上村遼太さん殺害事件:LINEと防犯カメラ…捜査に欠かせぬツール 402人の捜査員、住民603人に聞き込み

2015-02-28 | 少年 社会

 産経ニュース 2015.2.28 08:50更新
【川崎中1殺害】LINEが結んだ「点と線」 容疑者特定、防犯カメラと両輪「現代捜査に欠かせぬツール」
 上村遼太さんが殺害された事件で、殺人容疑で逮捕された少年らの特定に威力を発揮したのが、無料通信アプリ「LINE(ライン)」の通信記録と現場周辺の防犯カメラだった。いずれも「現代捜査で欠かせないツール」(警察幹部)とされ、神奈川県警川崎署捜査本部は事件発生から1週間後の逮捕にこぎつけた。
 ■160カ所のカメラ映像解析
 捜査関係者によると、上村さんは20日午前2時ごろに殺害されたとみられ、現場近くに設置された防犯カメラには、上村さんに似た人物ら4人以上が河川敷へ向かう姿が写っていた。その後、カメラは3人が戻ってくる姿を捉えており、捜査本部はこの3人が何らかの事情を知っていると判断。3人が上村さんと体格がそれほど変わらないことなどから、早い段階から未成年による犯行の可能性が浮上していた。
 捜査本部が映像を解析した防犯カメラは計160カ所に上ったが、映像は不鮮明な部分もあり、「慎重にならざるを得なかった」(捜査関係者)という。
 ■数日前「殺されるかも」のメッセージ
 一方、上村さんは事件前、少年らからLINEでメッセージを受信したとみられ、殺害される数日前には、上村さんが「殺されるかもしれない」と同級生の女子生徒にLINEでメッセージを送っていた。
 捜査本部はLINEの運営会社に通信記録を照会。少年らの直前の行動や、上村さんとの関係性の把握などに活用した。
 現場周辺で600人以上に聞き込みを実施し、交友関係を調べるため親族や友人ら計15人前後からも聞き取りを行った。友人らによると、上村さんは昨年11月ごろから、3人を含む年上のグループと関わるようになったが、その後、「やめると言ったら暴力も激しくなった」「殺されるかもしれない」などと友人に漏らしていたという。
 LINEのメッセージは一定期間、同社のサーバーで保管されており、警察などの正式な要請があれば提供しているという。警察幹部は「最近の少年・少女は四六時中、LINEで連絡を取り合っており、少年事件の捜査には不可欠だ」としている。

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川崎・多摩川中1殺害:少年3人逮捕 容疑は否認 防犯カメラなどで特定
 【神奈川新聞】2015.02.28 03:00:00
 川崎市川崎区の多摩川河川敷で市立中学校1年の男子生徒(13)が遺体で見つかった事件で、川崎署捜査本部は27日、男子生徒を集団で刺殺した疑いが強まったとして、いずれも同区に住む18歳の少年と17歳の少年2人を殺人容疑で逮捕した。捜査本部によると、3人は容疑を否認している。
 捜査本部によると、18歳の少年と17歳の1人は同じ市立中学出身の同級生。ほか1人と男子生徒は同じ少年グループの一員だった。捜査本部の調べに対し、18歳の少年は「何も言いたくない」、17歳の1人も「殺していない」と説明。残りの1人は「近くにいただけ」と現場にいたことは認める供述をしている。
 捜査関係者によると、少年の1人は任意の事情聴取の際、刺した人物として3人のうち1人の名を挙げたという。
 18歳の少年は27日朝、弁護士に付き添われて同署に出頭。捜査関係者によると、弁護士は26日夜に同署を訪れ、「事件当時は自宅にいた」と関与を否定した上で、「あす出頭させる」と説明していた。ほか2人は26日夜から任意同行に応じ、事情を聴かれていた。
 逮捕容疑は、3人は共謀して20日午前2時ごろ、同区港町の多摩川河川敷で、男子生徒の首を刃物で多数回にわたって突き刺して殺した、としている。
 捜査本部によると、河川敷近くの防犯カメラに少年とみられる4人が現場方向に連れ立って歩く姿が写っていたが、再び写った集団から1人減っていた。捜査本部は、これら市内160カ所の防犯カメラを調べ、男子生徒が利用していた無料通信アプリ「LINE(ライン)」の通信記録の解析なども進めて3人を特定した。
 26日までに延べ402人の捜査員を投入し、遺族や友人ら約15人のほか、住民603人に聞き込み捜査を展開。捜査関係者によると、県警は事件直前、男子生徒と18歳の少年らとのトラブルを認知していた。
 捜査本部によると、首には鋭利な刃物によるとみられる複数の刺し傷や切り傷があったほか、腕や顔にも多数の切り傷があった。死因は出血性ショックで、捜査本部は3人に強い殺意があったとみて動機を調べる。遺体近くに血の付いたカッターナイフの刃が落ちており、凶器の特定を進めている。
 男子生徒が死亡したとされる約1時間後の同3時ごろ、遺体発見現場から約700メートル離れた公園のトイレ個室内で火災があり、男子生徒のスニーカーとみられる靴の燃え残りが見つかった。捜査本部は証拠を隠滅しようとしたとみて調べている。

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川崎・多摩川中1殺害:「生意気だ」殴る蹴る 少年3人逮捕 リーダー格の恨み“引き金”か
 【神奈川新聞】2015.02.28 03:00:00
 13歳の少年を殺(あや)めた容疑で逮捕されたのは、17~18歳の少年3人だった。川崎市川崎区の多摩川河川敷で市立中学校1年の男子生徒(13)が遺体で見つかった事件。27日で発生から1週間、捜査は大きく進展したが、「(男子生徒は)戻ってこない」と同級生や地域住民らの怒りや悲しみは消えない。一方、男子生徒が事件に巻き込まれた経過が、仲間の証言から浮かび上がってきた。
 「いつも明るくて笑顔で、いいやつだった」。同じ少年グループとして行動していたという男性(20)は27日、遺体発見現場の河川敷で取材に応じた。
 男子生徒と出会ったのは、中学の部活動に姿を見せなくなってしばらくたった昨年11月。地元の公園で意気投合し、一緒に遊ぶようになった。
 転機は、そのひと月ほど後に訪れた。男性によると、グループのリーダー格だったのは、殺人容疑で逮捕された少年(18)。昨年12月、男性は「いいやつがいるんだ」と男子生徒を呼び出し、この少年に引き合わせた。
 中学生を含む10人ほどのグループの一員として、ゲームセンターに行き、公園で語り合い、夜通し遊ぶこともあった。年が明けるころには、男子生徒は学校に行かなくなっていた。
 男性によると、リーダー格の少年は「普段は穏やかだけど、怒ると抑えが利かなくなる」ため、グループのみんなが恐れていた。だが「怖くて、グループから抜けたいと言い出せなかった」。
 その象徴が、暴力だった。男子生徒はたびたび「生意気だ」と土下座させられ、殴る蹴るの暴行を繰り返し受けていたという。「電話に出ない」「メールの返信が遅い」などが理由だった。
 今年1月下旬、未明の路上。いつものように「生意気だ」と怒鳴り、路上に正座させた無抵抗の男子生徒を、暴行し続けたという。「周囲の仲間が止めに入ったが収まらず、(男子生徒の)顔はぼこぼこで、体じゅう傷だらけになった」。男性は振り返る。
 翌日、男子生徒は腫れ上がった顔で、「もう一緒に遊びたくない」と周囲に相談。このことがリーダー格の少年の耳に入り、暴行はさらに激しくなった。男子生徒と同級生だった男子生徒(13)らもこのころ、目の上に青いあざがある男子生徒(13)を目撃している。
 「(男子生徒が)別の友人グループに体の傷を問いただされ、(リーダー格の少年の)名前を口にしたと聞いたことがある。そのことを(リーダー格の少年が)恨んでいた」
 この一件が“引き金”だったと推測する男性は、悔やむ。「相談に乗って、もっとアドバイスしてあげれば、死ななくてすんだ。(男子生徒)には、逃げてほしかった」
<川崎中1殺害事件の経過>
2013年9月 男子生徒(13)が島根県西ノ島町から川崎市に転校
  14年4月 市立中学校入学、バスケ部に入部
    夏以降 部活に姿を見せなくなる
    秋ごろ 他校や年上の少年らと一緒にいる様子が目撃されるようになる
  15年1月 8日の始業式からすべて欠席、担任が電話や家庭訪問を繰り返すが会えず
  2月16日 担任教諭の電話に男子生徒(13)が出て「そろそろ(学校に)行こうかな」
    19日 夜、母親と自宅で食事し最後の会話を交わした後、外出
    20日 死亡(推定時刻午前2時ごろ)
        川崎区内の公園のトイレから出火していると119番(午前3時ごろ)
        多摩川河川敷で通行人が男子生徒(13)の遺体を発見、110番(午前6時15分ごろ)
    21日 県警が遺体は男子生徒(13)と発表、川崎署に殺人・死体遺棄事件の捜査本部を設置。死因は刃物で首を切られた出血性ショックと判明
    27日 殺人の疑いで少年3人を逮捕

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