自民党政権 期待と不安(2) 来年夏の参院選への課題は候補者の「質」

2012-12-20 | 政治

【自民党政権 期待と不安】来年夏の参院選への課題は候補者の「質」 ★(2)
zakzak2012.12.20
 衆院選で圧勝した自民党だが、来年夏の参院選や、次の衆院選でも勝てるかとなると不安がいっぱいである。「これだけ気まぐれな国民では…」ということもあるが、候補者の質が問題なのだ。
 今回の衆院選で初当選した顔ぶれを見ると、はっきり言って平均的にはあまりよろしくない。何しろ、新人は民主党が盤石と見えたころに公募などで選ばれてきた人が多い。将来の見込みはないうえ、党本部からの助成も少なく献金も望み薄だったから、当然のことながら、それなりに安定した生活をしていた人たちは尻込みした。
 自民党は公募するときに、民主党や第3極のように全国公募して割り振るのでなく、県や選挙区の支部単位でやることが多い。よって、いわゆる「地元」を持つ人でないと出にくいのである。となると、世襲候補に断然に有利になるし、大都市出身や別の世界でそれなりに成功した実績もあり生活基盤もあるような人材には、挑戦しにくい。
 しかも、今回の衆院選では重複立候補で、ほとんどの小選挙区候補者が救済されたので、次回総選挙では新人受け入れ余地が少ない。
 これに対し、民主党は「選挙区はどこでもいい。国のために尽くしたい」という若者には、政策内容的にも、連合という手足になる組織が付いている意味でも、非常に好都合な受け皿だった。それは、いまも変わらない。小沢一郎氏系が離党したおかげで、空き選挙区もたくさんある。
 みんなの党も、新人発掘の体制はしっかりしており、バックアップ体制も資金面はそれなりだから新人の質は良かった。
 日本維新の会は玉石混交だ。官僚OBなどには、好条件の選挙区を与えていたが、資金面などのバックアップ体制はなく、候補者から集金してひんしゅくを買った。選挙区も縁もゆかりのないところが多く、地方組織もない。比例名簿上位に単独候補を置くので、重複立候補での当選可能性が低いことを十分に説明していなかった地域もあり、不満を持たれた。
 日本未来の党は、やはり嘉田由紀子代表(滋賀県知事)の自前の候補を、滋賀県や近畿で出しておくべきだった。この惨敗の後で、未来から出る候補はいるのか。
 このところ政治家の質の低下はひどい。世襲や塾での促成栽培ではなく、本当に能力のある議員が切磋琢磨(せっさたくま)する世界に戻ってほしい。
 参院選や次の衆院選に向けて、各党とも、決まっている候補を入れ替えたり、他党からスカウトするなど動き出すべきだ。良質な候補をいかにそろえられるかが、次なる戦いへの課題だ。
 ■八幡和郎(やわた・かずお) 1951年、滋賀県生まれ。東大法学部卒業後、通産省入省。フランス国立行政学院(ENA)留学。大臣官房情報管理課長、国土庁長官官房参事官などを歴任し、退官。作家、評論家として新聞やテレビで活躍。徳島文理大学教授。著書に「本当はスゴい国? ダメな国? 日本の通信簿」(ソフトバンク新書)など。
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