元オリンピック体操選手の岡崎聡子さんが薬物で逮捕されていた ごく最近の手紙 篠田博之 2019/6/19

2019-06-20 | 社会

岡崎聡子さんからのごく最近の手紙

篠田博之  | 月刊『創』編集長  2019/6/19(水) 17:14

 6月19日、夕方から取材で遠方へ行かねばならず忙しいのだが、最低限のことだけ書いておこうと思う。元オリンピック体操選手の岡崎聡子さんが薬物で逮捕されていたとの報道が、一斉に始まった。私は先月から何度も接見しているのだが、今回、マスコミが報道していないのを逆に奇妙に感じていた。警察がリークしない限り、なかなかマスコミは把握できないものだという感想もさることながら、一社が報じたとたんに横並びで一斉に報道が始まるという、このいつもの構図にも疑問を感じないわけにはいかない。
 逮捕されたのはゴールデンウイークの頃で、私は連休明けの5月上旬に最初に接見し、以降も接見や手紙のやりとりを行っている。今回やりとりを重ねたのは、彼女がかなり重たい薬物依存である上に年齢も50代後半だから、やらねばならないことが多かったからだ。もう今回がラストチャンスだと思ったし、幸い今回は本人自身も治療に本格的に取り組みたいと言っている。
 以前もヤフーニュースに書いたが、彼女は前刑で福島刑務所に服役した時、実は相次いで両親が亡くなった。愛する父親が亡くなり、母親もとあって、岡崎さんは母親が危篤の時に、何とか仮釈放で最期の見舞いに行けないかと真剣に相談してきた。私もいろいろ手を尽くして、ある治療施設の人に刑務所まで行ってもらったのだが、その人が接見後、報告の電話をしてきて、何とのその2~3日前に母親が亡くなったと本人に聞かされたと言われた。私は一瞬、それを聞いて絶句した。
 親の死に目にも会えなかったことは、本人にも大きなショックだったろうことは間違いない。だから前刑での出所前後にも、本格的な治療をしないといけないと言ってきた。でも薬物依存者について多少知っている人ならわかるだろうが、逮捕といった機会がないと、治療施設に入ってまで治療に取り組むということにはなかなかならないのが薬物依存者の現実だ。
 岡崎さんは2年おきくらいのペースで塀の中と外を行き来している人生を続けており、そのまま一生を終えてしまうのはあまりにしのびない。だから、今回の逮捕を機に、私は強く彼女を説得することにした。
 マスコミが騒いでいないことは、そうした手続きには好都合だったのだが、報道が始まったことで今後は状況が変わる。まもなく公判も始まる時期で、裁判で自分の今後の人生や更生についてどう表明するか問われるのを機に、彼女にも自分の人生について考えてほしいと思っている。
 彼女くらい重たい依存症になると、そこから抜け出すといっても簡単ではない。そもそも刑を終えて出所しても、行き場所がない。今までは親が健在だったから、何となく拠り所ににはなっていたと思うが、今はまず生活していくだけでも大変な状況だ。そんななかでどうやって依存症の治療を行っていくのか。これは簡単ではない。
 恐らく薬物依存から脱することができないまま人生を終えてしまう人は世の中には相当数いるのだろうと思う。でもそういう重症の人をどうするのかという問題を社会として考えていかない限り、薬物依存という社会的病理を克服することはできないと思う。
 三田佳子さんの息子とも今なお私はやりとりしているが、世間が親ばかとバッシングしようが、三田さん夫妻が見捨てていないということが、祐也君の更生に大きな意味を持っていることは間違いない。その点、岡崎さんの場合はどうすればよいのか。これまで何人かの薬物依存の問題に関わってきた私にとっても、彼女の状況は深刻に考えざるをえない。
 だから、以前からの主張を繰り返すが、もしマスコミ報道でこの件を取り上げるところがあるなら、薬物依存についてどう考え、社会がどう取り組むべきなのか、社会に問題を投げかけるような取り上げ方をしてほしい。逮捕を繰り返す元有名人といったスキャンダル報道だけに終わらせてしまうならそれは関係者を傷つけ、社会的偏見を増すだけだと思う。
 冒頭に最近届いた彼女の手紙を掲げた。ネットニュースの場合、何か写真がないとまずいからという理由からで、私信をこんなふうに扱うこと自体、私の本意でないことも書いておきたい。この件については、可能な限り、ヤフーニュースで続報を伝えていくことにしようと思う。

 篠田博之
 月刊『創』編集長・篠田博之1951年茨城県生まれ。一橋大卒。1981年より月刊『創』(つくる)編集長。82年に創出版を設立、現在、代表も兼務。東京新聞にコラム「週刊誌を読む」を十数年にわたり連載。北海道新聞、中国新聞などにも転載されている。日本ペンクラブ言論表現委員会副委員長。東京経済大学大学院講師。著書は『増補版 ドキュメント死刑囚』(ちくま新書)、『生涯編集者』(創出版)他共著多数。専門はメディア批評だが、宮崎勤死刑囚(既に執行)と12年間関わり、和歌山カレー事件の林眞須美死刑囚とも10年以上にわたり接触。その他、元オウム麻原教祖の三女など、多くの事件当事者の手記を『創』に掲載してきた。

 ◎上記事は[Yahoo!JAPAN ニュース]からの転載・引用です

薬物逮捕の元体操五輪代表・岡崎聡子さんが面会室で語ったことと獄中手記 篠田博之  2019/6/20


岡崎聡子被告また覚醒剤使用…交番訪れ不審挙動

2019年6月19日 13時6分 読売新聞オンライン        

 覚醒剤を使用したとして、警視庁荻窪署が今年4月、体操の元五輪代表選手の岡崎聡子被告(58)を覚醒剤取締法違反(使用)容疑で逮捕していたことがわかった。
 荻窪署幹部によると、岡崎被告は4月下旬、「物をなくした」と東京都杉並区内の交番を訪れた際に挙動が不審だったため、尿検査したところ、覚醒剤の陽性反応が出たという。5月に同法違反で起訴された。
 岡崎被告は1976年のモントリオール五輪に出場。95年以降、覚醒剤の使用や所持容疑などで逮捕されていた。
 読売新聞オンライン

 ◎上記事は[livedoor NEWS]からの転載・引用です

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元体操の岡崎聡子容疑者、覚せい剤逮捕…14回目か

[2019年6月19日20時41分]

警視庁荻窪署が、覚醒剤を使ったとして、覚せい剤取締法違反(使用)の疑いで、元五輪体操選手の岡崎聡子容疑者(58)を4月下旬に逮捕していたことが19日、捜査関係者への取材で分かった。
岡崎容疑者は5月に東京地検に覚せい剤取締法違反罪で起訴されている。
荻窪署によると、交番に来た際に挙動不審な様子があったため調べたところ、覚醒剤の使用が判明した。15歳でモントリオール五輪に出場し、引退後にはタレント活動などをしていたが、過去に複数回、同法違反容疑などで検挙され、一部では「薬物絡みの事件では少なくとも14回目の逮捕」と報じられている。

   ◎上記事は[日刊スポーツ]からの転載・引用です
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