高齢者の万引「動機は孤独」

2009-08-02 | 社会
高齢者の万引「動機は孤独」 4人に1人、警視庁調査
2009年8月1日 中日新聞朝刊
 警視庁が万引で摘発した計1050人を対象に実施した意識調査で、少年は万引をする心理的な要因として「ゲーム感覚」を挙げる割合が高かったのに対し、65歳以上の高齢者の4人に1人は「孤独」を挙げたことが1日、警視庁への取材で分かった。
 万引をした高齢者の40%は独り暮らしで、53%は「友人がいない」と回答。孤立した生活実態が背景にあることが浮き彫りになった。
 店員の声掛けに防犯効果があることも分かり、大学教授らで構成する調査研究委員会が結果を詳細に分析し、総合的な万引防止策を警視庁に提言する予定だ。
 調査は4月20日から6月30日にかけ、万引で摘発された少年428人、20~64歳の成人418人、65歳以上の高齢者204人を対象に実施。取り調べ内容を基に、担当者が規定の調査票に記入する方式を採った。
 心理的な要因(複数回答)では、高齢者は「孤独」24%、「生きがいがない」8%、「むしゃくしゃした」7%の割合が高く、少年は「ゲーム感覚」27%、「単に欲しかった」23%の順だった。
 高齢者の64%は収入がなく、19%は生活保護を受けていた。
 万引を断念する理由では「防犯カメラの設置」が全体平均で2%と極めて低いのに対し、「店員の声掛け」は同62%と高く、対策を講じる際の参考となりそうだ。

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