震災を政治利用しようとする政治家(共産党小池晃氏・香西克介氏ら)に「満身の怒りを持って抗議する」

2016-04-22 | 政治

2016.4.22 01:00更新
【政治デスクノート】震災を政治利用しようとする政治家に「満身の怒りを持って抗議する」
 熊本地震を受け、輸送支援を行う米軍の垂直離着陸輸送機オスプレイ=4月18日、熊本県南阿蘇村(福島範和撮影)
 今回の地震で実家が被災した。実家といっても、老親が週末などを過ごす山小屋のことで、地震発生時はたまたま、そこにいなかったので、命を落とすこともなく、怪我をすることもなく済んだ。
 ただ、裏の斜面が崩壊するなどして、「もう住めない」らしい。「らしい」というのは、まだ現場を確認できていないからだ。知り合いに様子を見てきてもらっただけで、年寄りが近づくのは危険だから、「絶対に見に行くな」と厳命している。
 多くの人が家屋の下敷きになったり、土砂に巻き込まれたりして犠牲になったことを思えば、命があっただけでもありがたいと思わなければならない。しかし、中学卒業後、50年も働いてようやく手に入れた「家」を、一瞬で失った父の落胆を思うと、肉親としては忍びない。
 つい、私事をつらつらと書き連ねてしまったが、今回の地震でも、改めて日本人の美徳を思い知らされた。災害現場で必死の救助活動にあたる自衛隊員や警察官、消防隊員。全国から駆け付けた医療関係者。少しでも被災者を助けようと救援物資を送る全国の人々。そしてネット上には、無数の励ましや祈りの言葉があふれている。個人的にもひとごとでなくなった今回の大災害はいまだ先が見えないが、「ああ日本人でよかった」という実感だけは確かにある。
 私的なことはいい加減、ここまでにして、本来の仕事の話を書く。震災後の永田町の風景は、「日本人でよかった」という私のささやかな思いを、きれいに打ち消してくれた。
 まずは、象徴的なシーンを紹介する。最初の震度7の地震が発生してから4日後、4月18日に行われた共産党の小池晃書記局長の記者会見で、こんなやりとりがあった。
 記者「今回の震災対応に、政府は米軍オスプレイの活用をするが?」
 小池氏「ヘリコプターをもっと使うべきではないか。いっぱい持っているんだから。なんで米軍のオスプレイを使うのか。まずはヘリや使えるもので、やればいいのではないか(後略)」
 そして、翌19日付朝刊の朝日新聞に掲載されたのが、次のような記事。
 「米軍の新型輸送機オスプレイが18日、熊本地震の被災地への物資輸送を始めた。オスプレイが日本の災害対応に使われるのは初めてだ。今回の救援活動に必要なのか。安全面に問題はないのか。疑問の声が出ているが、日本政府と米軍は、オスプレイの災害派遣での実績づくりを急いだ」
 言うまでもなく、記者会見で小池氏に質問したのは朝日新聞の記者だ。記者会見での回答に飽き足らなかったのか、小池氏にさらに個別取材したようで、「オスプレイに対する国民の恐怖心をなくすために慣れてもらおうということで、こういう機会を利用しているとすれば、けしからんことだ」というコメントも記事には掲載されている。
 もう、くどくどと解説するまでもあるまい。この記事や小池氏の発言から見えてくるのは、「オスプレイ=危険」「オスプレイ=悪」のイメージを拡散させたいという政治的な意志だけで、被災者を助けたいという人道的な意志はみじんも感じられない。少なくとも、私には。
 共産党といえば、もっと醜い事案があった。次期衆院選に東京3区から出馬予定の香西克介氏が16日に行った募金集めの件だ。
 香西氏は17日、自身のツイッター(すでに削除)で、「昨日の演説会は、(1)熊本の被災者救援(2)北海道5区補選勝利(3)党躍進-の3つの目的で募金の協力をよびかけ、賛同頂いた200人以上から37万円が寄せられました」と報告。しかし、(1)から(3)を「熊本地震 救援活動支援募金」と大書きした同一の封筒で行っていたことが分かり、「募金詐欺だ」として、瞬く間にネット上で炎上した。
 これには小池氏も先の記者会見で、「普通に考えればやってはいけないことだ。こういうやり方はよくない」と苦言を呈したが、謝罪の言葉はなかった。この募金集めの場に、小池氏も同席していたというのに…。ここは共産党お得意のフレーズにならい、「満身の怒りを持って抗議したい」と言っておこう。
 ツイッターでの炎上といえば、民進党にもあった。
 最初の地震が発生した直後の15日未明、民進党の公式ツイッターに「東日本大震災時の自民党のような対応を望みます」という書き込みがあった。これに対し、公式ツイッターは「それじゃあダメでしょうね」と返答。さらに「一部の自民党の有力議員が原発対応についてデマを流して政権の足を引っ張ったのも有名な話」と根拠も示さず書き込んだため、これまた大炎上した。ここにも、「なんとか自民党の足を引っ張りたい」という政治的意志を感じる。それは私だけ?
 野党だけではない。与党にもひとこと。
 2度の震度7の地震を経た週明けの18日。衆院では環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)に関する特別委員会の質疑が行われた。安倍晋三首相も出席し、NHKでも生中継された。
 しかし、これ、やる必要があったのか。この時点で9人の安否が分からず、9万人以上の避難者がいた。TPP法案の重要性はともかく、NHK中継を見ていると、被災地と永田町の温度差ばかりが浮き彫りになっていた
 どうか、永田町の先生方には、熊本・大分の人たちへの想像力を持ってほしいと強く願います。
(政治部次長 船津寛)

 ◎上記事は[産経新聞]からの転載・引用です *強調(太字・着色)は来栖
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「オスプレイの災害派遣での実績づくりを急いだ」←この言葉、命の土壇場で困窮する人に優しいといえるか
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