中国:「覚醒剤」愛知の前市議、保釈申請
毎日新聞 2015年12月03日 12時44分(最終更新 12月03日 15時16分)
【上海・林哲平】中国広東省広州市で麻薬運搬罪に問われている愛知県稲沢市の前市議、桜木琢磨被告(72)の弁護人は3日、広州市中級人民法院(地裁)に保釈を申請した。11月29日に予定されていた判決言い渡しが延期され、期日が決められない状態が続いているため「身柄拘束の根拠があいまいだ」としている。
起訴状によると、桜木被告は2013年10月、広州市の空港で荷物から覚醒剤約3キロが発見された。公判では14年8月に検察側が「懲役15年以上か無期懲役または死刑」を求刑して結審。桜木被告は一貫して無罪を主張している。判決は4度延期されている。
中国では期限を定めない判決の延期には最高人民法院(最高裁)の許可が必要。過去3回の延期は中級人民法院の判断だったが、4回目は最高人民法院に初めて延期の可否の判断をあおいだ。
◎上記事は[毎日新聞]からの転載・引用です *強調(着色)は来栖
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◇ 元稲沢市議・桜木琢磨被告の判決 4度目の延期 広州市中級人民法院(地裁) 2015/11/27
中日新聞 2015年11月27日 夕刊
元稲沢市議の判決4度目延期 中国・地裁、延長期間明示せず
【上海=加藤直人】スーツケースに三・三キロの覚せい剤を隠して中国広州市の空港から上海へ運ぼうとしたとして麻薬運搬罪で起訴され「懲役十五年以上か無期懲役または死刑」を求刑された愛知県の元稲沢市議、桜木琢磨被告(72)の判決公判について、広州市中級人民法院(地裁に相当)は二十七日、桜木被告側に、四度目となる延長決定を通知した。
同中級人民法院は、最高人民法院(最高裁に相当)に延長の判断をあおぐ異例の対応を取った。延長期間は明示されておらず、弁護側は「無期限の延長とも受け止められる」と話している。同中級人民法院は独自の判断で今年一月、五月、八月に三度延長し、判決公判の期限は今月二十九日に迫っていた。
この事件では共犯とされる複数のアフリカ人も逮捕されており、同中級人民法院は度重なる判決延期の理由を「事件が複雑」としてきた。桜木被告が現職議員時代の事件で求刑に極刑も含まれ、さらに公判で桜木被告が一貫して起訴内容を否認してきたことなどから、最高人民法院が政治的影響も考慮し、慎重な審理に基づく判決を同中級人民法院に求めたとみられる。
習近平政権は昨年秋の重要会議「四中全会」で「法治」の重要性をうたう一方、「共産党の指導が社会主義法治の最も本質」とも強調した。中国では、政治的に敏感な問題をはらむ裁判には共産党や政府の意向が影響することもある。
桜木被告は二〇一三年十月に広州市の空港で逮捕された。昨年七月に起訴され、同八月に公判は結審した。今年九月の稲沢市議選には立候補を届け出ず、任期満了の九月三十日で市議の職を失った。
◎上記事は[中日新聞]からの転載・引用です
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