「特捜部は恐ろしいところだ」ストーリー通りの供述を取らなければ、という強いプレッシャー〈陸山会事件〉

2011-07-11 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア

「特捜部は恐ろしいところだ」なぜ検事は取り調べでその言葉を発したのか? 
NCNニコニコニュース 2011年7月11日(月)16時39分配信

 小沢一郎民主党元代表の資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐり、政治資金規正法違反罪で起訴された小沢氏の元私設秘書、石川知裕衆院議員は2011年7月10日、ニコニコ生放送の特別番組に出演し、東京地検による取り調べの際、担当検事が「特捜部は恐ろしいところだ」と発言したときの様子を語った。また、元検事の市川寛氏は、自らの体験を基に同発言が出た理由を推測した。
 陸山会事件とは、小沢氏の資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐり、政治資金収支報告書に虚偽記入や不記載があったとして、石川議員を含む小沢氏の元秘書3人が政治資金規正法の罪に問われている事件。今年の2月に行われた初公判では3人とも無罪を主張。裁判の行方が注目される中、東京地裁は6月30日、検察側が証拠請求した石川議員ら元秘書3人の供述調書の一部について「威圧的な取り調べや利益誘導があった」などと任意性を否定し、証拠として採用しないことを決めた。裁判所の判断の根拠となったのは、担当検事が発したとされる「特捜部は恐ろしいところだ」という言葉だ。
 石川議員は取り調べ中に東京地検特捜部の田代政弘検事から「特捜部は恐ろしいところだ。何でもできるところだぞ。捜査の拡大がどんどん進んでいく」と言われたと主張。これに対し、田代検事は否定したが、東京地裁は石川議員の主張を認め、「威迫ともいうべき心理的圧迫があった」として供述調書の証拠採用を却下した。決め手となったのは石川議員が保釈後の再聴取のときに録音していた取り調べのやり取りの様子。そこでは、田代検事が同発言を認める様子が記録されていた。
 田代検事がこのような発言をした理由について、個人的に田代検事を知っているという元検事で弁護士の市川寛氏は
「彼(田代検事)自身は追い込まれて、石川さんから所定の供述を取らなければいけないというプレッシャーがあったので、そういう言葉を使わなければいけなかったのではなかったのか」
と、検察官当時に自分が置かれていた立場に重ね合わせて語り、上層部が描いたストーリーに沿った供述を取らなければいけないという強いプレッシャーが検察内部にあることを指摘した。市川氏は冤罪事件として知られる佐賀市農協事件に主任検事として関わった際、事情聴取した元組合長に対して「ぶち殺すぞ!この野郎!」と暴言を吐いたことが原因となり検事を辞職している。
 市川氏の発言に対し、石川議員も
「罵倒して脅すように『恐ろしいところだ。何でもできる』と言ったわけではなかった。田代さんが私に言ったのは『(検察は)こういう恐ろしいところだから、どうなるかわからない。(特捜部を)止められるかわからない』というセリフ。恐らくそういう組織の中で、結果を出さなければいけない。一人一人が追い詰められていくのはそういうところなんじゃないか」
と述べた。
(三好尚紀) *強調(太字)は来栖
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「カバンの脇にICレコーダーを入れていた」 石川知裕議員、検察取調べの「録音方法」を説明
ニコニコニュース2011年7月9日(土)23時00分配信

 小沢一郎民主党元代表の資金管理団体「陸山会」の土地取引を巡り、政治資金規正法違反(虚偽記入)の疑いで起訴されている同会元事務担当の石川知裕衆議院議員は2011年7月8日、自由報道協会の主催する記者会見に出席し、東京地検の事情聴取をICレコーダーで録音したときの模様を語った。
 石川議員の調書は検察側によって裁判所に提出されたが、その一部は「任意性がない」として却下されている。その点について「録音データが影響したと考えてもいいのか」と記者に問われると、石川議員は「その通りです」と答えた。
 石川議員は、小沢氏の秘書をしていたとき政治資金収支報告書に虚偽の記載をしたとして、政治資金規正法違反の疑いで逮捕・起訴された。刑事裁判は2011年2月に始まり、7月には検察側の論告求刑が予定されているが、その直前の6月、東京地裁は石川議員の供述調書15通のうち10通を証拠として採用しないことを決めた。
 そのうちの一つは、石川議員が保釈された後の2010年5月に再聴取されたときの供述調書だ。そこには、政治資金収支報告書の虚偽記入について小沢氏に報告し了承を得ていたなど、勾留中の取調べで石川議員が話したとされる内容がそのまま維持された形で記録されていた。
 ところが、石川議員はこの再聴取の模様を秘かにICレコーダーで録音。起訴された後に、裁判所に証拠として提出したが、その録音記録には、取調べを行った検事が東京地検特捜部の力を暗に示し、勾留時の調書と矛盾する主張をすれば再逮捕の可能性もあると示唆する様子が残されていた。結局、東京地裁は「威迫ともいうべき心理的圧迫と利益誘導を織り交ぜながら巧妙に誘導」したものとして、検察側が提出した調書を却下した。
 石川議員は記者会見で、再聴取の模様を秘かに録音したことについて、元外交官の佐藤優氏の薦めで実行したと説明。録音したときの心境について、
「簡単なようで、心理的圧迫は大きい。取調べのとき、必ず検事に『録音していないよね?』と聞かれる。検事さんに『本当に録音していないよね?』と聞かれて、そのまま平気で録音できる神経というのはなかなか大変」
と語った。また、自分のカバンの脇のポケットを指さしながら、
「カバンの脇のところにICレコーダーを買って入れて行った。それに加えて、高度な集音マイクをつけて中に入れた。(録音は)認められている権利だが、もしガチャッと音がしてバレたら、と緊張した」
と説明した。
 また、記者から「供述調書の却下に録音データが影響したと考えてもいいのか」と質問されると、「その通りです」と回答。検察については、
「真面目な人が多く正義感に燃えている。しかし、検察としてなにか成果を挙げなきゃいけないという、組織の体制そのもの自体に問題がある」
と指摘し、検察組織の改革と取調べの可視化の必要性を主張した。
(中村真里江、亀松太郎)
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検察を支配する「悪魔」 田原総一朗+田中森一(元特捜検事・弁護士)


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