と強調した。
 国際人権団体アムネスティ・インターナショナルの発表では、08年に中国では世界最多の少なくとも1718人の死刑が執行された。中国は死刑執行抑制の姿勢をアピールしているが、今回の死刑執行を受け、改めて「死刑大国」として非難する国際社会の声が高まりそうだ。
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麻薬密売の英国人に死刑執行…中国では「当然」の声多数
12月29日18時46分配信 サーチナ
 中国政府は29日、麻薬密輸罪で死刑判決が確定していた英国人アクマル・シャイハ死刑囚に同日午前10時半に刑を執行したと発表した。英国政府は同死刑囚に精神疾患があるとして刑の執行を見合わせるよう要望したが、中国の最高人民法院(最高裁)は根拠に乏しいなどとして却下した。ブラウン英首相は同日、「釈放を求めるわれわれの要求が認められなかった」、「最大限の強い言葉で非難する」などと述べた。
 同事件を伝えた中国のニュース・サイト「環球網」には、刑の執行を当然とするコメントが、次々に寄せられている。
 「法律の前では、だれもが平等」、「正義の銃声だ」、「これで分かった。麻薬密売人と英国政府は同じ穴のむじな」、「死ぬのが恐いなら、中国で悪さをするな。お前の国の首相は寛容であるようだから、自国で薬物を売れ」など、死刑を当然とするだけでなく、英国側の動きを「不当な干渉」と考える書き込みが多い。なお、死刑は銃殺ではなく、薬物の注射で行われた。
 「すばらしい。英国の麻薬密売者への死刑執行を支持。1840年の教訓は、中国で繰り返させないぞ」、「アヘン戦争の時代は終わったんだ。英国人は、自分の家でよく考えてみろ」など、清朝末期のアヘン戦争に言及する書き込みもある。(編集担当:如月隼人)

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