日進市 強殺容疑の少年 複雑な家庭環境 家族へのストレス「本当は家族に危害を加えようと思っていた」

2015-08-05 | 少年 社会

 中日新聞 2015年8月5日 09時00分
「家族に危害考えた」 日進強殺、家庭環境にストレス
 愛知県日進市で無職川村典道さん(65)が殺害されてバッグを奪われた事件で、県警に強盗殺人容疑で逮捕された高校3年の少年(17)が「本当は家族に危害を加えようと思っていた」との趣旨を供述していることが分かった。家族への強い不満の矛先が、面識のない川村さんに向けられた経緯などには不可解な点が残り、少年の精神状態を調べる鑑定留置が4日、11月10日までの日程で始まった。
 捜査関係者や地元住民によると、少年は幼い頃に両親が離婚し父親が再婚。少年は祖父母宅に預けられた。複雑な家庭環境で、以前から感じていた家族へのストレスが事件前に一段と強くなっていたと説明しつつ、「家族に危害を加えると生活に困るのでやめた」などと供述したという。
 祖父らに気付かれないタイミングを見計らい、事件当日の7月12日夜に外出。趣味で収集していたナイフのうち一本を選び、他人から不審がられないように衣類で隠して持っていたとみられる。
 少年は「すれ違った人の中で口うるさく嫌いな祖父に似ている川村さんを見つけ、ナイフで襲った」と供述し、逮捕直後は否認していた殺意をその後、認めた。バッグを奪ったことも「金品を奪う目的だった」と、一転して強盗の犯意を供述した。
 少年は「小遣いをもらっておらず、金がなかった」と話しているという。当初、殺意や強盗目的を否認した理由は「強盗殺人罪は(量刑が)重いと知っていたので、軽くするためにうそをついた」と説明した。
 少年は川村さんを刺殺し、現金6千円などが入ったバッグを奪った疑いで、7月19日に逮捕された。
 捜査当局は現段階で少年の刑事責任能力は問題ないとみている。だが、動機や犯行態様に依然として不合理な点が目立つため、名古屋地検は鑑定留置で精神状態を見極めた上で家裁送致すべきだと判断した。
*鑑定、裁判員裁判にらみ
 少年をめぐっては、名古屋地検が今回の精神鑑定を踏まえ刑事責任能力を問えると判断すれば、検察官送致(逆送)を求める意見を付けて家裁送致するとみられる。逆送後に検察官が強盗殺人罪などで起訴すれば、成人と同様に公開の法廷で裁判員裁判を受ける。
 現段階で多くの捜査関係者が少年の刑事責任能力に問題はないとみる一方、凶悪事件を起こした動機などに関する供述には依然、不可解な点が残る。
 少年事件に詳しい鈴鹿医療科学大の藤原正範教授(司法福祉学)は「鑑定が必要不可欠なケースではないかもしれない。だが、捜査機関が蓄積した知見だけでは事実の解明が困難なため、専門家に委ねようとしたのだろう」と指摘する。
 同教授自身は、少年事件を専門に扱う家裁調査官を務めた2005年までの約30年間で、捜査段階で精神鑑定がなされた事件はほとんど経験しなかった。しかし、09年の裁判員制度の導入以降は急増している印象だという。ある検察幹部は「裁判員裁判になる可能性のある事件で、容疑者の言動と犯行の結果に乖離(かいり)がある場合、早めに精神鑑定を行うことが、裁判員の判断のしやすさにもつながる」と話している。
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日進市 「強盗殺人容疑 17歳」の育ち方 週刊新潮 2015年7月30日号 
日進市 強盗殺人容疑の少年「家族のことでストレスがあり、祖父に似ていたので刺した」
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