下関市のJR下関駅で1999年9月、15人が殺傷された通り魔事件から29日で丸9年を迎えた。現場となった同駅には遺族らが訪れ、花を手向けて冥福(めいふく)を祈った。
刺殺された衛藤和行さん(当時79歳、下関市豊北町)の二女夫婦は、夕方の事件発生時刻に、衛藤さんが倒れた6番ホームに献花し、手を合わせた。
上部康明死刑囚(44)の刑は8月下旬に確定した。二女は「ようやくこの場で父に死刑確定を報告できたが、9年は長かった。遺族や被害者の心の傷が癒やされることはない」と話し、現場を後にした。
妻瑞代さん(当時58歳)をなくした松尾明久さん(67)(北九州市)もこの日、被害者の一人で「下関事件被害者の会」代表世話人の永藤登さん(77)(長門市)とともに、同駅を訪問した。事件発生日に現場を訪れるのは2年ぶりという松尾さん。瑞代さんが上部死刑囚の暴走車にはねられた当時の東口コンコース付近に花を供え、「死刑確定で一区切りは付いたが、事件は終わっていない。遺族の悔しい思い、悲しみは消えることはない」と静かに述べた。
(2008年9月30日 読売新聞)
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◆ 3名の死刑執行 2012.3.29 東京(古沢友幸死刑囚)・広島(上部康明死刑囚)・福岡(松田康敏死刑囚) 小川敏夫法相、就任から3ヵ月弱
死刑執行は下関駅通り魔事件の上部死刑囚ら
産経ニュース2012.3.29 10:18
関係者によると、死刑が執行されたのは、山口県下関市のJR下関駅で平成11年、15人を死傷させた上部康明死刑囚▽横浜市で14年、元妻の両親ら3人を殺害した古沢友幸死刑囚▽宮崎県で13年、女性2人を殺害し現金を奪った松田康敏死刑囚-の3人。
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