無名にして無能 柳田稔が法務大臣/この人が死刑執行命令を下す(のか)

2010-10-11 | 死刑/重刑/生命犯

弱味を抱えてしまった柳田法務大臣「法相は2つ覚えておけばいい」2010-11-17 
..................................................................................................

民主党の「七不思議」 無名にして無能 柳田稔が法務大臣って
2010年10月11日(月) 週刊現代 永田町ディープスロート

 その番組を見た人は愕然とし、そして大きな不安を覚えたことだろう。これで大臣が務まるのか、この人が死刑執行命令を下すのか、検察不祥事に対処できるのかと。
 9月27日、柳田稔法務大臣がNHK朝のニュース番組の「新閣僚に聞く」に登場した。呆れたのはそのやりとりである。
――死刑制度について?
「非常に重要な問題ですので、多くの方々の意見も聞いてしっかり対応したい」
――取り調べの可視化は?
「これも非常に重大な問題ですのでいろいろな方の意見を聞きながらしっかり対応して参りたい」
 万事この調子。質問すべてに同じ回答。踏み込んだ中身も独自の理念を披露することも一切なかった。
 そもそも組閣名簿発表の際、「柳田? WHO?」と与野党議員が驚き、「改造内閣七不思議」のひとつと言われたのが、柳田氏の起用だった。
 54年生まれの55歳。東大を自主退学し寿司屋で修業。その後再入学して卒業後は神戸製鋼所に入社した。90年に旧広島3区から労組の組織候補として民社党で衆院選に出馬して初当選。2期務めたあとは参議院へ鞍替えし、現在当選3期目という変わり種だ。
「目立った政治活動は思い浮かばない。典型的な旧民社系労組丸抱えの『陣笠』政治家。単なる採決要員だ」(民主党ベテラン議員)
 それでも、まれに記者たちに囲まれると上機嫌で、
「俺も政治家としての経験はもう長い。ある意味、民主党の幹部だなあ」
 などと口走るから、記者たちからは「カンブ柳田」と嘲笑されている。
 では、なぜ法相に?
「今回の改造は仙谷官房長官人事と言われているが、法相については菅首相が決めた。実は柳田を可愛がっていたのは輿石東参院会長。さしたる考えもなく何でもハイハイと従うから重宝がったようだ。つまり菅首相が輿石の気を引くために入閣させたということだな」(民主党ベテラン議員)
 何とも軽い法相の椅子。ただこの人選、尖閣問題まで抱えて難問山積の法務官僚は、「官主導」で仕事ができるとほくそ笑んでいるという。
 さすが「官内閣」である。
==================================================
柳田新法務大臣官邸記者会見の概要平成22年9月17日(金)
大臣あいさつ

この度,法務大臣,拉致問題担当大臣を拝命しました柳田稔です。どうぞよろしくお願いします。法務省は,法秩序の維持と国民の権利の擁護を主たる任務としています。これは,国民生活の基盤と非常に密接な関係もあり,重い役割だと思っています。初めて法務大臣,またそういう関係に就くわけですので,常に国民の目線に立って,謙虚にしかも柔軟な姿勢で法務行政の先頭に立って,様々な問題に取り組んでいきたいと思っています。法務大臣就任に当たりまして,菅総理から2点御指示を受けました。1点目は国民にとって身近で充実した司法を目指し,司法制度改革を推進するようにということでした。そして2点目が国民の人権が保障され,安心して暮らせる社会を作るようにということでした。この中でも特に再犯防止の観点から刑務所出所者等に対する就労支援の推進など,国民が安心して暮らせる社会の実現に向けて種々取り組んでまいりたいと思っています。また,政府全体としての施策にありますように,新しい公共の理念を取り入れて,地域社会や民間の方々とより一層連携して,安全・安心な社会の実現に邁進してまいりたいと思っています。また,前大臣の千葉大臣が,いろいろと議論を皆様の前に提起したかと思っていますけれども,このことも含めて党のマニフェストにいろいろと書かれています。このこともいろいろと新しい取組も含めながら頑張っていきたいと思っています。
 次に拉致問題担当大臣として菅総理から言われたことは,国の責任において拉致問題の解決に取り組み,すべての拉致被害者の一刻も早い帰国に向けて全力を尽くすようにということでした。私は民主党の前,最初当選したとき,民社党でした。当時,大先輩に中井先生もいらっしゃいました。いろいろと御指導を賜っておりますので,中井先生のお考えも十分聞かせてもらいながら精一杯努力をしてまいりたいと思っています。特に中井大臣になりまして,拉致問題対策本部,いろいろと組織改正をしたというふうに思っていますので,その体制の強化もしてまいりたいと思いますし,こう着した状態の拉致問題ですので,何とか突破口を開いて,いろんな情報収集をしながら,全力で取り組んでまいりたいと思っています。北朝鮮は最近いろいろな話が出ています。韓国の哨戒船撃沈の事件,それから金正日国防委員長の訪中,さらには44年振りの朝鮮労働党代表者会議を開催するといった動きもあります。こういった動きを考えながら,拉致被害者の家族の皆様の高齢化,このことも考えますと,安全に1日も早く帰国していただくように,最大限の努力をするということが私の最大の使命だろうと思っています。これからも頑張ってまいりますので,どうぞよろしくお願いします。
拉致問題に関する質疑
Q:拉致問題についてお伺いします。政権交代で拉致問題の進展に期待する向きもありましたが,今のところ目に見える動きがありません。今後,必ず突破口を開くとおっしゃいましたけれども,情報収集以上のどういったものに取り組みながら拉致問題の解決を図っていくのか,お考えをお聞かせください。
A:私は,先ほど申し上げましたように,当選したとき民社党でして,当時からこの拉致問題は党を挙げて真剣に取り組んでいました。当時,党の職にいたのが,現在,特定失踪者問題調査会代表をされています荒木さんで,その当時からいろんな意見交換もしていましたし,今でも年に1,2回会う機会もありますので,そういった方々とのお話とか,また,韓国の皆様とのお話を聞いて,いろいろな情報を得ながら,頑張っていきたいと。いろいろなことがあるかも分かりませんけれども,私の最大限の目標は,安全に,1日も早く帰国していただくことに全力を挙げることだと,そう思っています。
死刑制度に関する質疑
Q:かつて,法務大臣になられた方々は,死刑を執行されなかった方もいれば,粛々とされている方々もいらっしゃいますが,大臣は死刑制度についてどのような考えをお持ちでしょうか。それと,既に法務省内には制度の存廃を含めて議論するという省内勉強会があるわけですけれども,今後,どのような方向性で運営されていくおつもりかお伺いしたいのですが。
A:皆様もよくお分かりのことだと思いますけども,裁判所の判断を尊重しなければならないと。同時に,法の定めるところに従って,慎重かつ厳正に対処すべきだと,私はそう考えています。制度の廃止については,今,いろいろと議論が始まっていますし,その議論も見守りながら,国民の世論もどういうふうなことになるのか,そういうことも見守りながらやっていきたいと思っています。省内にも勉強会がありますので,その中で鋭意検討を進めていきたいと,そう考えています。
(以 上)
==================================================
〈来栖の独白〉
 柳田稔氏に対する卑見、私の第一印象は、「永田町ディープスロート」とは些か異なっていた。
 記者会見で従来の能書きどおりに答えておられるので「これでは死刑執行は早い、最速の場合、官僚からのレクチャーが完了する年内ということもあるかもしれない」と感じた。年内といえば12月下旬ということになるので、これは菅政権の動向次第だろう、菅政権に相当厳しい状況が出ていれば国民のご機嫌取りに年が押し迫っていても執行するか・・・、と。
>制度の廃止については,(略)そういうことも見守りながらやっていきたいと思っています。
 この応答には虚を衝かれた。“今,いろいろと議論が始まっていますし,その議論も見守りながら,国民の世論もどういうふうなことになるのか,そういうことも見守りながら”とおっしゃるので、“とりあえず、執行は一時停止して”ということかと思ったところ、“やっていきたいと思っています”である。“やっていきたい”には、停止も執行も含めて、法務大臣としての業務を粛々とやっていくということだろうが、あまりに素直な御人柄という印象なので、法務官僚のいうとおりに(机上に企案書がのれば精査し、命令書に判を押すという具合に)こなしていかれるのだろう。


1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
非公開コメントの☆さんへ (ゆうこ)
2010-10-13 10:39:17
☆さん。
 コメント、ありがとう。非公開で、とのことですので、部分的に。
>今までなら法務大臣に執行停止を求める意見書などを送ったりしていたのですが、この法相には何かそういうものを送る気力さえ奪うものがあると思います。
>柳田法相は、「平和を希求することを大前提とし、国民の生命・財産を守ります。」などともサイトには書いていても、政治的理念などはない、空虚な言葉に思えて、むなしくなります。
 しばしば安田さんの言葉を持ち出して恐縮ですが、氏が「最近の裁判官は、悩まなくなった」と言っていますね。名古屋アベック殺人事件の頃までは悩んだが、と。(以下のコメントでも、私はここと同じことを言っています。
http://blog.goo.ne.jp/kanayame_47/e/b370c87dca4f1978a98aea4cc0a51492 )
 それに比べ、(裁判官じゃないが)千葉前法相は、思いっきり悩んだですね。「千葉さん。もう、楽にしてあげたい。退陣でいい。」(http://blog.goo.ne.jp/kanayame_47/e/059533e3d2d8505cc83241040d451a3b)と、エントリしたくらいです。思いっきり悩んだ末の苦渋の決断だったと思います。千葉さんを非難する人が多くいるようですが、官僚の絞めつけは、気楽な民間人の想像を遙かに超えています。判は、小鳩内閣のほかの閣僚と同様に「政治」が官僚に負けたということでしょう。ましてや千葉さんの場合、あの時期には国民の負託が得られていなかったわけですから。私は、千葉さんが悩んだ、苦しみ抜いた、悲しんだ、それで十分だと思いたいのです。死刑制度のある国で、(政治主導を目指して)政権交代したばかりでした。
 ☆さんの
>この法相には何かそういうものを送る気力さえ奪うものがある
 は、そのまんま正しい直感だと思います。
 おしなべて、政治家も検察も国民も悩まなくなった。メディアに煽動され、せっかちな「感情」がこの国を覆うようになったと思います。強い危機感を覚えます。「政治主導」も菅内閣になって、すっかり退潮です。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。