オウム平田信被告 第7回公判 2014.1.28 杉本繁郎受刑者 出廷 「平田被告も同席していた」と証言

2014-01-30 | オウム真理教事件

【オウム法廷再び】平田被告、地下鉄サリン打ち合わせに同席 杉本受刑者証言
 産経ニュース2014.1.28 21:08
 平成7年の目黒公証役場事務長拉致事件などに関わったとして、逮捕監禁罪などに問われたオウム真理教元幹部の平田信(まこと)被告(48)の裁判員裁判の第7回公判が28日、東京地裁(斉藤啓昭(ひろあき)裁判長)で開かれ、元幹部の杉本繁郎受刑者(54)=無期懲役確定=が出廷、地下鉄サリン事件の打ち合わせに平田被告も同席していたと証言した。
 杉本受刑者によると、サリン事件前日の7年3月19日、東京都杉並区の教団拠点で実行犯や送迎役などの役割分担を決めたという。その際、平田被告も「いたという記憶」と証言した。
 その後、小池(旧姓・林)泰男死刑囚(56)が平田被告に「運転手役から外れたので帰っていい」と告げたが、井上嘉浩死刑囚(44)が「手伝ってほしいことがある」と呼び止めたという。
 また、井上死刑囚が信者らに何かを説明する際、「爆弾という言葉を発していた記憶がある」とも証言。その場に平田被告がいたかについては「明確には分からない」と述べた。
 同日発生した宗教学者の元自宅爆破事件について、弁護側は「指示や打ち合わせはなかった」と無罪を主張している。
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オウム裁判終結/暴走生んだ「共同幻想」/教祖は私たちの『欲望の象徴』だった 2011-11-22 | 死刑/重刑/生命犯 問題 
 オウム裁判終結 1995-2011
 中日新聞2011年11月22日Tue.記事より抜粋
 なぜ  問い続ける 暴走生んだ「共同幻想」 論説委員・瀬口晴義
 解脱や悟りを求めて出家した青年がなぜ、人の命を奪ったのか。公判の傍聴だけでは、根本的な疑問には迫れないと感じ、地下鉄サリン事件や坂本弁護士一家殺害の実行役らと面会や文通を始めた。
 地下鉄サリン事件の実行犯だった広瀬健一死刑囚など同世代の被告もいた。歯車が狂えば、立場が逆転していても不思議ではない。そんな思いにも後押しされた。
ペテン師か?
 面会を重ねたのは、1審で死刑判決などを受けた6人。彼らと交わした書簡は200通を超える。
 30人近い元信者にも繰り返し取材した。見えてきたのは、麻原彰晃死刑囚を「宗教家を名乗ったペテン師」と決めつけ、狂信的な信者が操った異常な事件と矮小化すべきではないということだ。
 麻原死刑囚は、ヨガや瞑想法の指導者として卓越した力を持っていた。超能力に関心を抱く若者に神秘体験を与え、「本物だ」と錯覚させるのは簡単だった。極貧の幼年時代、視力障害、逮捕歴・・・。挫折から生じた教祖の社会への破壊願望は、自らが「救世主」であるという妄想とともに膨れ上がった。
 だが、彼の特異なパーソナリティは車の「片輪」にすぎない。生真面目であるが故にこの社会のあり方に強い違和感を抱いてた若者たち、空虚な生の感覚を満たしてくれる絶対的な存在を求めた若者たちがいて、「両輪」になった。
 両者の「共同幻想」がなければ、教団はここまで暴走しなかったと、死刑囚たちの肉声を聞いて感じる。
 出家番号4番。最古参幹部だった杉本繁郎受刑者(無期懲役の刑が確定)が、初公判で語った場面をよく覚えている。「教団にいた者すべてが教祖の歯車となり、教祖のため、真理のためとして自らの欲望を満たすためにそこに集合していた。教祖は私たちの『欲望の象徴』だった」
 教祖と信者がお互いに依存する関係だったことをうかがわせる発言だ。側近の忠誠心争いが、教団を暴走させた背景にあることも見逃せない。 
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【オウム法廷再び】背景事情に時間 薄れゆく「本題」 裁判長からクギを刺される場面も
 産経ニュース2014.2.4 23:49
 平田信被告の公判で検察側が立証の中心に据える井上嘉浩死刑囚への尋問が終了した。これまでの10回の公判では2死刑囚を含め計9人が法廷に立ったが、検察、弁護側ともに、教団の教義や審理対象外の地下鉄サリン事件など、背景事情への質問に多くの時間を費やし、裁判長からクギを刺される場面も。「本題」の存在感は薄れつつある。
 「それは再三確認しているのでやめてください」
 第10回公判では、裁判長が井上死刑囚への質問をさえぎった。弁護人が聞こうとしたのは「諜報省」での井上死刑囚の役割。裁判長から質問内容を指摘されるのは、検察、弁護側ともに珍しい場面ではない。
 山形明受刑者(48)が出廷した第6回公判では、時効が成立した警察庁長官銃撃事件と平田被告の関連性について弁護側が意見を求めると、裁判長が「それを証人に聞くことにどういう意味があるのか」と制止。第7回公判で杉本繁郎受刑者(54)にサリン製造状況を事細かに尋ねる検察側には「だいぶサリンの話をしていますので…」と別の質問を促した。
 尋問内容が広がる背景には、教団が犯行に向かった背景も含めて主張立証しようとする検察、弁護側双方の姿勢がある。
 検察側は審理対象の3事件を「教団による組織的犯罪」の一角と位置付け、強制捜査を攪乱(かくらん)するために起こした宗教学者の元自宅爆破事件と同時並行で準備が進んだ地下鉄事件も「必要な範囲で触れざるを得ない」との立場だ。
 これに対し弁護側は、他の元幹部に教団内での序列などを尋ね、当時の平田被告の立場を浮かび上がらせようとしている。
 井上死刑囚への尋問でも地下鉄事件に至る経緯や、麻原彰晃死刑囚からの指示に対する考え方などに関する質問が相次いだ。
 ただ、公判の主要争点はあくまで、目黒公証役場事務長拉致事件や爆破事件での「事前認識」だ。裁判員の質問内容からは争点を意識していることがうかがえるが、証人尋問の大半は終了。裁判員に十分な検討材料を提供できるかは、被告人質問など今後の審理の進め方が影響を与えそうだ。
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オウム平田信被告 第6回公判 2014.1.27.Mon. 山形明受刑者が出廷 
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