再審決めた元裁判長と対面 袴田さん、初の実現
昭和41年に静岡県清水市(現静岡市清水区)で一家4人が殺害された事件で死刑が確定し、再審開始が決まった袴田巌さん(87)が19日、東京都内で開かれた再審に関する集会に参加し、静岡地裁の裁判長として平成26年に再審開始決定を出した村山浩昭弁護士と対面した。
静岡地裁決定は再審開始とともに死刑の執行停止を認め、袴田さんは約48年ぶりに釈放された。
釈放後に2人が対面するのは初。支援者によると、集会に先立ち、別室で袴田さんの姉、ひで子さん(90)が村山弁護士を紹介すると、袴田さんは頭を下げたという。
集会でひで子さんは「私は巌だけが助かればいいと思っているわけではない。再審で苦しんでいる皆さんに助かっていただきたい」とあいさつ。袴田さんは「戦いに勝つということが大事」と話した。
その後、村山弁護士が事件を振り返り「袴田さんの健康状態が危ぶまれていたこと、証拠が捜査機関によって捏造(ねつぞう)された疑いが強いことなどから、釈放するしかないという結論になった」と話した。
事件を巡っては今年3月に再審開始が確定し、静岡地裁での再審公判に向けて地裁、検察側、弁護側の三者協議が進んでいる。
◎上記事は[産経新聞]からの転載・引用です