【米中首脳会談】米側から開催を提案 中国も「極めて迅速に」受諾
産経新聞2013.6.9 21:20
米カリフォルニア州で7、8両日、非公式な形で行われた米中首脳会談は米国から開催を提案し、中国側は「本当に極めて迅速に」受け入れていたことが8日分かった。ドニロン米大統領補佐官が明らかにした。
1月に2期目入りしたオバマ米大統領と、3月に就任した習近平国家主席が互いに早期の会談を通じ、腹を割った話し合いをしたいと望んでいたことが浮き彫りとなった。
ドニロン氏によると、両首脳の会談は当初、ロシアのサンクトペテルブルクで20カ国・地域(G20)首脳会合が開催される9月まで実現しない予定だったが「間が空きすぎる」として前倒しを決め、中国側に働き掛けたという。
今回の会談時間は2日間で計約8時間。8日には通訳だけを交えた約50分間にわたる両首脳の話し合いも持たれた。(共同)
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【米中首脳会談】中国高官、日本含む関係方面は「挑発やめ対話応ぜよ」
産経新聞2013.6.9 12:06
【パームスプリングズ=山本秀也】米中首脳会談で沖縄県尖閣諸島問題が取り上げられたことについて、パームスプリングズ郊外で記者会見した中国の楊潔篪国務委員(外交担当)は8日(日本時間9日)、「関係方面が責任ある態度をとって挑発行為をやめ、対話を通じて妥当な問題処理と解決の軌道に立ち戻るよう望む」と述べ、名指しは避けながらも、日本などに対して、中国との領土交渉に応じるよう求めた。
楊氏は、会談での習近平・中国国家主席の発言として、国家主権と領土を断固として守るとともに、対話を通じて問題の処理と解決を図るとの原則を米側に伝えたことを確認した。
領土問題に関して、楊氏は「釣魚島(尖閣諸島の中国名)」とともに「南シナ海」を挙げており、「関係方面」には、日本のほか、スプラトリー(中国名・南沙)諸島の領有権問題で中国と争うフィリピン、ベトナムが含まれている。
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【湯浅博の世界読解】「平和を愛する」とはあきれる 協調ポーズの中国は“うろん”
産経新聞2013.6.5 08:05
中国共産党が総力を挙げた日本「右傾化」キャンペーンも、手詰まり状態のようだ。中国人民解放軍の戚建国副総参謀長が先月31日から3日間、シンガポールで開かれたアジア安全保障会議で、いかつい軍服に不似合いな協調ポーズを振りまいた。
「中国は平和を愛する国家だ。海軍は周辺国に挑発的な行為をとったことはない」
副総参謀長が続けて「紛争は対話で解決を」と言えば、名コラムニスト、山本夏彦なら「申し分のないことを言う人たちは、うろんです」と応じるだろう。
そんな戚副総参謀長が、わが尖閣諸島(沖縄県石垣市)の領有権問題を持ち出し、棚上げ論を打ち出した。「われわれより知恵のある次世代の人に解決してもらうべきだ」と、1970年代に当時の最高実力者、トウ小平が述べた言葉を繰り出した。仮に日中の「棚上げ合意」があったとしても、彼ら自らが92年制定の領海法で“合意”を破ったことはおくびにも出さない。
棚上げ論の表明は、中国が協調路線にカジを切ったようにみえるが、実際には軍による「世論戦」のマジックであろう。副総参謀長は「無条件に妥協することはなく、国家の核心的利益を守る決心が揺らぐことはない」と保険をかけた。浄瑠璃の国性爺合戦ではないが、「証拠なくてはうろんなり」である。
さっそく、フィリピンのガズミン国防相が「南シナ海で実際に起きていることと全く違う」とマジックの裏を突いた。つい最近、張召忠少将が1隻の新型揚陸艦があれば「1カ月もたたずに南シナ海の全島を奪回できる」と威嚇したことを忘れない。
戚副総参謀長の「平和を愛する」とはあきれるばかりだ。彼らの中にも、「ムリを通せば中国が孤立しかねない」との判断があったのだろう。2010年夏、ハノイで開催された東南アジア諸国連合(ASEAN)地域フォーラムで、米国の「アジア回帰」を受けて沿岸国が中国に集中砲火を浴びせたことがある。中国が南シナ海の大半を領海とし、沿岸国の艦船を威嚇のうえ発砲する事件が多発していたからだ。今回のアジア安全保障会議も、その二の舞いになりかねなかった。
米アジア太平洋安保研究センターのホーナン准教授は、外交誌「ナショナル・インタレスト」で、「中国と韓国は、日本を孤立させると考えているようだが、日本は国際社会で孤立してはいない。むしろ、南シナ海の行動で中国が孤立している」と論評していた。米ケイトー研究所のカーペンター上席研究員も同誌で、安倍政権が憲法改正に踏み込んでも、中韓以外は「驚くほど好意的である」と指摘した。
日本の「右傾化」攻撃は昨年秋の楊潔篪外相(当時)による国連演説から始まった。先月26日にも李克強首相が、ベルリン郊外のポツダムでやはり尖閣諸島を「日本が盗み取った」と断じて、日本が「戦犯国家」だったことを想起させようとした。
しかし、米国にサイバー攻撃を仕掛け、ロシア国境やインド国境を脅かす中国の拡張主義への警戒感は増すばかりだ。習近平国家主席が訪露したさい、対日戦勝利を「共同宣言に書き込もう」との申し入れにプーチン大統領は動かず。7、8両日の米中首脳会談でも、オバマ大統領がそれを受け入れる可能性は低く、まずは“うろん”なる協調路線に終始しそうだ。(東京特派員)
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