光市母子殺害事件

2007-06-11 | 日録

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最高裁弁論要旨(写し)の最後部分

 被告人は、自分のやったことに正面から向き合い、真の謝罪に向けて、その思いをより深めていかなければならないと考える。そして、これらの準備が整うまで、弁論は続行されるべきであると考える。
 なお、付言するが、弁護人安田は、かつて、本件でも、本件よりも犯情が重いにも関わらず無期懲役が適用された事例として挙げられているアベック殺人事件の控訴審の弁護を担当した。この事件は、少年による2名を殺害した強盗強姦殺人事件で、主犯とされた19歳の少年には1審で死刑が宣告された。しかし、彼は、「どうか生きて償いをさせて欲しい」と訴え、控訴審では、被告人及び弁護人によって徹底して事実の見直しが行われ、平成8年12月、無期懲役となり確定した。彼が下獄してから9年を過ぎた。そして、彼のお母さんから先日手紙が届いた。その中には、

「今回はうれしいお知らせができます。Sがここ数年作業賞与金を遺族の2家族の方に詫び状を添 えて送っていたのです。ことしは、Aさんのお父様より礼状が届いたとの手紙が来ました。(略)S は、びっくりするのとうれしいのと心の中は大変だったと書いてありました。事件の後、主人と2人でお家にうかがったときにはお父様には決して会ってくださることはありませんでした。その方が、頑張るようにと書いてくださったとのこと、少し私もうれしく思い主人の仏前に知らせました。これからもA様の気持ちを大切に頑張ると書いてありました。」
と書いてあった。
 生きて償うということは、何時までも贖罪の心を忘れることなく被害者のことを思い謝罪を続けることである。そして、それをとおして再び人間としての信頼を取り戻していくということだと思う。それは、決して生やさしいものではないが、しかし、死刑を無期懲役に減刑されたS君は、それを今日も実践し続けている。
 私たち弁護人は、まず、事実について一から吟味されることはもとより、被告人にも、S君と同じチャンスを与えられるべきであると裁判所に強く求める次第である。

以上


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