田中森一元検事、上告せず懲役3年の判決確定
asahi.com2010年2月9日5時39分
大阪、東京両地検の元特捜部検事で元弁護士の田中森一(もりかず)被告(66)が相談者から9千万円をだまし取ったとして詐欺罪に問われた裁判で、大阪高裁が田中被告に懲役3年(求刑懲役6年)を言い渡した1月22日の判決が確定した。上告期限の5日までに検察側、被告・弁護側とも上告しなかった。被告は2008年2月、東京の商社に対する別の詐欺事件で懲役3年の実刑が確定して服役中で、今回の懲役刑が新たに科される。
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田中森一元弁護士、控訴審も懲役3年判決
asahi.com2010年1月23日
刑事事件の相談者から9千万円をだまし取ったとして、詐欺の罪に問われた大阪、東京両地検の元特捜部検事で元弁護士の田中森一(もりかず)被告(66)の控訴審判決が22日、大阪高裁であった。湯川哲嗣裁判長は、懲役3年(求刑懲役6年)の一審判決を支持し、無罪を主張した被告側の控訴を棄却した。「すご腕の弁護士という信用に乗じた巧妙・悪質な犯行」と述べた。
高裁判決は昨年7月の一審判決同様、田中被告が弁護士だった2002年10月、元貸金業の男性(47)から、男性の部下をめぐる出資法違反事件の相談を受けた際、「事件が落ち着くまで預かる」とうそをつき、男性が持つ9千万円を詐取した事実を認定した。また当時、被告がオーナーを務めていた航空測量会社の資金繰りが悪化し、現金を直ちに同社の債務返済などにあてたと指摘。「弁護士報酬の担保として預かった」との被告側主張を退けた。
一審判決後、被告側から示談金の残額の半分を受け取った相談者が刑の軽減を求める嘆願書に署名し、被告側は量刑の見直しを求めていたが、高裁は刑を軽くするほどの事情ではないとした。
田中被告は07年に自伝「反転 闇社会の守護神と呼ばれて」(幻冬舎)を出版し、ベストセラーになった。08年2月、別の巨額詐欺事件で懲役3年の実刑が確定し、弁護士資格を失った。収監後の同4月、今回の事件で大阪地検特捜部に逮捕された。