【習近平のチャイナ】習ドクトリンは対日強硬策 民衆の暴動どう封じるか
★(4)
zakzak2012.10.05
11月8日からの第18回中国共産党大会において、新しく総書記(国家主席)となる習近平副主席(59)は「習近平ドクトリン」を提示することになる。夢がいっぱいとなるか、あるいは逆に失望を運ぶか?
江沢民前国家主席に「三個代表論」、胡錦涛国家主席に「科学的発展観」「和諧社会」のスローガンがあるように、習氏が独自のカラーを前面に出すことは既定方針。問題はその中身だ。
どれほど、反日色が濃く、日本に厳しい姿勢を示すことになるのか。
というのも、習政権の安定は「経済コントロール」が最重要課題だが、権力維持にとって大事なポイントは「強大になりすぎた軍をいかにして統御できるか」に、かかっているからだ。
習政権の内政課題は「公平な分配」という共産主義理想を実現する方向へ、円滑なかじ取りができるか。社会的には各地に頻発する民衆の抗議行動や暴動を抑制し、安定した社会の構築が本当に可能かということだ。
30年前、中国の1人あたりのGDPは僅か168ドル、世界最貧国の1つだった。改革開放から30年を経て、2011年の1人あたりのGDPは5414ドルと、実に32倍もの躍進ぶりとなった。
経済が豊かになれば人間の認識力、心のあり方、人生への姿勢も必然的に変わる。情報の量も格段に多くなる。
しかし、習氏の演説記録を読むと、時代に適応させようとしながらも、内容がないのだ。
「社会矛盾を解決し、社会の安定と安寧をもたらすために、わが国は政策の変更が迫られている。民衆の要求をくみ上げ、社会の膿をはき出すシステムを早急に構築しなければならない」(党中央学校の入学式、今年5月17日)
この訓話で明らかなように、人民は統御の対象でしかない。民衆のルサンチマン(=憎悪)を、権貴階級(=権力と富を独占する中国の特権階級)の習氏は理解できない。どうやって民衆を弾圧し、封殺し、力で押さえ込むかという頭しかないようである。
習氏は新世代の指導者たちに「共産革命の維持と社会の安定が不可欠である」と力説した。だが、党エリートの卵たちがテクノクラートとして社会に出るころ、中国は全土で社会騒乱、暴動の巷(ちまた)と化している可能性の方が高い。
なぜなら、不動産景気が失速し、欧米への輸出は激減し、町中には失業者、流民があふれているからである。これらのガス抜きに、またまた「反日デモ」を利用すると、一晩で反政府暴動になりかねず、リスクが高すぎるのである。=========================================
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