北朝鮮「サイバー戦士」の脅威 3000人規模のサイバー部隊

2013-03-22 | 国際/中国/アジア

アングル:北朝鮮「サイバー戦士」の脅威、韓国で高まる警戒感
2013年03月21日19:24 JST[ソウル 21日 ロイター]
 朝鮮半島情勢が緊迫の度合いを深めるなか、韓国の放送局や銀行のサーバーがサイバー攻撃を受けた事件は、多くの専門家が背後に北朝鮮の存在を指摘している。
 韓国の放送通信委員会は21日、「被害を受けた組織(のサーバー)にアクセスした中国のIPアドレスを特定した」と説明。これまでにも北朝鮮のハッカーが中国を経由してサイバー攻撃を仕掛けたことがあるという。
 今回の事件は、世界有数のインターネット普及度を誇る韓国のもろさを浮き彫りにした格好となった。
 2008年に韓国に脱北した元兵士のJang Se-yul氏は、北朝鮮には今では3000人規模のサイバー部隊があり、プロのハッカー約600人が所属していると推測する。Jangさんの母校である美林大学(現・自動化大学)には、ハッカー養成の特別な授業がある
 同氏によれば、韓国との戦いで最前線と位置付けられている「サイバー戦士」には、高級アパートなどの特典が与えられる。「サイバー戦争では、北朝鮮が簡単に他の国を打ち破ることができる」という。
 北朝鮮は今月7日、米国に対する核兵器での先制攻撃も辞さないと表明したほか、米韓合同軍事演習をめぐって韓国側に砲撃を加える可能性も示している。ただ軍事専門家らは、北朝鮮に米本土攻撃能力がないことや、装備が時代遅れの北朝鮮軍が米韓に太刀打ちできないであろうことを考えれば、米国への脅しは単なる虚勢に過ぎないと指摘する。
 しかし、そうであればこそ、サイバー攻撃は北朝鮮にとって魅力的かつ安上がりな選択肢と言える。ソウルにある高麗大学校の情報セキュリティーの専門家Lee Dong-hoon氏は、「北朝鮮は戦闘機や軍艦に投資することはできないが、全ての資金をつぎ込んでハッカーを育成してきた」と語る。
北朝鮮の能力>
 韓国が20日に受けたサイバー攻撃では、3つのテレビ局と2つの銀行が被害を受け、韓国インターネット振興院によると約3万2000台のコンピューターが影響を受けた。銀行がサービスを復旧させるまでには数時間を要した。テレビ局の放送には影響が出なかったものの、サーバーへの被害は銀行よりも大きいとみられている。
 北朝鮮は過去にも韓国の保守系新聞、銀行、政府の機関を標的にハッキングを仕掛けたことがあり、2011年には10日間に及び分散型サービス拒否(DDoS)攻撃が行われた。これは北朝鮮の関与が疑われる最も大掛かりなサイバー攻撃で、米セキュリティーソフト大手マカフィーが「10日間の雨」とも名付けている。
 北朝鮮は今月15日、同国のインターネットサーバーが米国からサイバー攻撃を受けているとし、報復攻撃をちらつかせた。
 高麗大学校のLee氏は、「北朝鮮には今回よりもはるかに規模の大きな攻撃を仕掛けられる能力がある。例えばテレビ放送を止めたり、金融データを全て抹消したりして韓国をパニックに陥れることも可能だ」と警戒感を募らせた。(原文執筆:Ju-min Park記者、翻訳:梅川崇、編集:宮井伸明)  *強調(太字・着色)は来栖
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北サイバー要員数千人 韓国指摘 各地に分散配置
東京新聞2013年3月22日 朝刊 【ソウル=篠ケ瀬祐司】
 韓国の主要テレビ局のパソコンなどに障害が起きた事件で、韓国内では北朝鮮が関与しているとの見方が広がっており、「人民軍などが数千人規模のサイバー要員を使い、中国経由でハッキングをしている」との指摘が出ている。韓国・放送通信委によると今回のサイバー攻撃はウイルス対策ソフトを更新する機能へ不正プログラムを侵入させ、接続された各コンピューターに障害を与えた。完全復旧までには最短で四、五日かかるとみられる。
 国会関係者によると、国家情報院長に内定している南在俊(ナムジェジュン)氏は、国会に提出した非公開文書で「人民軍偵察総局に千人余のサイバー戦担当者がおり、各地に分散配置されている」と、北朝鮮のサイバー戦略の一端を明らかにした。北朝鮮でコンピューター教育に従事していた脱北者の金興光(キムフングァン)NK知識人連帯代表は「サイバー要員は偵察総局のほか、軍組織や『一一〇研究所』と呼ばれる労働党内組織を合わせ三千人程度とみられる」と話す。北朝鮮内でハッキングで集めた情報やパスワードなどを解析しているほか、中国などの外国に滞在する数十人が不正プログラムの拡散を行っているという。
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金正恩政権が核ミサイルを開発する本当の理由(前篇)黒井 文太郎 2013-03-20 | 国際/中国/アジア 
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