中国、建国70年 軍事パレード 米本土射程 ICBM 公開 2019/10/1 米に対抗 鮮明

2019-10-02 | 国際/中国/アジア

【 核 心 】  国70年 軍事パレード  中国、米に対抗 鮮明
  中日新聞   2019年10月2日
 中国の習近平政権は一日の軍事パレードで、米本土に届くとされる大陸間弾道ミサイル(ICBM)「東風41」や、軍事技術の発展ぶりを示す無人航空機などを初公開し、経済発展に伴い充実させてきた軍事力を国内外に見せつけた。米国との貿易摩擦が長期化するなか、安全保障面でも妥協しない姿勢を鮮明にした。 (北京・中沢穣)

■ 技 術
 パレードの最後にひときわ巨大なミサイル「東風41」が姿を見せた。中国から米本土全体が射程に入るとみられ、中国メディアは、最新鋭の核戦力を象徴する存在として伝える。複数の弾頭を搭載できるためさまざまな方向に散らばり、米国の迎撃ミサイルでもすべて撃ち落とすことが難しいと指摘される。
 短・中距離の「東風17」や中距離の「東風26」など最新の弾道ミサイルも公開された。いずれも核弾頭の搭載が可能で音速を超えるスピードで飛行し、部分的には米国のミサイルをしのぐ性能もあると指摘される。グアムや南シナ海、沖縄など西太平洋で展開する米軍にとっては大きな脅威だ。
 このほか無人偵察機や無人潜水艦、レーダー部隊なども公開され、中国の軍事技術が長足の進歩を遂げたことを印象づけた。中国メディアによると、約40の装備が初公開だった。事前に記者会見した軍高官は「公開する兵器は高度にハイテク化されているのが特徴だ。攻撃精度や作戦能力が高い」と説明していた。

■ 限 界
 パレード前に習近平国家主席は天安門の楼上から演説。「中華人民共和国の成立は、近代以来百年以上にわたって虐げられ続けた悲惨な運命を根底から変え、中華民族は偉大な復興の道を歩みはじめた」と、共産党政権を自画自賛した。
 続けて「いかなる力も偉大な祖国の地位を脅かし、中国人民の前進の歩みを止めることはできない」と声を張り上げると、天安門広場を埋める参加者から大きな拍手が起きた。米国への対抗意識を改めて示した形だ。
 背景には、米国との貿易摩擦で習政権が米国製品の購入などで繰り返してきた譲歩が「すでに限界にきている」(党関係者)ことがある。米中対立は経済だけでなく、中国が「核心的利益」と位置づける台湾や南シナ海など安全保障にも広がり、中国国内では対米強硬姿勢を望む声も強い。北京の政治学者は「東風41などを核抑止力の切り札として公開し、米国の圧力をはね返すべきだ」と訴える。

■ 加 速
 とはいえ、中国が米本土への直接の脅威となる東風41などを公開したことにより、米国での中国脅威論が加速し、米中の「新冷戦」が現実味を増す恐れもある。
 パレードには国連の平和維持活動に参加する部隊も初めて登場し、国際平和に貢献する姿勢を強調。習氏も演説で「平和発展の道を堅持する」との決まり文句を付け加え、周辺国の警戒感払しょくに努めた。
 「米国第一」を貫くトランプ政権との違いを際立たせることで、国際社会での孤立を避ける戦略ものぞく。王毅国務委員兼外相は9月下旬に国連総会で行った演説で、「「自身の利益を各国共通の利益よりも優先させるのは典型的な覇権行為だ」と、名指しを避けつつ米国を批判。同時に、トランプ大統領が署名を撤回した武器貿易条約(ATT)に加入する方針も表明した。

 ◎上記事は[中日新聞]からの書き写し(=来栖)


【国際】米本土射程 ICBM公開 建国70年軍事パレード
   東京新聞 2019年10月1日 夕刊

  写真 
  1日、中国建国70年の軍事パレードに登場した多弾頭型大陸間弾道ミサイル「東風41」=共同 

 【北京=坪井千隼】中国の習近平(しゅうきんぺい)政権は一日、北京の天安門広場周辺で、建国七十周年を記念する式典を行った。軍事パレードでは、最新鋭の戦闘機やミサイル、無人機などを公開して軍事力を誇示した。七十年間の共産党の業績を強調し、国内での求心力を高める狙いがある。
 習氏は天安門の楼上で演説し、「七十年前に毛沢東同志がここで中華人民共和国の成立を誓言した」と建国以来の発展を振り返り、「いかなる力も偉大な祖国の地位を揺るがし、中国人民と中華民族の前進の歩みを妨げることはできない」と訴えた。
 また、共産党の指導を堅持するように国民に求め、抗議活動が続く香港での「一国二制度」の維持や台湾統一への意欲も語った。
 パレードでは、米本土が射程に入るとされる大陸間弾道ミサイル(ICBM)「東風41」も初公開された。米中の対立が続く中、米国への強いけん制となる。音速の五倍以上の速度で飛行するため、迎撃が難しいとされる中距離ミサイル「東風17」も初披露されたほか、中国初のステルス戦闘機「殲(せん)20」も登場した。
 兵士一万五千人が参加し、航空機百六十機のほか、無人攻撃機や戦車など約五百八十のすべて実際に配備されている国産兵器が披露された。中国メディアによると、全体の40%が初公開だったという。
 天安門の楼上には習氏や李克強(りこくきょう)首相ら七人の最高指導部のほか、健康不安説がたびたび流れる江沢民(こうたくみん)、胡錦濤(こきんとう)の二人の元国家主席も姿を見せた。六十周年の軍事パレードと同様、外国首脳らは招待されていない。軍事パレードに続き、事前に選ばれた約十万人の市民が参加するパレードも行われる。 

   ◎上記事は[東京新聞]からの転載・引用です
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