怒り! 障害者自立支援法が無辜の父子を殺した

2006-12-06 | 政治

中日新聞2006年12月6日朝刊

 父と養護学校の娘2人心中

 滋賀県甲良町池寺の西明寺近くの駐車場で4日夜、止めてあった乗用車から3人の遺体が見つかった。父親(43)と、いずれも養護学校に通う長女(14)と二女(10)。死因は練炭による一酸化炭素中毒で、無理心中とみられる。母親は3年前に他界し、父親は在宅支援サービスを利用しながら、1人でまな娘を懸命に育てていた。その生活を一転させたのは、4月に施行された障害者自立支援法。過重な負担が父の背中にのしかかった。
 「生活が苦しい」「娘の将来が不安」。車内に残された遺書には、絶望の言葉が並んでいた。自宅からは、消費者金融の督促状が見つかった。
 娘2人は、2003年4月から養護学校に通学していた。同11月、母親が病死。それまでは自宅から通っていたが、平日は養護学校の寄宿舎で過ごすことになった。
 在宅支援は娘たちが自宅に戻る金曜日の夕方、父が会社から戻るまでの約2時間利用。ヘルパーが食事の世話をした。娘の夏休みなどの際は近隣の児童福祉施設に短期入所させていた。
 4月に施行された障害者自立支援法が、じわりと父親を追い込む。
 ヘルパー利用は、本人負担がこれまでの月1000円程度から約6000円に増加。今年8月に受けた短期入所費も、1000円程度だったのが2万円に膨れあがった。「出費が痛い」。役場の職員にこぼしていた。
 父親は5年前から勤めている製造業の工場で、平日の朝9時から午後5時まで働いていた。給料は月に二十数万円ほど。まじめで無口。同僚に家族のことを話すことはなかったという。
 新築の家。周囲には一見、金銭的に不自由のない生活に見えた。しかし、心中する前、会社に数十万円を借りようとして断られ、長崎に住む兄にも金の相談をしていた。
 娘の今後も悩みの種だった。寄宿舎が2年後に廃止されることになり、2人を自宅から通わせるか、障害が重い二女を寄宿舎のある学校に転校させるか、学校に相談していた。
 父親は毎月1回、仕事帰りに役場の福祉課を訪れた。娘2人の在宅支援サービスの日程を決めるためだった。11月30日も訪れたが、その時、12月1日のサービスをキャンセルした。
 週末明けの月曜日。3人の遺体は、車の中で折り重なって見つかった。

 ◎上記事は[中日新聞]からの書き写し(=来栖)


2 コメント

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Unknown (散策)
2006-12-07 19:53:03
トラックバックありがとうございます。トラックバックいただいたエントリは先にトラックバックさせていただいていましたので、古いですが以前のエントリをトラックバックさせていただきます。
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TBありがとうございます (春霞)
2006-12-07 21:59:08
>父と養護学校の娘2人心中
>4月に施行された障害者自立支援法が、じわりと父親を追い込む

障害者自立支援法を廃止しない限り、またこういう被害者が出てくるのでしょう。まったくひどい話です。
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