【親日・台湾はいま】台湾ってどんなところ? 深まる対中依存、高まる警戒感
zakzak 2014.06.10
東日本大震災後、台湾から日本に寄せられた義援金は官民合わせ250億円を超えるといわれる。沖縄・尖閣諸島周辺の領海侵入を繰り返す中国、史実に基づかない対日批判を世界中で繰り広げる韓国が目立つ東アジアの中で、その親日ぶりは際立っており、日本にとって、かけがえのない存在といえる。
そんな「親日・台湾」を、馬英九総統が進める中国との「サービス貿易協定」が揺るがす。
中国と台湾は2010年6月、事実上の自由貿易協定にあたる「経済協力枠組み協定(ECFA)」を締結した。ECFAに基づき、今後約800品目の関税が引き下げられる。
今回のサービス貿易協定は、ECFAを具体化した協定の一つだ。電子商取引や医療、旅行業など中国側が80項目、台湾側が64項目を開放する内容となっている。
台湾への中国企業進出による、言論の自由や安全保障への影響を懸念する声が根強く、学生らの立法院占拠を引き起こした。
背景には、台湾経済の中国依存度が高まっていることがある。
「我々(中国と台湾)はともに炎黄(中国の伝説上の王、炎帝と黄帝)の子孫である」
08年5月に就任した馬総統は、「中華文明」という枠組みを強調し、対中融和政策に取り組んだ。
就任翌月には、99年以来停止していた台湾の「海峡交流基金会」と、中国の「海峡両岸関係協会」のトップ会談を再開。経済分野での交流が加速し、09年4月には中台直行便を定期化した。
08年9月のリーマン・ショックも対中依存を後押しした。
それまで5%前後だった経済成長率は、08年に同0.7%までダウンした。翌09年は同1.8%のマイナス成長になり、失業率は5.85%に上昇した。馬総統にとって、経済の立て直しは急務だった。
台湾経済は輸出の割合が66%に達する。馬総統は対中貿易の振興による不況脱却を目指した。
この判断は、少なくとも経済面では奏功した。ECFAを結んだ10年、輸出額は前年比34.8%増を記録し、経済成長率は10.8%増とV字回復した。その後も、2~4%の成長を続けている。
中国に進出した台湾企業は累計10万社、就業人口1千万人のうち、10人に1人にあたる100万人が中国で働いているという。
11年の台湾の輸出額3082億ドルのうち、輸出先は中国と香港が40%を占める。輸入額でみても2814億ドルのうち、中国が日本に次ぐ15%を占める。台湾にとって重要な貿易相手となっている。
だが、経済の対中依存深化が、台湾社会に影を落とす。
台湾の大手新聞「中国時報」は09年に、企業グループ「旺旺」に買収された直後から、中国に批判的な記者が次々と退社し、紙面の論調が「親中」に変わった。「旺旺」は台湾発祥の企業だが、中国に多数の工場を持つ。
「台湾経済に侵食し、中台統一につなげるつもりだ」
若者の警戒感は高まった。旺旺は12年、台湾のテレビ局買収に乗り出したが、若者を中心に反対運動が起こり、失敗した。
今回のサービス貿易協定に対する反対運動も、こうした流れの延長にある。
「私たちは貿易自由化に反対しているわけではない。中国との貿易自由化に反対なだけだ」
立法院を占拠した学生は、口々にこう語る。この言葉の裏には、日本との貿易拡大を期待する気持ちがある。
日本にとっても経済、安全保障の観点から、台湾の動揺は望ましくない。台湾が現在の民主主義体制を維持できるか、関心を持ち続ける必要がある。(大森貴弘)
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◇ 震災式典 台湾の指名献花は当然/昨年は中国へ遠慮し、台湾を指名献花からはずすという恥ずべき行為 2013-03-07 | 国際/中国/アジア
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◇ 『最終目標は天皇の処刑』 中国「日本解放工作」の恐るべき全貌 ペマ・ギャルポ著 飛鳥新社 2013-02-05 | 本/(演劇)
(抜粋)
p15~
台湾からの義援金
東日本大震災における一連の流れで、私にはもう1つ気になったことがあります。(略)
例えば、台湾で集まった義援金は震災後1カ月足らずで、日本円にして140億円を超えました。
p16~
しかもその大半は一般市民からのものです。アメリカの赤十字による寄付が100億円ですから、人口がアメリカの約10分の1に過ぎない台湾で140億円も集まったということは、いかに彼等が心配してくれているかの表れでしょう。その後もその額は増え続け、台湾総統府の発表によると、2011年5月1日時点で約163億円、最終的には200億円に迫る金額で、海外への義援金としては過去最高だそうです。
ところが、この事実を報道したのは一部のメディアに過ぎませんでした。しかも、ほんの小さく事実を伝えただけの、いわゆる“ベタ記事”扱いです。その一方で、中国から15人の救援隊が派遣された時は、「民族の感情を越えた人道主義」といった美談仕立てにして、大手メディアが大々的に報じています。一方、インドからは中国の3倍にあたる47名がやって来て、過酷な大罪環境の中、瓦礫の山の中からの遺体収容など一番つらい仕事を受け持ちました。インドだけではありません。(略)にもかかわらず、ニュースになるのは圧倒的に中国のことばかり。ちなみに中国からの義援金は10億円に満たない額です。金額や人数の多寡を、あまりとやかく言うつもりはありませんが、それにしても台湾が10数倍の金額を寄付してくれた事実を、ほぼ無視するというのは、あまりにも不自然ではありませんか。
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