「思うことない」オウム教祖の死刑執行に平田信受刑者 弟子12人には絶句 2018/8/19

2018-08-28 | オウム真理教事件

「思うことない」=教祖の死刑執行に平田受刑者-弟子12人には絶句・オウム事件
 オウム真理教 終身刑 死刑執行 
 オウム真理教の元代表松本智津夫(麻原彰晃)元死刑囚(63)ら元幹部13人の死刑が執行されたことについて、元幹部平田信受刑者(53)が19日までに、収容先の静岡刑務所で取材に応じた。教祖だった松本元死刑囚の執行については「特に思うことはない」と淡々と語ったが、弟子12人の執行には「絶句した」と話した。
 平田受刑者は一連のオウム裁判がいったん終結した2011年の大みそかに出頭。公判で「麻原以外の死刑執行は勘弁を」と訴えた。仲の良かった林(小池に改姓)泰男元死刑囚(60)ら弟子12人の執行に「個人的な感情を差し置いても、本当にそれで良かったのかと思う」と疑問を呈し、何らかの方法で今後のテロ対策に生かすべきだったと力説した。
 出頭が執行時期に与えた影響を問うと、「出頭しなければもっと早かったかもしれないし、見合わされたかもしれない。そこは分からない」と述べるにとどめた。
 教団は後継団体「Aleph(アレフ)」など3団体に分かれて活動を続ける。平田受刑者は「事件後の入信者は、直接、麻原と会ったこともない」と指摘した上で、「彼らにとって麻原は架空の人物で、象徴として(写真などが)据えられているだけでは」と分析。「(アレフ信者らに)執行の影響はほとんどないと思う」とした。(2018/08/19-14:57)

 ◎上記事は[JIJI.COM]からの転載・引用です
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〈来栖の独白〉
 高橋克也被告(=当時)の異議申し立てが最高裁で棄却され刑確定したのは、2018年1月25日であった。その一月前(2017年12月25日)、菊地直子被告(=当時)の無罪が確定(上告棄却)している。
 法務省は何やら急いで(急がせて)いるな・・・というのが、その時の私の正直な感想だった。
 高橋克也被告(=当時)の確定から半年ほどで、オウム死刑囚全員の死刑が執行された。
 死刑廃止フォーラム90を始めとして、死刑執行に異議を唱える人々がいる。(* 13名のオウム大量死刑執行 安田好弘 『創』2018/9月号)13名という数の多さも、問題視された。
 しかしながら、一国を預かる側としては、例えば天皇さんの「退位」メッセージ以降、安穏としてはいられなかっただろう。2020年にはオリンピック・パラリンピックも控えている。
 日本人の国民性をその身に帯びた行政として、一大慶事の前に「きれいに」しておく必要があったのではないか。慶事の後というわけには、いかなかったろう。
 必ずしも死刑廃止の考えを百%は有してはいない私だが、「きれい好き」の国民性を、つくづく怖ろしいと感じる。ヒロシマ原爆の日や終戦記念日に見られるように、モノゴトの核心に問題意識を持たず、逸れて、「ごめんなさい」「もうやりません」と、儀式で詫びて、禊ぎは終わったとする。(* 「安らかに眠って下さい 過ちは繰返しませぬから」自虐のぬるま湯から出て日本が主張すべきこと 阿比留瑠比 2013/8/8
 いま私は猪瀬直樹氏の『天皇の影法師』を読み始めたところだ。
 大正天皇の崩御に関し、「形」に、国が如何に神経を尖らせたか、如実に描かれている。

(p50)
 1、25日以後6日間皇室喪儀令により廃朝せらる。
 1、廃朝中は囚人の服役を特免し死刑および刑罰の執行並びに歌舞音曲を停止す。
 (中略)天皇崩御から一年間は諒闇といい国をあげて喪に服することになるのだが、最初の6日間をとくに廃朝と称した。12月30日まで歌舞音曲が禁止されたので

 新元号の件を始め、世が非礼なく穏便に推移するよう図っている様が窺える。
 このような「形」を重んじるサムライジャパンの気質の中で死刑制度を考えるなら、「人を殺めておいて(殺人犯)、自らは生きる(懲役刑)」など、潔しとしないであろう。そういう国民性が如実に表われた「オウム死刑囚、刑執行」だったのではないか。
 死刑について考えるとき、私の裡でどうしても解決不能なのは、執行に携わる刑務官(下手人)の苦悩である。囚人を房から呼び出し、首に絞縄を掛けねばならない、或いはボタンを押さねばならない刑務官の心の痛みである。・・・(* 「死刑執行、教祖から」と江川紹子氏は云うが・・・/【63年法務省矯正局長通達】に見る行刑の苦難
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◇ 平田信容疑者「震災で、おれ何をやっているんだろうと逃亡生活が情けなくなった。でも踏ん切りがつかず」2012年1月3日 読売新聞
平田信被告「麻原彰晃死刑囚はすぐに死刑執行されると思い、執行を見届けてから出頭しようと思った」
オウム平田信被告 第17回公判 2014.2.20. 「麻原以外の者の死刑は勘弁してほしい」出頭時の心境語る
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