収容所は賄賂が横行し、スマホも入手可能 カネの力でエアコン付きの部屋に入り

2023-02-05 | 社会
中日春秋
 中日新聞 2023年2月2日 05時05分 (2月2日 05時06分更新)
 二〇〇七年に英国人女性を殺害した市橋達也受刑者は逮捕まで二年七カ月の逃走中、名を偽り大阪・西成で土木作業の仕事を見つけた
▼日雇いの職を求める労働者とそれをあっせんする手配師が集う街。ドヤと呼ばれる簡易宿泊所が連なる。身分証などあらためず、過去も詮索しないのが流儀という
▼遠いダム建設現場に行かされて死亡し、そのまま埋められた人がいるとの都市伝説もある。真偽はともかく、互いに干渉しない西成では誰かが姿を消しても気にされない。ある手配師は「犯罪者も潜伏できる街」と言う(花田庚彦(としひこ)著『西成で生きる この街に生きる14人の素顔』)
▼この街に劣らず、フィリピン入管当局の収容所も訳ありの人には居心地が良いのか。収容中の「ルフィ」を名乗る男らが日本で相次ぐ強盗事件の指示役だった疑いがあり連日、記事が紙面を賑(にぎ)わせている
▼収容所は賄賂が横行し、スマホも入手可能。カネの力でエアコン付きの部屋に入り、マグロや牛肉を取り寄せていたとも報じられている。強盗実行役は高額報酬の「闇バイト」として交流サイト(SNS)で集めたよう。事実なら日雇い犯罪者を募る手配師である
▼実行役は自身の運転免許証の写真送信を求められ、自宅や家族の存在も知られて抜けられなくなるという。身元も問わぬ不干渉の流儀とは無縁の犯罪組織。近づく人は搦(から)め捕るようだ。
 
 ◎上記事は[中日新聞]からの転載・引用です


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