栃木小1女児殺害、被告側が無罪主張 控訴審初公判
2017/10/18 16:37
2005年に起きた栃木県今市市(現日光市)の小1女児殺害事件で殺人罪に問われ、一審で無期懲役とされた勝又拓哉被告(35)の控訴審初公判が18日、東京高裁(藤井敏明裁判長)で開かれた。弁護側は「虚偽の自白で有罪と認めた一審の判断は誤りだ」などと改めて無罪を主張した。
被告は捜査段階でいったん自白した後、否認に転じた。昨年4月の一審・宇都宮地裁判決は、取り調べの録音・録画で被告が自白した供述態度を重視。「自白内容に具体性と迫真性があり、十分に信用できる」として無期懲役を言い渡した。
弁護側は、控訴審で「250時間に及ぶ取り調べのうち、不適切に抽出された7時間分の映像が一審で再生された」と指摘。映像のインパクトが裁判官や裁判員に偏見を与えたと訴えた。
遺体に付着した微物のDNA型の鑑定結果も新たに証拠提出し、「被告と一致せず、第三者のものが含まれている」と主張した。
これに対し、検察側は違法な取り調べはなく、自白の内容は遺体の状況などと矛盾しないと述べた。
一審判決によると、勝又被告は05年12月、茨城県常陸大宮市の山林で吉田有希ちゃん(当時7)の胸をナイフで繰り返し刺して失血死させた。有希ちゃんは下校途中に連れ去られ、林道脇で遺体で見つかった。
◎上記事は[日本経済新聞]からの転載・引用です
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旧今市の女児殺害事件 2審始まる 殺害の場所も争点に
NHK NEWS WEB 2017/10月18日 17時56分
12年前、栃木県の旧今市市、今の日光市で女の子を連れ去り殺害した罪で1審で無期懲役を言い渡された被告の裁判が、2審の東京高等裁判所で始まりました。裁判長は、1審で最大の争点となった自白の信用性に加え、被害者が自白どおりの場所で殺害されたかどうかも争点に加える考えを示しました。
平成17年、栃木県の旧今市市で小学1年生だった吉田有希ちゃん(当時7)が連れ去られ、茨城県の山林で遺体で見つかった事件では、勝又拓哉被告(35)が殺人などの罪に問われています。
有力な物的証拠はなく、被告は「自白を強要された」と無罪を主張しましたが、1審の宇都宮地方裁判所は、取り調べの映像などを基に自白は信用できるとして、無期懲役を言い渡しました。
18日から2審の東京高等裁判所で審理が始まり、弁護側が改めて無罪を主張したのに対して、検察は1審が認定したとおり、自白は信用できると主張しました。
藤井敏明裁判長は、争点として自白の信用性などを挙げ、被告が犯人かどうかを判断するにあたって、自白どおりの場所で被害者が殺害されたかどうかも争点に加える考えを示しました。
今月30日に開かれる2回目の審理では、弁護側の証人として、殺害現場とされる山林や遺体の状況を調べた法医学の専門家が呼ばれる予定です。
*弁護団 高裁の対応を評価
勝又拓哉被告の弁護団は東京・霞が関で会見を開き、「東京高裁は、1審の宇都宮地裁のように、取り調べの録音・録画の映像を基に自白の信用性をざっくりと判断するのではなく、現場の状況が客観的な証拠や自白の中身と符合しているかどうか、細かく向き合おうとしていると感じる」として、東京高裁の審理の進め方を評価しました。
◎上記事は[NHK NEWS WEB]からの転載・引用です *強調(太字)は来栖
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