「夜郎自大」韓国大統領 文在寅が窮地に陥っている なのに、疑惑塗れのグク氏を法相に任命 2019/9/9

2019-09-09 | 国際/中国/アジア

【正論10月号】特集・韓国大統領 なんとも事大主義で夜郎自大
 産経新聞政治部編集委員兼論説委員 阿比留瑠比
  2019.9.7 02:00|
 ※この記事は、月刊「正論10月号」から転載しました。ご購入はこちらへ。
 韓国の文在寅政権が窮地に陥っている。文氏が「外交の天才」(韓国大統領府)ぶりを発揮した結果、同盟国・米国のトランプ大統領には軽視され、頼みの中国にはないがしろにされ、ラブコールを送り続ける北朝鮮には馬鹿にされ、日本との関係では約束破りを続けて戦後最悪の修復不能状態となった。
 日本が安全保障上の理由で対韓輸出管理の厳格化を実施したのは、韓国による日韓請求権協定破りへの対抗・報復措置という以前の軽微な措置だが、韓国には甚大な影響を及ぼしている。文政権の経済政策の失敗により、先行きが暗かった韓国経済はさらに下降することになった。
 文政権はもともとの経済失政をすべて日本に押し付ける気だろうが、それで韓国の景気が浮揚するわけでも何でもない。韓国人がちょっと気の毒になりはするが、その韓国人自身が文氏をリーダーに選んで高い支持率を与え、文氏の扇動に乗せられて反日デモを行ったり、日本製品不買運動に走ったりしているのだから、どうしようもない。
 毎度繰り返される反日の光景は、ただ日本人を呆れさせるばかりである。この外交も経済もどん詰まりの現状は、文政権と韓国自身が招いた自業自得であり、一切の責任は文氏にある。
 背景には、韓国という国のこれまでの在り方、特に日本に向き合う際の特殊な態度があったのではないか。歴史問題さえ持ち出せば日本に対して優位に立て、何でも言うことを聞かせることはできると考え、あることないこと主張しては日本にもたれかかってきた。
 だが、日本政府も多くの日本国民も、韓国の日本差別だともいえる日本にだけ向けられる甘えた言動、執拗な嫌がらせ、憂さ晴らしのための日本利用に、もううんざりして相手にする気を失っている。
 外交畑が長い政府高官は突き放す。「たとえ文大統領が替わっても、日韓関係はよくなるもんじゃないだろう。われわれは、今と未来のことには責任を持つけど、戦後70年以上も経つのに、もうそんな一九一○年のこと(日韓併合)にはつきあっていられない」
 外務省幹部も「日韓の冷却状態がこれから10年、20年続こうが日本は困らない」と話すが、首相官邸関係者は8月初め、記者団にもっとはっきりこう言い切った。「韓国が沈没しても世界中何も変わらない」「韓国が消えて困る国は世界に存在しない」「韓国が対抗措置を取っても、韓国しかつくれないものはないから何の影響もない」
 日本政府側はすでに、韓国の異質な対日姿勢は文政権だけの一過性にとどまらないことを学んでいる。程度の差こそあれ、歴代政権がずっとそうだったと、改めてこれまで韓国を優遇してきたことの過ちを反省しているのである。ある意味、韓国という国自体を見切ったとも言えよう。

■理解出来ない韓国のふるまい
 また、官邸関係者は韓国が一時模索した米国による仲裁に関しても、強く否定した。「日韓請求権協定を事実上、破棄されてから日本が我慢してきたことを、米国務省は上から下までみな知っている」
 実際、ポンペオ米国務長官は河野太郎外相に対し、「韓国の請求権問題は1965年の日韓請求権協定で解決済み」だとの日本の立場を支持する考えを伝えている。
 米国としては東アジア戦略上、日韓にうまくやってほしいのはやまやまだが、どう見ても非は国際条約を破って恥じない韓国にあるのだから当然である。米国も、日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)などをめぐる韓国の米国を向いているのか中国を向いているのか分からない腰の定まらない態度には辟易している。
 文氏は4月、わざわざ訪米したにもかかわらず、トランプ氏と実質2分間しか会談できなかった。トランプ氏が北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長と6月、朝鮮半島の南北非武装地帯(DMZ)にある板門店で3回目の首脳会談を行った際も、露骨に排除されるなどまともに相手にされていない。
 文氏は、米朝の橋渡しをしたメインプレーヤーを気取り、米国と中国という両大国を取り持つ東アジアのバランサー役を演じようとし、またそれができると信じていたようだが、いつの間にか「蚊帳の外」に置かれていたというのが現実である。
 米国も、歴史問題で対日批判を繰り返して同調ばかり求める韓国に疲れきっている。五月にトランプ氏が来日した際、安倍晋三首相に「韓国が狂ったように訪韓を求めてくる」とこぼしたのも、いかに米国が韓国をもてあましているかの証左となる。さすがに現状はまずいと思ったのか、文氏は8月15日、日本による朝鮮半島統治からの解放を記念する光復節の韓国政府式典での演説で、日本に呼びかけた。「今でも日本が対話と協力の道に出てくれば、快く手を握る。公正に交易し、協力する東アジアをともにつくっていくだろう」
 その前日の14日には、韓国が法定記念日に定めた「日本軍慰安婦被害者をたたえる日」にメッセージを送ったものの、直接の日本批判は避けた。ただ、慰安婦問題に関しては「国際社会で互いに非難、批判することを控える」と確認した慰安婦問題をめぐる日韓合意に反してこう述べている。「人類の普遍的観点から慰安婦問題を平和と女性の人権に対するメッセージとして国際社会と共有し、拡散していく」
   それまで語気を強めていた「一気に日本の優位に追い付く」「二度と日本に負けない」式の強硬路線が手詰まりとなり、日本に歩み寄るポーズを見せようとしたのだろう。だが、それでも平気で国際約束である日韓合意を無視して平然としているところが韓国らしく、日本人には理解できない。

■なぜ韓国に愛情がもてようか
 こうした韓国の日本人には納得し難い態度もあり、日本政府と国民は、約束を守れない韓国と何をどう合意しようが歩み寄ろうが無意味と見切った。だから韓国は放っておくしかないと決めたことが、韓国はまだ全然分かっていない。

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 ◎上記事は[産経新聞]からの転載・引用です


妻の起訴でもグク氏を法相に任命、なぜそこまで
 2019/9/9(月) 13:30配信 ニュースソクラ
   【ソウル発】文政権、検察弱体化で与党優位の確立狙う
   文政権をGSOMIA破棄に追い込んだ事情のひとつとすらされたチョ・グク法務長官(法相)候補に対する数々の疑惑。韓国検察は先週末、グク氏の妻を私文書偽造で在宅起訴したが、文大統領は9日、グク氏の法相任命を強行した。なぜ、疑惑紛れの人物の任命にこだわったのか。
  グク氏は11時間の記者会見に続き、6日には国会での人事聴聞会に出席し、14時間に及ぶ質疑に応じた。
  重要な証人たちが抜けた状態で開催が決まった人事聴聞会に対する懐疑的な見方は当初から優勢だった。最大野党の自由韓国党の内部でさえ、「チョ・グクの(法相)任命にレッドカーペットを敷いた」との声があがり、主要証人が抜けた人事聴聞会を受け入れた羅卿ウォン(ナ・ギョンウォン)院内代表に対する非難が殺到した。洪準杓(ホン・ジュンピョ)元代表は、羅氏の院内代表職(党内ナンバー2のポスト)の「辞任」を要求したほどだった。
  結局、6日に、14時間と一日中行われた国会人事聴聞会は、チョ氏の法務長官への就任阻止を狙う野党とチョ氏の死守に必死の与党議員らの間での大声と暴言が交じり合う乱闘場となった。韓流のマクジャンドラマ(ドロドロ劇)的な見所はあったものの、内容面では韓国国民が知りたがっている多くの疑惑の一つもきちんと扱うことができないまま、幕を閉じた。
  ところが、人事聴聞会を終えたチョ氏へ検察の刃が向けられた。検察がチョ氏の妻を電撃起訴したのだ。チョ氏の妻は娘の大学入試のため、自分が勤めている大学の総長賞を偽造した疑いを受けている。私文書偽造の日付が2012年9月7日で、7年の時効が満了する2019年9月6日10時50分に電撃的に起訴になったのだ。
  このため、チョ氏の法務長官任命を強行しようとした大統領府は、検察に向けて「検察クーデター」「内乱陰謀」などの暴言を浴びせ、激怒した。
  チョ・グク氏はこの一ヵ月間、浮上した多くの疑惑によって韓国メディアから袋叩きにされ、それこそ満身創痍となった。文在寅政権の「皇太子」から、文在寅政権の「崔順実(チェ・スンシル)」へと転落し、「たまねぎ男」「不正デパート」「建国以来最高の偽善者」などと、嘲弄と揶揄が盛り込まれた数多くの異名を得た。
  チョ氏の任命を強行する過程で文在寅政権も深い傷を負った。「平等」「公正」「正義」を政権の価値に掲げた文大統領が、自分の最側近をめぐって起こった「特権」「不公正」「不義」に対しては目をつぶったまま意地を張る姿は、多くの中道層の支持者を離れさせた。結局、文大統領を「支持しない」と答えた人が、就任以来初めて50%を越える世論調査結果が出るなど、支持率が急落した。
  なぜ、文在寅政権は国民からこれだけ指弾を受けているチョ氏の任命にこだわったのだろうか。韓国メディアではいくつかの推測が書かれている。
  まず、文大統領がチョ氏を自分の後継者とみているという主張だ。チョ氏は、文在寅大統領の政治地盤である釜山出身だ。与党の共に民主党は、左派色の強い全羅道と首都圏では支持が高いが、釜山に代表される慶尚南道(PK)と大邱に代表される慶尚北道(TK)地域の支持基盤は脆弱だ。
  このうち、TKは最も保守的なところで、朴槿恵(パク・クネ)前大統領の地盤でもあって、攻略が容易ではない。したがって、PK地域、その中で最も人口の多い釜山出身を大統領候補に立てるのが共に民主党の伝統的な大統領選挙戦略だった。
  盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領、文在寅大統領、そして、チョ・グク氏がその後を継承するというプランである。しかし、今や国民の嘲弄の的になってしまったチョ氏を2年後の次期大統領選挙で民主党の候補に立てられるかは未知数だ。
  二つ目は、特に文在寅政権が強調する理由で、チョ氏こそが、文政権の宿願である「司法改革」を成し遂げる適任者だという主張だ。文政権の司法改革の核心は「検察・警察の捜査権調整」と「公職者不正捜査処の新設」だ。
  検警捜査権調整とは、検察が独占している捜査/起訴/令状請求権を警察と分け持つことを内容にしている。警察は事件を検察に送致する前まで検事の捜査指揮を受けないなど、すべての事件に対して1次的な捜査権だけでなく、終結権を持つようになる。
  公職者不正捜査処(公捜処)の新設とは、これまで検察の固有権限だった高級公職者の不正に対する捜査を、別途の機関を設置して譲渡する案だ。文在寅政権の公捜処法によると、公捜処は検察から捜査/起訴/公訴維持権を譲り受けて高位公職者とその家族、検察の不正を捜査することになっている。
  このような文政権の司法改革は検察権力を大幅に縮小する。検察の政治権力化を防ぐというのが文政権の主張だ。
  しかし、保守層を中心に、政権に向けた検察捜査を防ぐための策略だという指摘も多い。大統領が任命する公捜処長が現政権の不正を捜査するようになれば、独立的な捜査ができるわけがないという疑問だ。
  結局、大統領は検察と公捜処という二つの捜査機関を競い合わせて、政権に捜査が及ばないようにしようとしているとの指摘だ。
  ところで、この公捜処法の設計者がチョ氏であり、チョ氏を法務長官に任命することで、検警捜査権の調整と公捜処の設置を実現させようという計算だ。
  チョ氏が法務長官辞退に追い込まれると、文政権の核心的な支持層が離反してしまいかねなかったとの見方もある。チョ氏の任命で核心的支持層を結集させ、離れた中道層と若年層は文政権に友好的な正義党で吸収すればいいという戦略だ。
  しかも、現在進行中の選挙法改正案で比例代表が大幅に拡大されれば、来年4月の総選挙では、正義党などの左派政党が飛躍的に党勢を増やし、左派連合軍が国会を掌握することができる。もし、左派連合軍が国会議席の3分の2を占め、チョ氏が作った「大統領改憲案」が国会を通過すれば、一般国民が参加する「専門裁判所」を設置し、国会議員を召喚し、議員から引きずり下ろすことも可能だ。左派政党の独裁のための布石とみることもできる。
  共に民主党の長期政権プランのためにはチョ氏の任命が必要なのだ。無策な野党のおかげで、文在寅大統領によるチョ・グク氏の法務長官任命はひとまず成功した。しかし、その後も文政権のプラン通りに事が動くかどうかはわからない。
  無力化を狙われている検察がグク氏への捜査で新事実を出すかもしれない。
  さらに、韓国の若者たちが文在寅政権を向けて抵抗を開始した。チョ氏の任命に抗議する大学周辺でのろうそく集会は続きそうで、そこに保守野党と一般国民が合流し、次第に大きな流れになるかもしれない。 . 朴英南 (ジャーナリスト 在ソウル)
 最終更新:9/9(月) 13:30  ニュースソクラ 

    ◎上記事は[Yahoo!JAPAN ニュース]からの転載・引用です
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