中国、朱教授解放 軍情報漏えい疑う
東京新聞 2014年1月25日 朝刊
【北京=白石徹】中国当局から半年ぶりに解放されたことが二十四日確認された東洋学園大学(東京都文京区)の朱建栄教授(56)をめぐっては、日本外務省中国課長を務めた後で在中国日本大使館に勤務し昨年九月に突然帰国した政務公使(当時)らと接触していたことなどが「スパイ行為」として疑われ中国当局による聴取が続いていたと、複数の外交筋が明らかにした。
この政務公使は二〇〇八年八月から中国課長を務めていた三年間、朱教授と頻繁に会っていたという。中国当局は朱教授側から中国人民解放軍の内部情報などが日本側に渡っていたとの疑いを抱き、昨年七月十七日に上海を訪れた朱教授を拘束。日本外務省との関係を中心に事情を聴いていたが、中国内の法律に触れるような行為はなかったと判断したとみられる。
外交筋によると、政務公使は朱教授が拘束された後に公休で長期帰国。いったん北京の日本大使館に帰任したが、昨年九月中旬に「重要な職務がある」との理由で発令のないまま日本に戻り、外務省は昨年十一月十八日付で帰国命令を出していた。
政務公使には、対中政策を決める情報収集をはじめ中国の政治動向の分析など重要な職務があるが、日中関係が緊迫する場面が続く中、約二カ月にわたって不在となり、その後も後任者が発令されないという異常事態が起きていた。
日本外務省は本紙の問い合わせに「責任ある者は会議中」とし返答を避けた。中国外務省の秦剛報道局長は二十四日の定例会見で「関係する状況について了解していない」と述べた。
東洋学園大によると、朱教授は今月十七日に解放された。二十一日に面会した大学職員は「教授は以前と変わりなく元気な様子だった」と話している。
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中国、朱建栄氏を釈放 昨年7月に身柄拘束
日本経済新聞 2014/1/24 13:18
東洋学園大は24日、中国当局に昨年7月から身柄を拘束されていた中国人学者、朱建栄・東洋学園大教授(56)が1月17日に釈放されたと発表した。健康状態に問題はなく、現在は上海の実家に滞在中。2月以降に日本に戻る予定という。
大学によると、朱教授は資料収集活動の違法性の有無などについて中国当局から事情聴取を受けていた。朱教授は大学に対し「不適切な研究・資料収集活動は一切していない」と話しているという。
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