〈来栖のつぶやき〉
脳死を人の死とする法案が成立した。中村暁美さんは「国会審議では(移植手術の)自給自足だとか、人を人と見ない言葉が飛び交っていた」と言った。また生命倫理を専門にした大学教授らでつくる「生命倫理会議」のメンバーは「植物状態や認知症の人など、人の世話を受けるようになったら生きなくてもよい、という風潮にならないか」などと危惧を表明している。
私が本法案を本能的に恐れ、嫌悪したのも、この点だ。「自給自足」などと称して、人が人として扱われず、人の世話を受けることによってのみ命脈を保っている弱い人が、有用性がないとして捨てられるのではないか。強く危惧する点である。
ここに死刑囚のことなど持ち出しては中村暁美さんたちに真に申し訳ないが、私固有の危惧を述べてみたい。
この「自給自足」(有効活用)は、死刑囚に対して顕著とならないか。罪を犯した人である。「最後に人のお役に立っては、どうか」、こういった風潮にならないか。
交流が始まって間もない頃、勝田清孝が言ったことがあった。「犯罪者(死刑囚)の角膜など、誰も欲しがらないでしょうが・・・」。犯罪者という痛恨の極み、引け目のなかにあって、しかし、死刑囚勝田清孝は人の役に立ちたかった。「貢献したい」と言った。受刑後に、ではない。生きながら角膜を提供したい、と言った。「ご自分を貶めてはいけない。貴方が、あなたを尊重しないで、どうするか」、私は彼の惨めな思いが哀れでならず、何とか社会貢献の方途を得させてやりたいと祈った。やがて彼の思いは役所にも通じ、点訳に励むことが出来るようになった。受刑の日まで、貢献の思いを絶やすことはなかった。死刑囚の贖罪、悔悟の思いは、並大抵ではない。この思いに、どうぞ、生前に、人間らしい処遇で応えてやって戴きたい。
死刑囚の死は整然と計画的で、つまり予知可能である。かつ、死刑は健康な囚人に限って行われる。脳死段階で、最良の状態の臓器摘出が可能である。杞憂に終わることを祈りつつ、お願いしたい。死刑囚に死後の有効活用など、示唆しないで戴きたい。
いのちとか死について考えるとき、決まって底知れない不安、絶望に近い感情が私を襲う。人びとの暮らしの中に宗教が存在する国では、宗教が、法や生き方を補完したり方向付けたりすることがあるが、この国は特定の宗教ないし宗教心をもたない。本法案審議においても、議員たちは各々の感性を頼りに---教育の現場に於いて死や命について考えるカリキュラムが無い、とも聞いた。---右往左往しているかに見えた。確固としたモラル、生命観や死生観を持ち得ない人びとの感性と政局に、「いのち」や「死」が翻弄、あるいは利用された。貧しい国だ。
http://blog.goo.ne.jp/kanayame_47/e/c5ab15240023edd3dcfd08309e759f29
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【社説】
臓器法改正 提供側への配慮怠るな
中日新聞2009年7月14日
改正臓器移植法が成立し、年齢に関係なく臓器提供できる道が開かれた。渡航移植せずに済むようにするためだが、衆院解散に伴う廃案を避けようと審議不十分のまま採決に踏み切った感は否めない。
改正法は一年後に施行され、法の性格が一変する。改正法というよりむしろ新法に近い。
一九九七年に成立した従来の移植法は、臓器提供者(ドナー)側の「自己決定権」を重視し、文書による提供の意思表示と家族の同意を要件にしているほか、指針で意思表示できるのは十五歳以上に限定するなど高いハードルを設けている。改正法では、意思表示が不明なときには家族の承諾で提供できるほか年齢制限を撤廃し、提供条件を緩める。
現行法は脳死は臓器提供の場合に限って「人の死」としているが、改正法は脳死は一般に「人の死」と位置付けている。
総じて現行法がドナー側に軸足を置くのに対し、改正法は移植を受ける側に立つといえる。
衆参を通し、合わせて六案の改正案が提出された。倫理観、死生観が絡む問題だけに意見が多様に分かれることを示しているが、論点を一つずつ時間をかけて審議し、意見の収斂(しゅうれん)を図る努力は見られなかった。この点が現行法の成立時とは大きく異なる。
それだけに改正法には幾つかの疑問が指摘されている。
脳死を「人の死」とすることについて改正法支持の国会議員や日本移植学会は「運用上は臓器提供の場合に限る」と説明するが、臓器提供以外の医療現場で治療の中止や人工呼吸器を外すのが早まる恐れはないのか。脳死を「人の死」とすることを受け入れない国民への配慮を忘れてはならない。
臓器提供やそれを前提にした脳死判定は拒否できることを国民に明確に伝える必要もある。
救急医療の現場で脳死患者が発生したとき、医療機関は従来、意思表示をしている患者の家族だけに提供の意思を確認すれば済んだが、本人意思が不明のとき、すべての家族に確認するのか。そうなると、過大な負担を負わすことになり、救急医療の崩壊に拍車をかけることが懸念される。
今国会では脳死ドナーをいかに増やすかに焦点が当てられ、わが国で多数行われている肝臓などの生体移植についての法的規制はほとんど審議されなかった。生きているドナーを守る観点から、ドナーの要件を脳死移植並みに法で厳格に定めることが求められる。
【政治】施行まで1年、課題山積 臓器移植法改正法
2009年7月14日 中日新聞朝刊
「脳死は一般的に人の死」と位置づけ、本人の意思が不明な場合でも家族の同意があればゼロ歳からの臓器提供を可能にし、13日に参院で可決、成立した改正臓器移植法(A案)は1年後の施行までに、解決すべき課題が山積している。
「やっとスタートラインに着けたが、これからが大変だ。まず移植医療の意義や重要さを、国民や救急現場の医師に理解してもらわなければ」と、日本移植学会で臓器提供推進担当の常務理事を務める藤田保健衛生大病院(愛知県豊明市)の星長清隆院長は話す。
現在でも、心停止後の腎臓や角膜の提供は家族の同意だけで可能だが、受諾率は10~20%と低い。脳死移植ではさらに家族の抵抗感が強くなるとみられ、同学会は今後さらに、意思表示カードの普及を図る方針だ。
医療現場も問題を抱える。救命を最後まで尽くしたという病院側の姿勢が、家族が提供に同意する上での大きな要素となるが、日本の救急医療現場は医師不足で疲弊し、専門医も少ない。小児の救急搬送を24時間体制で受け入れる小児集中治療室(PICU)を備えた施設は、全国に4カ所しかないといわれる。
患者家族のケアや移植者の選定をする臓器移植コーディネーターも、全国でわずか約70人しかいない。コーディネーターの育成に加え、「家族のケアを専門にするコーディネーターも新たに養成しなければならない。それには、国の予算措置などが必要だ」と、星長院長は話している。
改正臓器移植法成立:「死の定義」歓迎と苦悩
脳死は人の死--。死の定義を変え、家族の同意で子どもの臓器提供を可能にする改正臓器移植法が13日、成立した。国会会期末を目前に控え、衆院解散・総選挙の日程があわただしく決まる中、制定から12年を経て法改正が実現した。海外渡航しか命を救えない子どもへの移植がようやく国内で実現することを歓迎する声が上がる一方、心停止後の子どもの臓器提供を経験し、苦悩の日々を送った家族はドナー(臓器提供者)側への配慮を強く求めた。【野田武、高野聡、山田大輔、奥野敦史、江口一】
◇「これで助かる子が」…海外で移植経験
05年にドイツに渡航して心臓移植を受けた小学6年の女児(12)の父親(49)=和歌山県在住=は「日本には技術があるのに、なぜ子どもの心臓移植ができないのか疑問だった。国内での移植へ向けて前進した」と成立を喜んだ。
女児は04年8月、拡張型心筋症と診断された。心臓の筋肉の働きが弱くなり、血液を全身に送るのが困難になる原因不明の病気。重症化すれば移植しか治療法はない。
翌月、大阪大病院(大阪府吹田市)に入院し、補助人工心臓をつけた。翌年5月、親族らが募金活動で集めた約7000万円でドイツへ。1カ月後に移植を受けた。
女児は臓器の拒絶反応を防ぐため、免疫抑制剤を生涯飲み続ける必要がある。免疫が低下しているため、学校で風邪がはやった時には登校を控える。刺し身など生ものを避ける制限もある。でもそれ以外は普通だ。「こんなに元気になったのかと、考えられないくらい」という。
「移植でないと助からない子どもがいる。ドナー側の皆さんは、複雑な思いを抱えて決断されると思うが、一人でも二人でもそういう人が出てきてもらえば」と父親は願う。
◇今思う「自分のため」…長男の腎臓提供
兵庫県篠山市で小児科医院「すぎもとボーン・クリニーク」を開業する医師、杉本健郎(たてお)さん(60)=小児神経内科=は「脳死判定後も長期間心停止しない子どもの『長期脳死』の症例も報告されているのに、『脳死を人の死』と法で決めてしまっていいのか」と批判した。
杉本さんの長男、剛亮(ごうすけ)ちゃんは85年3月、6歳で交通事故に遭い、脳死状態となった。突然の不幸に混乱する中、脳裏に浮かんだのが「剛亮ちゃんの生きた証しを残してやりたい」という考えだった。
心停止後の腎臓提供を申し出、積極的な延命治療を中止。人工呼吸器を外して容体を見守った。「数分で止まる」と言われていた心臓は約30分間動き続け、徐々に皮膚の色が黒ずんでいったという。腎臓は2人の患者に移植され、杉本さん自身も剛亮ちゃんの死を受け入れたと感じていた。
だがその後、カナダに留学し、子どもの立場からケアに当たる現地の医療体制を知り、自分の意思だけで臓器提供したことに後悔の気持ちが出てきた。「自分は長男の思いを意識せずに提供を決めてしまった。自分の行為は、悲しさを癒やしたいがための自分のための行為だったのでは」と振り返る。
◇「最低限のみとりを」…5歳長男が提供
「自分の子や孫が目の前で脳死になっても喜んで臓器提供するんですね、と賛成議員に一人ずつ問いたい」。25年前、5歳だった長男が心停止後に臓器提供に応じた愛知県豊橋市のタクシー運転手、吉川隆三さん(60)はA案可決を家族の電話で知り、声を震わせた。
84年、長男忠孝君が急病で脳死状態となり、心停止後に腎臓を提供した。「他人の体を借りてでも息子を生かしたい」との親心からだったが、「これで良かったのか」と悩む日々が何年も続いた。
吉川さんは臓器提供者(ドナー)の家族同士が思いを分かち合う集いを呼びかけ、「日本ドナー家族クラブ」の00年発足に尽力。家族の心の痛みをケアし支える「ドナー・コーディネーター」の公的組織の設立を訴えてきた。国会審議にも注目してきたが、改正法には期待したドナー家族への配慮は何も盛り込まれなかった。
「米国では大統領夫人がドナー家族の集いに参加するなど、国を挙げて善意に報いる姿勢を示している。しかし日本では『ほったらかし』の状態」と指摘。「突然不幸に襲われ、『一瞬』で判断しなければいけない。肉親の死を受け入れる最低限の『みとり』の時間がほしい。法改正でますます家族がせかされるのではないか」と懸念を示した。
◇賛否両派が会見
改正臓器移植法の成立後、賛成、反対両派が国会周辺で相次いで記者会見した。
成立したA案提出者の中山太郎衆院議員らと臓器移植患者団体の代表、移植医らは繰り返し握手を交わし、法改正の実現を喜んだ。「脳死を人の死」とする死の定義を変更することには強い反対もあったが、中山議員は「臓器提供者(ドナー)の家族はいつでも提供を拒否する権利がある。今後の努力で国民の不安は払しょくできるはずだ」と強調した。
一方、「臓器移植法改悪に反対する市民ネットワーク」の川見公子事務局長は「解散・総選挙ありきで、長期脳死やドナーの問題など、重要な論点の審議が短時間で打ち切られてしまった。人間の生と死にかかわる法案がこのような形で成立したことは、後世に汚点を残す」と強く批判した。 毎日新聞2009年7月14日1時20分
改正臓器移植法成立 賛成派は感激の涙、慎重・反対派からは怒りの声
配信元:産経新聞2009/07/13 22:56更新
「脳死は人の死か」-。国会での審議が拙速との批判を受けながらも、衆院解散の流れにのるように成立した改正臓器移植法。成立を受け、推進派も慎重派も背負う家族や知人の「命」を思い涙した。感激の涙に悔し涙。それぞれの思いが交錯した。
参院本会議場傍聴席。昨年12月、心臓移植のため渡米し手術前に1歳で亡くなった中沢聡太郎ちゃんの両親の姿があった。A案が可決されると母、奈美枝さん(34)は泣き崩れ、父、啓一郎さん(37)はその肩に手を置いた。「やっとスタートライン。息子に『変わったよ』と報告できる」。
国内の移植医療の推進に向け、長年活動してきたNPO法人「日本移植者協議会」の大久保通方(みちかた)理事長は「このすばらしい医療を1人でも多くの方に届けたいという思いで活動してきた」と目を潤ませた。
反対派からは落胆と怒りの声。法改正に反対してきた市民団体代表世話人の川見公子さんは「人の生死を決める法案が、解散を前にしたスピード審議で決まった」と憤りを隠せない。
9歳の娘を交通事故で失った「全国交通事故遺族の会」の戸川孝仁理事は「みとりの時間が今後は期待できなくなる」と述べ、「不勉強な議員が賛成に回った」と敗因を語った。
2年近く脳死状態が続き、平成19年に死亡した中村有里ちゃん=当時(4)=の母、中村暁美さんは涙が止まらない。有里ちゃんは人工呼吸器を付けながらも、身長が伸び体重は増えた。「もっと時間をかけて脳死について考えてほしかった。脳死が一律に人の死なんて許せない」と非難した。
「審議すべき問題を放置」=生命倫理会議が緊急声明
(時事通信社 - 07月13日 21:02)
生命倫理を研究する大学教授らでつくる「生命倫理会議」(代表・小松美彦東京海洋大教授)が13日午後、記者会見し「討究されるべき諸問題が放置されたまま、わずか8時間の審議で最も危険なA案が可決された」とする緊急声明を読み上げた。
同会議は「脳死は人の死」と科学的に立証されていないだけでなく、国民の合意も得ていないとして、成立した改正臓器移植法(A案)に反対。子供の臓器提供が親の承諾で認められるため、虐待の証拠隠滅になる恐れがあることや、人工心臓など臓器移植以外の治療法の存在などに触れ、改正法への危惧(きぐ)を示した。
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(7/13)臓器移植法改正A案への賛否(参院) 日経新聞
【賛成(138)】
▼民主党・新緑風会・国民新・日本(52)
足立信也、浅尾慶一郎、家西悟、池口修次、岩本司、梅村聡、尾立源幸、大久保潔重、大塚耕平、加賀谷健、加藤敏幸、金子恵美、亀井郁夫、川合孝典、木俣佳丈、郡司彰、小林正夫、行田邦子、佐藤公治、桜井充、自見庄三郎、高橋千秋、武内則男、谷博之、津田弥太郎、辻泰弘、外山斎、徳永久志、轟木利治、内藤正光、直嶋正行、中谷智司、中村哲治、長浜博行、長谷川憲正、平田健二、平野達男、平山幸司、広田一、広中和歌子、藤本祐司、藤原正司、前川清成、増子輝彦、松浦大悟、水戸将史、森田高、柳沢光美、柳田稔、吉川沙織、米長晴信、蓮舫
▼自民党(67)
愛知治郎、青木幹雄、秋元司、浅野勝人、石井準一、石井みどり、泉信也、礒崎陽輔、市川一朗、岩城光英、岩永浩美、尾辻秀久、岡田直樹、岡田広、荻原健司、加治屋義人、加納時男、川口順子、河合常則、木村仁、岸宏一、岸信夫、北川イッセイ、小池正勝、鴻池祥肇、佐藤昭郎、佐藤信秋、佐藤正久、椎名一保、島尻安伊子、末松信介、鈴木政二、世耕弘成、関口昌一、田村耕太郎、伊達忠一、塚田一郎、鶴保庸介、中曽根弘文、中村博彦、中山恭子、二之湯智、西島英利、西田昌司、野村哲郎、南野知恵子、長谷川大紋、橋本聖子、林芳正、藤井孝男、古川俊治、牧野たかお、舛添要一、松田岩夫、松村祥史、松村龍二、松山政司、水落敏栄、溝手顕正、森まさこ、矢野哲朗、山崎正昭、山田俊男、山本一太、山本順三、吉田博美、吉村剛太郎
▼公明党(14)
荒木清寛、魚住裕一郎、風間昶、草川昭三、木庭健太郎、西田実仁、浜田昌良、浜四津敏子、弘友和夫、松あきら、山口那津男、山本香苗、山本博司、渡辺孝男
▼改革クラブ(4)
荒井広幸、大江康弘、松下新平、渡辺秀央
▼無所属(1)
山東昭子
【反対(82)】
▼民主党・新緑風会・国民新・日本(56)
相原久美子、青木愛、犬塚直史、植松恵美子、小川勝也、小川敏夫、大石尚子、大河原雅子、大久保勉、大島九州男、岡崎トミ子、風間直樹、神本美恵子、亀井亜紀子、川上義博、川崎稔、喜納昌吉、工藤堅太郎、輿石東、今野東、佐藤泰介、芝博一、島田智哉子、下田敦子、主濱了、鈴木寛、鈴木陽悦、田中康夫、高嶋良充、谷岡郁子、千葉景子、ツルネン・マルテイ、富岡由紀夫、友近聡朗、那谷屋正義、西岡武夫、羽田雄一郎、白真勲、林久美子、姫井由美子、福山哲郎、藤末健三、藤田幸久、藤谷光信、藤原良信、舟山康江、前田武志、牧山ひろえ、松井孝治、松岡徹、松野信夫、円より子、水岡俊一、室井邦彦、森ゆうこ、簗瀬進
▼自民党(6)
有村治子、神取忍、中川雅治、丸山和也、山谷えり子、若林正俊
▼公明党(6)
浮島とも子、沢雄二、白浜一良、谷合正明、山下栄一、鰐淵洋子
▼共産党(7)
井上哲士、市田忠義、紙智子、小池晃、大門実紀史、仁比聡平、山下芳生
▼社民党・護憲連合(4)
近藤正道、福島みずほ、渕上貞雄、山内徳信
▼無所属(3)
糸数慶子、川田龍平、田中直紀
【棄権・欠席(21)】
▼民主党・新緑風会・国民新・日本(10)
石井一、一川保夫、大石正光、北沢俊美、榛葉賀津也、田名部匡省、峰崎直樹、山下八洲夫、山根隆治、横峯良郎
▼自民党(8)
衛藤晟一、小泉昭男、谷川秀善、中川義雄、丸川珠代、山内俊夫、義家弘介、脇雅史
▼公明党(1)
加藤修一
▼社民党・護憲連合(1)
又市征治
http://blog.goo.ne.jp/kanayame_47/e/0fdf8ad63428a242c6a06263aee403d7
「死刑囚をただ殺すのではもったいない。臓器を有効活用させろ。」というような意見を何度か読んだことがあります。黒か白か、損か得かでしか物事をみれない、単純な世界観は恐ろしく思います。
他人様に役立つことなんて何もしてこなかった、それどころか周りを煩わせるばかりだった、だからせめて死んだ後くらい、と思う普通の人々。(私もこれに属する)
臓器移植が出来ず、為す術なく自分の子供を見送ったご両親が、本法案実現のために積極的に活動しておられましたね。 法案通過の瞬間、号泣されておられましたが、「あぁ、この方達は、やっと救われたのだな」とストレートに感じました。
こういう“善意”、と即物的とも言える動機(これが悪だとも思いません。 どこかで割り切らないと、医療は進歩しないというのも、また真実なので)が、ない交ぜになっているので、そう簡単にコンセンサスの得られるテーマでは有りませんね。
人工臓器、ES細胞(受精卵ではなく、羊水中の幹細胞を使う技術が有るそうで)の研究開発に、他国より一桁、二桁大きい予算を組む、くらいのことをやって欲しいが、こういうビジョンがこの国には無い。 その事に(医学者、科学者の怠慢も含め)怒りを感じます。
私のほうもトラックバックさせてもらいました。
正直なところ、人の死を喜ぶようになる脳死臓器移植は単なる欲です。
中国では死刑になった人の臓器を移植しているという話がありました。
本当かどうかはわかりませんが、あり得る話です。