朴大統領 「歴史」を外交に政治利用 中韓で共闘を提案 / 日韓の情緒的なミゾはまた深くなってしまった

2013-07-06 | 国際/中国/アジア

訪中でわかった韓国・朴大統領の「歴史感覚」 日本はうんざり!深まるミゾ
zakzak2013.07.06
 韓国の朴槿恵大統領の訪中は大成功、中韓は「政熱経熱」の時代に入った。朴氏は清潔感を漂わせ、強い政治信条を印象付けて“アジア版のサッチャー”のイメージで注目された。一方で朴氏は中国でも日本の歴史観を批判して「域内の対立の原因」と鋭く牽制(けんせい)。そのうえで伊藤博文を殺害した安重根を“中韓が尊敬する歴史的な人物”として事件現場のハルビン駅に「記念碑を建立したい」と習近平氏に協力を求めた。朴氏の「歴史観」は限りなく後ろ向きで、日本国民をうんざりさせている。(久保田るり子)
*米国に次いで今度は中国でも日本非難、その真意は?
 朴槿恵政権が日本との歴史問題で最も重視するのは慰安婦問題だ。韓国政府は憲法裁判所が下した「韓国政府が慰安婦問題について何も努力しないのは憲法違反」(2011年夏)との判決に縛られているからである。
 朴氏はこの問題にどう取り組むかの行動力、女性大統領としての“倫理”が問われ、さらに日韓和解を決断した父、朴正煕元大統領の娘としての“責任”も試されているというわけだ。
 なにしろ韓国の左派や進歩陣営の反日勢力は、「旧日本人軍人だった朴正煕がクーデターで政権を取ったから(日韓基本条約で)慰安婦問題は処理されなかったのだ!」「(朴正煕は)旧日本軍人だったから靖国神社参拝問題にも甘かったのだろう」などと朴氏を攻撃してくる。従って朴氏が「過去離れ」「歴史離れ」を選択するには高いハードルがそろっているのは日本政府も承知しているだろう。
 今回、朴氏は米中首脳会談という大舞台からの「日本の歴史問題」発信という新手を繰り出した。米国では「日本は過去に向き合い、正しい歴史認識を持つべきだ」と述べ、中国では「最近の歴史などによる問題で域内国家間の対立と不信が高まっている」として、“日本の歴史観”こそが域内の不安定要素なのであると、域内問題にまで一般化して、厳しい表情で日本批判を行った。
 実は韓国が大舞台で日本を批判するのは珍しくない。かつて金泳三大統領(当時)は中国の江沢民国家主席(同)との中韓首脳会談で、竹島問題について「日本のポルジャンモリ(ばかたれ)をしつけ直してやる」などと発言している。
 韓国の政治リーダーがソウルから韓国語で日本に発言してもその声は小さい。だが、大国の舞台から日本批判をすれば大声になる。二国間問題をドンドン大振りに仕立てて相手国を牽制するーこれも外交手法であろうが、いま大半の日本人は「朴さん、またですか…」とげんなりである。
*「ハルビン駅に安重根の記念碑建立したい」って…
 1905年のポーツマス条約でロシアから韓国の保護権を得た日本は、第二次日韓協約で韓国から外交権を奪い、漢城(ソウル)に総督を置き、伊藤博文が初代総監に就任した。当時の伊藤が韓国併合に慎重だったことは、すでに歴史研究の常識になっている。
 日本にとっての伊藤博文は、まず黎明(れいめい)期の立憲政治の祖であり初代内閣総理であり、日清日露戦争の外交を仕切った近代日本の重鎮である。葬儀は東京・日比谷公園で国葬として行われ、日露戦争勝利の凱旋(がいせん)以上の人出だった。
 しかし、韓国からみると伊藤博文は併合を強圧的に進めた人物としてみられている。1909年10月26日、ハルビン駅で伊藤を狙撃した安重根は「侵略者、日本の象徴であり抗日戦線の敵」を倒した義士(英雄)なのである。
 習近平国家主席主催の昼食会で安重根の記念碑建立案を提案した朴氏。日本からみれば実に唐突で攻撃的で、しかも過去に固執した後ろ向きな姿勢にしか映らない。なぜ、いま安重根なのかも不可解だ。
 朴氏は安重根について「中韓共通の尊敬すべき歴史的人物」と述べたが、中国がこの価値観に同意するかは定かでない。2006年、韓国企業家がハルビン駅近くの広場に安重根の銅像を建てたが、中国は10日後に撤去している。理由は「外国人の銅像建設は許可しない」とされた。中国にとっての安重根は第3国の要人暗殺者でしかないとの見方もある。習氏がどう判断するのか、興味深いところだ。
 安重根の記念碑建立案は民間が主導してきた慰安婦像建立とは明らかに異なる。日本人は、韓国が安重根を義士とする歴史認識について異論は唱えない。国や立場によって歴史認識が異なるというのは、日本では当たり前の発想だからだ。しかし、「歴史」を外交に政治利用して「中韓で共闘」を提案する朴大統領の姿勢には認識以前の不快感、違和感を持つ。この提案で、日韓の情緒的なミゾはまた深くなってしまったようである。
===============================================
朴槿恵大統領 伊藤博文を暗殺した安重根の記念碑、中国黒竜江省ハルビン駅に設置の協力要請 2013-06-30 | 国際/中国/アジア 
 韓国大統領 伊藤博文暗殺の安重根の記念碑設置への協力を要請 「尊敬すべき人物」
 産経新聞2013.6.28 21:49
 【北京=川越一】中国を訪問中の韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領は28日、北京の釣魚台迎賓館で習近平国家主席夫妻と昼食をとりながら会談した際、初代韓国統監を務めた伊藤博文元首相を暗殺した朝鮮半島出身の抗日運動家、安重根(アン・ジュングン)の記念碑を、暗殺現場の中国黒竜江省ハルビン駅に設置するための協力を要請した。韓国大統領府が明らかにした。
 朴氏は安重根について、「韓中両国民にとって尊敬すべき歴史的人物だ」と述べた。習氏は「前日(27日)の首脳会談は成果に富み、双方は多くの共通認識に達した」と強調。安重根に関する朴氏の主張に同意したかは不明だが、「関係部署に(記念碑設置を)検討するよう指示する」と答えたという。
 暗殺事件の発生から100年に当たった2009年、韓国では安重根を「世界的な英雄」と宣伝する動きが起きた。その3年前の06年には、韓国人企業家らが同駅近くの広場に安重根の銅像を設置。10日後、中国当局に撤去されたことがある。
 当時は韓国の民間組織による活動に限定されていた上、中国側も一貫して慎重な姿勢を保っていた。それが今回、首脳同士の会談の中で言及された。中国政府関係者も「胡錦濤政権は中国国内の民間の反日活動を抑えてきた。習近平政権はむしろあおっている」と、政府の姿勢の変化を危惧している。
 両首脳は首脳会談後に発表した共同声明で、歴史問題に絡む国家間の対立と不信の激化に憂慮を示す形で日本を牽制(けんせい)した。中国の最高指導者が2日続けて“首脳会談”を行うのは、異例の歓待といえる。習氏と朴氏が、対日強硬姿勢を通じて結束を深めた可能性も否定できない。
 朴氏は28日、李克強首相らとも会談した。
-----------------------------
中山なりあき ‏@nakayamanariaki 2013/6/30
朴大統領が習近平総書記に、伊藤博文元総理を暗殺した安重根の記念碑を暗殺現場のハルピン駅に建てる為の協力を頼んだ。「韓中両国民にとって尊敬すべき歴史的人物」だって!どこまでも反日をやるつもり。他にやる事ないの?伊藤博文は、韓国が屈辱という日韓併合に反対だった歴史を知らないのかな。
=========================================
【緯度経度】ソウル・黒田勝弘 中韓、過去抜き“蜜月ムード”
産経新聞2013.6.29 15:11
 朴槿恵(パク・クネ)大統領の中国訪問は韓国では「中国が異例の厚遇」「中国に朴槿恵ブーム」「朴大統領が華麗なファッション外交」「“経熱政冷”から“経熱政熱”へ」などと大々的に伝えられている。
 「経熱政熱」とは、これまで経済に比べ政治はいまひとつだった両国関係が、今後は経済も政治も緊密になるという意味だ。見栄えのいい女性大統領の人気もプラスアルファになっているが、今や中国と韓国は“蜜月ムード”だ。
 韓中は1992年の国交正常化以来、21年たつ。しかしこれまで多くの首脳会談が行われてきたにもかかわらず不思議なことに両国の“過去史”が問題になったことはない。
 韓国にとって中国は過去、朝鮮戦争(1950~53年)の際の侵略者であり、南北分断固定化の元凶である。当時の毛沢東は北朝鮮の金日成(キム・イルソン)の韓国侵略戦争を支持、支援した。さらに韓国・国連軍に反撃された後、中国の軍事介入がなければ韓国主導による南北統一も可能だった。
 韓国は当然、その戦争責任、侵略責任を中国に問うべきなのに終始、黙っている。今回の大統領訪中に際しても、政府はもちろんマスコミも識者も誰もこの“過去”を語ろうとはしない。6月は朝鮮戦争開戦63周年だったにもかかわらず。
 日本に対し“植民地支配”の過去を限りなく追及し続ける態度とは対照的だ。
 韓国は日本が公式に「謝罪と反省」を繰り返しているのに執拗に日本との過去史を追及し「謝罪と反省」を求めてきた。この違いは何なのか。
 韓中国交正常化の際、このことを韓国当局者に質問したことがある。回答は「中国の戦争責任と日本の植民地支配とは違う」といい、「日本の方が責任が重いから」といわんばかりのものだった。
 しかし戦争被害や南北分断、統一妨害など現代韓国への悪影響を考えれば中国の戦争介入責任の方が重いという見方も可能だ。それに韓国にとって日本の支配は近代化というプラスの副産物(?)ももたらしたが、中国の韓国侵略戦争には何のプラスもなかったではないか。
 今回、朴大統領訪中を前に、韓国マスコミの中国専門家を囲むセミナーでこれが話題になった。筆者の質問に対し彼は、中国に過去を追及しない理由として「中国と日本とは体制と価値観が違うから」といい、さらに韓中関係の基本として「求同存異」を挙げた。
 つまり、日本は自由民主主義体制の国だから「謝罪と反省」はちゃんとすべきで、かつしてくれるはずが、中国は体制が違うので要求しても応じないから、という趣旨の答えだった。
 韓国は中国が侵略戦争責任を追及しても応じないと分かっているので黙っているのだ。とすると結果的に日本のように応じると限りなく追及される?
 韓国は中国とは朝鮮戦争の評価(侵略かどうか)を含む歴史認識がまったく異なる。しかしだからといって中国を非難、糾弾などしない。経済や政治など実利のためには中国と仲良くし、ご機嫌をうかがわなければならないからだ。
 それが「求同存異」-日本でいう「小異を残して大同につく」である。現在、歴史認識問題をはじめ日韓の過去がらみの対立もいわば「小異」である。すぐに解決できないものにはこだわらずお互い棚上げすればいいのだ。セミナーでは日本に対しても「求同存異」でやってほしいものだ、と言っておいた。
--------------------------------


コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。