光市母子殺害テレビ発言 橋下知事、2審も敗訴 広島高裁判決
7月3日7時56分配信 産経新聞
大阪府知事の橋下徹弁護士(大阪弁護士会)が知事就任前に出演したテレビ番組で、山口県光市の母子殺害事件の男性被告(28)=死刑判決を受け上告=の弁護団への懲戒請求を呼びかけたため業務を妨害されたとして、広島弁護士会所属の弁護士4人が1人当たり300万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が2日、広島高裁であった。広田聡裁判長は1人当たり200万円の賠償を命じた1審広島地裁判決を変更、賠償額を1人当たり90万円とした。橋下氏は上告する方針。
広田裁判長は判決理由で、「誤った発言により多数の者が懲戒請求に及んでおり、弁護団の弁護方針に対する批判的風潮を助長した」と述べ、1審と同様、不法行為と認定。「弁護団への批判的見解を述べるのは表現の自由の範囲内ならばとがめられるべきではないが、テレビで専門家として発言する以上、慎重を期すべきだった」と指摘した。
判決によると、橋下氏は平成19年5月放送の「たかじんのそこまで言って委員会」で弁護団を批判し、「許せないと思うんだったら一斉に懲戒請求をかけてほしい」などと発言。原告4人が所属する広島弁護士会には1人600件を超える懲戒請求が出された。
今回の判決を受け、橋下氏は「主張がきちんと認められたが、誇れることでも何でもない。言論活動がどこまで保障されるか、最高裁に決着をつけていただきたい」と話した。
光母子殺害テレビ発言 橋下氏、2審も敗訴 賠償は減額
7月2日23時55分配信 毎日新聞
山口県光市の母子殺害事件(99年)の弁護活動を巡り、橋下徹弁護士(現大阪府知事)のテレビ番組での発言で懲戒請求が殺到し業務に支障が出たうえ名誉が傷つけられたとして被告の元少年(28)の弁護士4人(広島弁護士会)が計1200万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が2日、広島高裁であった。広田聡裁判長は計800万円の支払いを命じた1審広島地裁判決を変更し、橋下氏に計360万円の支払いを命じた。橋下氏は上告する方針。
判決によると、橋下氏は知事になる前の07年5月放送の民放番組で事件の動機を「失った母への恋しさからくる母胎回帰によるもの」などと弁護活動をした原告ら弁護団を批判。「許せないと思うんだったら一斉に弁護士会に懲戒請求をかけてもらいたい」などと発言した。
1審判決は五つの発言のうち四つを名誉棄損と認定したが、広田裁判長は「意見論評の域を逸脱しない」などと、いずれも名誉棄損を構成しないとした。
一方、橋下氏が視聴者に懲戒請求を呼びかけた発言は「懲戒請求する理由がないと知りながら、懲戒事由が存在するかのような誤った発言をした結果、多数が懲戒請求に及んだ」と述べ1審判決と同様、名誉棄損とは別個の不法行為にあたると判断。原告1人当たり慰謝料80万円、弁護士費用10万円の支払いを命じた。橋下氏は1審判決後「表現の自由の範囲を逸脱していた」と謝罪したが控訴。原告側も賠償額を不服として付帯控訴していた。【寺岡俊】
◇「最高裁判断仰ぐ」
橋下徹知事の話 判決を重く受け止める。しかし発言が賠償責任を負うほどの違法行為なのか、疑問だ。最高裁で納得のいく判断を仰ぎたい。
http://www.k4.dion.ne.jp/~yuko-k/kiyotaka/colum-menu.htm
弁護士に対する懲戒請求
(光市母子殺害事件)
橋下弁護士を提訴へ~橋下知事に賠償命令
〈来栖の独白〉
>言論活動がどこまで保障されるか
あれが、保障されるべき言論活動、ですか。