中国政府、日本の抗議を拒否=人民日報の沖縄主権論文
時事通信2013/05/09-18:30
【北京時事】中国外務省の華春瑩副報道局長は9日の定例記者会見で、沖縄に対する中国の領有権を示唆した共産党機関紙・人民日報(8日付)論文に対する日本政府の抗議を「受け入れられない」と言明した。華副局長は沖縄の主権をめぐる政府の立場を明らかにしなかったが、抗議を拒否したことで事実上、日本の主権を否定したとも受け止められ、日本側が反発を強めることは必至だ。
華副局長は人民日報論文に関してまず「沖縄と琉球の歴史は学術界が長く関心を持ってきた問題だ」と述べ、8日の定例会見での発言を繰り返した。この後、「この問題が比較的際立っている背景」として沖縄県・尖閣諸島(中国名・釣魚島)問題を挙げ、「日本側が絶えず挑発行動を取り、中国の領土主権を侵犯した」と強調。さらに「学者の署名文章は、中国の民衆・学界の釣魚島や、それに関係する歴史問題に対する関心と研究が反映されている」と述べた。
尖閣問題と沖縄の主権を絡めた華副局長の発言は、中国政府が尖閣諸島に対する安倍晋三政権の対応に不満を強めたため、沖縄の主権を取り上げ、日本側をけん制していることを示唆したものだ。日本政府の抗議を受け、さらに態度を硬化させた可能性が高い。
菅義偉官房長官は9日午前の記者会見で「記事(の内容)が中国政府の立場であるならば、断固として受け入れられない」と、外交ルートを通じて厳重に抗議したと明らかにした。
=============================
◆ 人民日報 琉球の領有権を主張「敗戦によって、日本の領有権はなくなった」 2013-05-09 | 政治〈領土/防衛/安全保障/憲法〉
「琉球問題を議論」中国に抗議
NHK NEWS WEB 2013年5月9日 13時31分
菅官房長官は午前の記者会見で、中国共産党の機関紙・人民日報が「歴史的な懸案で未解決のままの琉球問題を再び議論できるときが来た」と主張する論文を掲載したことについて、記事が中国政府の立場を表明するものであれば断固として受け入れられないとして、中国側に抗議したことを明らかにしました。
中国共産党の機関紙・人民日報は8日付けの紙面に、尖閣諸島などに関する主張をまとめた政府系シンクタンクの研究者の論文を掲載しました。
論文は尖閣諸島について、台湾に付属するとして中国の領有権を主張したうえで、沖縄についても、日清戦争のあと「日本に奪われた」と主張し、「歴史的な懸案で未解決のままの琉球問題を再び議論できるときが来た」と結論づけています。
これについて菅官房長官は午前の記者会見で、「人民日報に論説が掲載され、それに対して、中国の報道官が『琉球および沖縄の歴史は、学術界が長期にわたり注目している問題である』という趣旨の発言をしている」と指摘しました。そのうえで菅官房長官は「日本として、この記事が中国政府の立場であるならば、断固として受け入れられず、厳重に抗議すると表明した。中国側からは、『この記事は、研究者の個人の資格で執筆したものだ』という回答があったと報告を受けている」と述べ、外務省を通じて中国側に抗議したことを明らかにしました。
----------------------------
中国共産党紙 尖閣諸島問題で日本をけん制
NHK NEWS WEB 2013年5月9日 4時53分
中国共産党の機関紙、人民日報は、「歴史的な懸案で未解決のままの琉球問題を再び議論できるときが来た」と主張する論文を掲載し、中国が、沖縄県の尖閣諸島の領有権の主張を強めるなか、沖縄に対する日本の主権を否定する姿勢を示すことで、日本をけん制するねらいがあるとみられています。
中国共産党の機関紙、人民日報は、8日付けの紙面に、尖閣諸島などに関する主張をまとめた政府系シンクタンクの研究者の論文を掲載しました。
論文は尖閣諸島について、台湾に付属するとして中国の領有権を主張したうえで、沖縄についても、日清戦争のあと下関条約に調印した際、当時の清政府に能力がなかったため、台湾や尖閣諸島などとともに「日本に奪われた」と主張しています。
そのうえで第2次世界大戦の日本の敗戦を受けた「ポツダム宣言」などの規定に基づいて、「歴史的な懸案で未解決のままの琉球問題を再び議論できるときが来た」と結論づけています。
中国は、日本政府による尖閣諸島の国有化以降、領有権の主張を強めており、今回の論文は、沖縄に対する日本の主権を否定する姿勢を示すことで日本をけん制するねらいがあるとみられています。
この論文について、中国外務省の華春瑩報道官は8日の記者会見で、「琉球と沖縄の歴史は学会が長期にわたって関心を寄せている問題だ」と述べましたが、中国政府としての見解は示しませんでした。
菅官房長官は、8日の記者会見で、「沖縄は、歴史的にも国際的にも、わが国の領土であることは紛れもないことだ。そういうことが中国で論評されているなら、まったく筋違いだ」と述べました。
--------------------------------
人民日報、琉球の領有権を主張 「独立国家を日本が併合」と批判
zakzak2013.05.09
中国がついに本性をむき出しにしてきた。中国共産党機関紙「人民日報」が8日付紙面で、第2次世界大戦での日本の敗戦によって「琉球の領有権」は日本になくなったとしたうえで、沖縄の「領有権」問題を議論するべきだと訴える論文を掲載したのだ。
許しがたい論文は、政府系シンクタンクである中国社会科学院の著名な研究者、張海鵬氏と、同院中国辺境史地研究センターの李国強氏の連名で発表。沖縄については、「明・清両朝の時期には中国の藩属国だった」とし、その後、「独立国家だった琉球を日本が武力で併合した」などと批判した。
民主党政権が昨年9月に尖閣諸島の3島(魚釣島、北小島、南小島)を国有化して以降、中国は自国領有を主張する一方、周辺の日本領海や領空に公船や航空機を侵入させて挑発してきた。
ところが、日本の尖閣領有を裏付ける歴史的事実や文献が明確だったためか、人民解放軍の複数の将官はテレビ番組などで「もともと、琉球(=沖縄)は中国のもの」と主張。中国ではすでに「琉球共和国憲法」「琉球国旗」まで作られ、一連の反日暴力デモでも「琉球返還」というスローガンが掲げられた。
今回、中国共産党と政府の見解を反映する主要メディアが「沖縄の領有権は日本にない」という主張を取り上げるのは異例。かつて、チベットや新疆ウイグルを侵略したように、沖縄を五星紅旗で蹂躙する気なのか。
=============================
琉球人は中華民族だ…尖閣の次は「沖縄を返せ」 狙いは日米同盟揺さぶり?
配信元:産経新聞
2013/05/05 14:49更新【鼓動】
米国から日本への1972年5月の沖縄返還を「国際法違反だ」として、「歴史的経緯からみて琉球(沖縄)の主権は、日本ではなく中国にある」などと“沖縄領有論”まで唱える動きが、中国でじわりと広がっている。中国政府の表だった主張ではないが、人民解放軍幹部や学識経験者らが論を繰り広げ、国営メディアも報道。チベット自治区をまねて、「琉球特別自治区」の設立準備を求める民間組織まで現れた。(深圳 河崎真澄)
■暗黙の了解の下で
広東省深圳の雑居ビルにに事務所を構える「中華民族琉球特別自治区籌(準備)委員会」。貿易会社を経営する浙江省杭州出身の趙東氏(45)が、この組織の会長だ。
「琉球(の主権)問題ではカイロ宣言、ポツダム宣言を尊重しなければならない」と趙氏は強調した。
43年の「カイロ宣言」を基礎にした45年7月の「ポツダム宣言」では、「日本の主権は本州、北海道、九州と四国、および連合国決定の諸小島に限られる」などとされ、これを受諾した日本は翌月の15日、終戦を迎えた。一方で、51年9月のサンフランシスコ講和条約(対日講和条約)で米国の施政下に置かれた沖縄が72年5月、日本に返還されて本土復帰を果たした。
しかし、趙氏はポツダム宣言などを根拠に、沖縄の本土復帰について「日米は国際法に反する行為で琉球を売り渡した」と非難。さらに、「そもそも琉球人は中華民族の血を受け継いでおり、ひとつの民族として国を分けてはならない」などと論理を飛躍させた。
沖縄をチベット自治区や新疆ウイグル自治区と同列にみる特殊な政治思想団体、と切り捨てることもできるが、趙氏らはいわば中国当局の暗黙の了解の下で、「中華民族の一部として琉球特別自治区を設置せよ」との主張をテレビや雑誌、インターネットなどを通じて執拗に発信し、一定の支持も得始めている。
昨年11月にスタートした習近平指導部が「中華民族の復興」を訴える中、趙氏らのサイトには「日本人は琉球を盗み取った」などとして、主張に賛同する中国人の根拠なきコメントが続々と寄せられている。
趙氏は委員会に加え「中華民族琉球特別自治区有限公司」という会社まで設立し、中国と沖縄の間の貿易も手がけている。「中国の歴史の影響を受けた琉球物産を輸入し、中国人に琉球が中国のものだと知らしめるため」なのだという。
■学識経験者も主張
問題はこうした怪しげな民間勢力の感情論だけに止まらないところにある。
上海の復旦大学で日本研究センター副主任を務めている知日派の胡令遠教授(56)は、「釣魚島(沖縄県石垣市の尖閣諸島)問題を受けてここ数年、改めて中国で琉球主権に関する議論が高まってきた」と話した。
胡氏は昨年8月に発表した共同論文で、やはりカイロ宣言とポツダム宣言を根拠にして、「日本は琉球の主権を有しておらず、中国の政府と学会、メディアは密接に協力し、琉球の主権と帰属問題の研究と宣伝を繰り広げよ」と書いた。
明治初期のいわゆる琉球処分で、日本と清に形式的に両属していた琉球王国が沖縄県となり、清への朝貢を禁じられた。一方、中国の学識経験者の多くは「琉球は清の領土ないし属国だった」との認識を起点にして、歴史研究から主張を繰り広げようとしている。
さらに、中国の国防大学教授で人民解放軍海軍少将でもある張召忠氏(61)は、昨年10月、中国中央テレビの番組で「釣魚島は言うに及ばず琉球も中国に属している。琉球の独立支持、または中国の省として執政下に直接置く戦いをいま、各方面から起こすべきだ」との強硬論を展開した。
尖閣問題の先鋭化で再燃した議論ともいえるが、復旦大の胡氏は、「かつて中国は日米と連携して旧ソ連と政治的に対峙する必要から琉球問題を先送りした経緯がある。冷戦が終わり経済力で日中が逆転、地位が変わったことで琉球問題が出てきた」と説明した。
尖閣諸島でも中国が主権を主張し始めたのは、周辺海域に地下資源が眠っていることが分かった70年代以降であり、歴史的に一貫した主張ではない。その時々の地政学的な勢力図や利害関係をみて、主張を出したり引っ込めたりするのが、中国の常套手段のようだ。
中国中央テレビなど国営メディアは、学識経験者の声として“沖縄領有論”を相次ぎ報じている。「釣魚島の次は琉球だ」との沖縄併呑工作が、民間勢や学術界を総動員して水面下で始まったとみてよさそうだ。
■“隙”につけ込む
一方、対日強硬派の中には批判的な見方もある。
「琉球まで中国のものだと主張する人たちには、別の目的がある」と鋭い眼光で記者を見ながら指摘したのは、香港の民間団体「保釣(釣魚島防衛)行動委員会」の陳妙徳主席(67)だ。
浙江省寧波出身の陳氏は、昨年8月15日、海上保安庁の巡視船による警告を無視し、日本領海に侵入した抗議船で活動家らを尖閣に上陸させた団体を率いる。「釣魚島は中華民族のものだが琉球は明らかに違う。琉球がどこに属するか住民自らが決めること」と“沖縄領有論”を突き放した。
陳氏は「別の目的」が何かを明確にしなかったが、ある中国側関係者は、「東シナ海や南シナ海での海洋権益獲得など海洋強国をめざす中国にとり、沖縄に集中する米軍施設ほど目障りなものはない」と話した。
オバマ政権が米国の戦略的な軸足をアジア地域に移したことを、中国は「封じ込め」圧力と受け止めて反発。尖閣諸島での摩擦を契機に、民間や学術界を動員し沖縄の主権主張まで日中摩擦の範囲を広げることで、基地移転問題も含め日米に揺さぶりをかけようとの狙いが見え隠れする。
サンフランシスコ講和条約発効から61年目の4月28日、日本政府は「主権回復の日」式典を都内で初開催したが、条約発効後も米施政下に置かれた沖縄では式典への反発が収まらず、政府と沖縄の間には溝があることを浮き彫りにした。
ただ、そうした溝にこそ中国が“沖縄領有論”を主張する隙が潜んでいる。
* 沖縄領有論
国際法上、沖縄(琉球)の主権は日本になく、中国に属するとの主張。中国の歴史研究家らが1972年の沖縄返還は無効だったなどと指摘し、ここ数年、相次ぎ論文を発表している。「琉球王国」が明、清両朝に朝貢して冊封関係にあった歴史をとらえ、反日デモで「琉球を返せ」などと叫ばれることもある。中国による領有論以外に、沖縄の地位は未定だとする見解もある。
==============
◆ 『最終目標は天皇の処刑』 中国「日本解放工作」の恐るべき全貌 ペマ・ギャルポ著 飛鳥新社 2013-02-05 | 読書
(部分抜粋)
p186~
皆さんは「2050極東マップ」というものをご存知でしょうか。
中国外務省から流出したものとして、少し前にネット上で話題になったものですが、この地図を見ると朝鮮半島は「朝鮮省」となり、日本列島は分断され「東海省」と「日本自治区」になっています。 出生率低下で日本の人口はどんどん減少するので、日本列島の西半分に中国人を移住させて「東海省」とし、少数民族となった日本人を東半分に強制移住させて「日本自治区」にするのだそうです。この地図自体偽物との声もありますが、あながち荒唐無稽とも言い切れません。というのも、「SAPIO」2009年12月23日・2010年1月4日合併号において、浜田和幸参院議員は次のように語っています。
P187~
「私が初めてこの地図を目にしたのは、騒ぎになるよりも前、今から2年ほど前である。中国に駐在していた経産省の知り合いの官僚が帰国したので、久しぶりに会って話をしたのだが、『中国外務省の役人からこんなものを渡された』と地図を見せられた。地図に込められた禍々しい野心に、強い衝撃と怒りを感じたことを今でもよく覚えている」
海洋国家を目指す中国の戦略はまずは台湾を、次に沖縄を版図に組み込む。そして、最後は日本列島ということになります。第2期工作要綱に書かれているように、もし日本人民民主共和国が誕生したら、このような事態になっても不思議ではありません。少なくとも中国政府の中に、いずれはこの地図を実現させたいという意識があるのは確かです。
p188~
「琉球に対する権利がある」と中国の歴史学者が主張する根拠は、沖縄が琉球王国だった時代、14世紀から1879年の「琉球処分」によって正式に日本の一部となるまで、中国王朝(明、清)に臣下国として朝貢する“柵封(さくほう)関係”にあったことです。戦前にも、毛沢東が沖縄を「帝国主義者が強奪した中国の多くの属国と一部の領土」に含まれると主張していました。
p189~
ただ、、1911年に辛亥革命が起きるまで、沖縄の一部新聞で日本と清の元号を併記していたように、中国と近しい関係にあったことは事実でもあります。あまり知られていませんが、沖縄社会のエスタブリッシュメントには、中国大陸にルーツを持つ人々が少なからずおり、中国会館というものも存在します。例えば、仲井眞弘多(ひろかず)知事もそうしたメンバーの1人です。もちろん、彼らは自分が日本人であるという意識はちゃんとありますが、やはり心のどこかで中国にシンパシーを感じています。沖縄に中国の総領事館を置く話が検討されたり、大赤字である上海~那覇の航空便を、県が補填して維持しているなどはのそ表れかもしれません。
このような沖縄の県民感情を中国は揺さぶりにかかっています。
=============================
◆ 「主権回復の日」~賛成派の沖縄の声に耳を貸さず、声の大きな反対派ばかりを大々的に取り上げる報道 2013-04-28 | 政治〈領土/防衛/安全保障/憲法〉
----------------------
◆ 【沖縄の風】地元では報道されないオスプレイ反対派の実力行使/沖縄が持つ語られざる顔 2013-04-18 | 政治〈領土/防衛/安全保障/憲法〉
===========================
◆ 【沖縄が危ない】市民運動の域を越えた反基地運動とオスプレイ (6) 左翼集団が取りつけた違法設置物 2013-03-03 | 政治〈領土/防衛/安全保障/憲法〉
書評
産経新聞2013.4.7 08:34
『沖縄が中国になる日』惠隆之介著
反米反日ムードが広がる沖縄を取り込もうと、中国が工作活動を進めてきた現実の一端を暴く。前知事、現知事とも中国帰化人の子孫であることを掲げて当選しており、かの習近平氏が何度も沖縄を訪問している事実は見逃せない。金正恩第1書記の就任パーティーが堂々と開かれるなど、沖縄と北朝鮮とのつながりが深いことにも驚かされる。沖縄のマスコミによる親中報道も相当に根が深い。
元海自士官の著者が描く中国による沖縄離島侵攻作戦のシミュレーションは相当に現実味がある。実行を未然に防ぐため、県民・国民が危機感を共有する必要がありそうだ。(育鵬社・1365円)
----------------------------------
◆ 【沖縄が危ない】抹消された「米軍の功績」… 劇的に改善した衛生事情 (5) 2013-03-03 | 政治〈領土/防衛/安全保障/憲法〉
--------------------------------------------
◆ 【沖縄が危ない】語られなかった米軍との諜報戦 (4) 2013-03-01 | 政治〈領土/防衛/安全保障/憲法〉
--------------------------------------------
◆ 【沖縄が危ない】旧軍人の名誉回復が必要(3) 左翼や地元マスコミは、沖縄戦の史実を改竄して・・・ 2013-02-28 | 政治〈領土/防衛/安全保障/憲法〉
--------------------------------
◆ 【沖縄が危ない】習近平氏が進めてきた沖縄と日米の分断工作 (2) 2013-02-27 | 政治〈領土/防衛/安全保障/憲法〉
-------------------------------------------------------------
◆ 【沖縄が危ない】中国万歳!? 沖縄で勢い増す「反日」「反米」世論 (1) 2013-02-26 | 政治〈領土/防衛/安全保障/憲法〉
=============================
◆ 中山義隆著『中国が耳をふさぐ尖閣諸島の不都合な真実 石垣市長が綴る日本外交の在るべき姿』 2013-02-19 | 読書
【著者に聞きたい】中山義隆さん『中国が耳をふさぐ尖閣諸島の不都合な真実 石垣市長が綴る日本外交の在るべき姿』
産経新聞2013.2.10 08:53
■島に住むことは国を守ること
戦前に日本人が住んでいた歴史があるとはいえ、無人島である尖閣諸島を必死に守る必要があるのか、中国に譲るべきは譲っていいのではないか-と考える人も多いのかもしれない。そんな風潮に現地の市長として「領土問題の本質が理解されていないのではないか」と苦言を呈する。仮に中国が尖閣を占領すれば、次は沖縄に触手を伸ばして「ここは歴史的に中国領だ」と主張し始める恐れが大きいと警鐘を鳴らす。尖閣諸島をめぐる“棚上げ論”についても「中国が勝手に棚上げを主張しているだけのこと」と、両国間に領土問題はそもそも存在しないことを指摘する。
尖閣諸島の歴史的事実と現状を多くの国民に知ってほしいと筆を執った。「中国は日本の国力が弱っているところをみて付け入ってきた感がある。今のままでは尖閣は守れない」と危機感を表明し、日米同盟を強化する必要性を強調する。そこでは集団的自衛権の問題も出てくるが、「それを認めるかたちで明確に謳(うた)っていかなければ現状には対処できません」と明記。憲法も改正し、自衛隊の位置づけを明確化すべきだと訴える。
尖閣諸島の魚釣島には、先の大戦末期に遭難した人たちの慰霊碑がある。しかし遺族たちが島に上陸して慰霊祭を行いたいと申請しても、国は回答すらしない。ロシアが不法占拠している北方領土でも墓参できるのに、この扱いはひどいと憤慨する。自民党政権になったことで、上陸が認められる可能性は出てきたと感じており、「国益に反することのないよう慎重に時期を判断して、上陸の申請をしていきたい」と話す。
もしも尖閣が有人島であり続けていたなら、中国も簡単には手を出せなかったはず。日本最西端の与那国島や、韓国に近い対馬での人口減が気にかかる。「日本人が住んでいることで島々が守られ、周辺の海域やシーレーンも守られている。そうした離島の重要性も知ってほしい」。折しも今年3月には新石垣空港が開港し、本土からの直行便も増えて石垣島が身近になる。「多くの方に訪れて、国境の島の空気を感じてほしい」と願っている。(ワニブックスPLUS新書・840円) 溝上健良
【プロフィル】中山義隆
なかやま・よしたか 昭和42年、沖縄県石垣市生まれ。近畿大卒。野村証券勤務を経て石垣島で家業を継ぎ、平成18年に石垣市議。22年から石垣市長を務める。
--------------------------------
◆ 「尖閣を世界遺産に」 石垣市が国に調査要請へ 2013-02-06 | 政治〈領土/防衛/安全保障/憲法〉
=========================
◆ 「尖閣問題は、国際法と国連に期待せず、棚上げせず、強い姿勢で臨むことが中国に有効」ペマ・ギャルポ氏 2013-01-23 | 政治〈領土/防衛/安全保障/憲法〉
Professor PEMA News and Views ペマ・ギャルポ この国、日本に生き、一握の土となることを願う者のひとりとして
尖閣問題とチベット問題の共通点
2013年1月23日 (水)
近年中国は度重ねて尖閣諸島問題で日本に対して挑発的行為を続けている。
これに対してごく一部の良識ある人々以外のマスコミなどは冷静に対応しろ、とか、国際法と国連に頼るような発言も目立っている。中には叡智を結集して両国間で当分この問題を棚上げにすべきだと、いう極論を言う人もいる。
この人たちの言い分だと、大人であった小平と田中角栄は、この領土問題を棚上げすることで日中の友好関係を築いてきた、とのことである。
私がチベットの体験からはっきり申し上げたいのは、棚上げなどとは中国にとって、時間稼ぎ以外の何ものでもなく、中国が一九五〇年軍事力でチベットを侵略し五一年に十七条協定なるものを押し付けたことに対し、東チベットを中心にして猛烈な反発が出始めた頃、一九五四年毛沢東はダライ・ラマ法王に、
「我が祖国の他の領土と違ってチベットには特有性があるので、革命的改革を当分押し付けない」
という約束をして法王を安心させた裏で、着々とチベットへの道路をつくり、多量の工作員を「チベットに奉仕する」という名目で送り込み、彼らがチベットを軍事的支配しやすいような環境を整え、最後にダライ・ラマ法王を捕まえようとした。
その時チベット国民は決起し、ダライ・ラマ法王はインドに亡命した。一九五九年のことであった。
もしチベットが一九五〇年代初期に一致団結して戦っていれば、中国の侵略を阻止できたかもしれない。当時の中国はチベットに簡単に入れるような道路もなかったし、兵士を養っていくだけの食料も不足していた。国民党との内戦で兵力も弱まっていた。
その上毛沢東と人民解放軍の軍部、そして劉少奇との対立が始まっており、内部の団結力をはかる必要があったので、時間稼ぎにチベットへの改革を押し付けない、という姿勢を取っただけで、それは小平の棚上げ論と同質のものだった。
やむを得ずインドに亡命したダライ・ラマ法王のチベット政府は国連に訴え、国際法と正義に期待した。アイルランドとマラヤ(現在のマレーシア、シンガポール)が提唱者となって国連で三度にわたって中国を批判し、非人道的行為をやめ、即時チベットから軍を撤退することを促す決議が採択された。
また、ICJ 国際司法委員会(国際法律家委員会ともいう)はチベットにおいて中国軍による計画的組織的大虐殺があったこと、そして中国がチベットに侵略したとき、チベットが事実上の独立国家であったことを認める結論を出した。
しかし中国は国連の決議を無視し、国際法に基づく正義も無視した。こうしたことからわかるように、中国にとって歴史的正当性、国際法の正当性、そして国連の存在は、自国の利益に合致しない限り、無視するのが当たり前のことである。
一九四九年中華人民共和国誕生のとき、中国が有効に支配していたのは現在の中華人民共和国の三七%に過ぎない。それ以外の領土はすべて軍事力を背景に獲得し、ある時期においては友好関係にあったロシア、インド、ベトナムなどとも一戦交えているように、中国の本質は領土拡張主義以外の何ものでもない。
日本はこうした事実から学び国際法と国連に甘い期待を抱くのをやめ、棚上げの畏にも採らず、自国の領土を守る強い姿勢を持って臨むことのみが中国に有効な対策である。
※ 『われわれ日本人が尖閣を守る』(高木書房)所収。
=============================
◆ 竹島問題と領土紛争の解決方法 濱口和久「本気の安保論」 不法占拠しているといえども、何事もなく半世紀から1世紀の間、実効支配すれば自国領土になる 2012-09-23 | 政治〈領土/防衛/安全保障/憲法〉
竹島問題と領土紛争の解決方法 濱口和久「本気の安保論」
NET IB NEWS 2012年9月12日~13日 日本政策研究センター研究員 濱口和久
-------------------------------