中国がフィリピン援助を渋る理由

2013-11-15 | 国際/中国/アジア

“貧しい国”だから? 中国がフィリピン援助を渋る理由
 NewSphere:2013年11月15日
 小野寺五典防衛大臣は13日、台風30号で大きな被害を受けたフィリピンに、1000人規模の自衛隊員を緊急援助として派遣する用意をしていると発表した。また政府は、1000万ドルの資金援助を決定。最悪の被害を受けたレイテ島には25人の医療チームを派遣した。
 安倍首相はフェイスブックで、今回のフィリピンへの救援は、これまでの海外援助において「最大規模」だ、と述べた。
 国連人道問題調整事務所(OCHA)は14日、フィリピン政府の統計として、死者数は4460人と発表した。被災者は970万人にものぼり、92万人以上が避難生活を余儀なくされているという。特に食料や水、医薬品の必要に迫られている。
【アジアで存在感を強めたい日本】
  ウォール・ストリート・ジャーナル紙は、自衛隊派遣決定の背景には、この地域での存在感を高めたいという安倍政権の方針がある、と報じている。
 同紙は、資源豊富な南シナ海での領有権に関して中国の主張が加熱するにつれ、安倍首相は、フィリピンやベトナムなどのアジア諸国と関係強化を図ってきたことに言及。実際7月には、円借款を利用して、沿岸を警備する巡視船を10隻フィリピンに提供していた。
【あまりにも少ない中国の援助額】
  一方、中国の習近平国家主席は今週、他の先進国と同じようにフィリピンに援助すると約束した。しかし、その額は10万ドルだったとロイターが報じている。ちなみにオーストラリアは3000万ドル、ヨーロッパは1100万ドル、アラブ首長国連邦は1000万ドル。
 ニューヨーク・タイムズ紙は、援助額の少なさは、中比両国の冷え切った関係の表れだ、と指摘している。フィリピン政府は2012年、中国との南シナ海での領土問題を国際裁判所に訴えた。また、日本からフィリピンの軍備を強化する提案を受けいれ、自衛隊の船を受け取ったことが、中国の怒りを買った、とニューヨーク・タイムズ紙が報じている。
 これに対し、人民日報傘下のグローバル・タイムズ紙は、「領土問題でねじれた両国の関係のために、自然災害への救済が妨げられてはいけない」「中国は、国際的な援助に同様に参加するべきだ」と中国へ国際的な役割を果たすよう求めている。
【“貧しい”中国に他国を援助する余裕はなし?】
  国際政治学者のイアン・ブレマー氏はロイターのコラムで、中国が「困っている隣国」フィリピンを助けようとしないのはなぜか、と疑問を投げかけている。
 同氏はその答えとして、中国が領土問題でフィリピンと対立しているというだけでなく、同国は海外援助の経験が浅く、また国内の実情は貧しい新興国だからだ、と推察している。
 実際、経済的成功にもかかわらず、中国の実態はいまだ貧しい。個人収入は2012年にやっと9000ドルに達したが、それでも世界で90番目だ。全国民のうち約1億3000万人は、一日を1.8ドル以下で過ごしているという。
 同氏はさらに根本的な問題として、中国はアメリカと異なり、外国支援を進める考えも、組織的基盤もないのではとみている。今後、“貧しい”中国が世界一の経済大国になり、災害支援を行わないような国となることに懸念を示した。
 ◎上記事の著作権は[NewSphere]に帰属します
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非道な中国人、ネットアンケートで8割超が台風被害の比への援助は無用!
 zakzak2013.11.15
 国連人道問題調整室(OCHA)は14日、フィリピンの台風30号による死者が4460人に上ったと発表した。約92万人が避難し、被災者は計1180万人にのぼる。日本をはじめ各国が支援の手を差し伸べるなか、中国ではネット上のアンケートで「援助反対」が8割超に達し、さらに同国政府が当初表明した支援金は日本円でたった1000万円。世界が注目する大災害で、図らずも大国の非道な本性が裏付けられた。
 フィリピンを中国が援助すべきかどうか-。中国の人気サイト「騰訊網(とうしんもう)」がネット上でアンケートを行ったところ、14日午後11時(日本時間15日午前0時)の時点で「援助すべきでない」との反対意見が全体の84%に当たる約10万2000件と、圧倒的多数を占めた。両国が南シナ海の領有権問題で対立していることが背景にあるとみられる。
 中国政府と中国赤十字はそれぞれ10万ドル(約1000万円)の支援金を送ると表明。これに対し、米国は2000万ドル(約20億円)、日本は1000万ドル(約10億円)の援助を行うと発表した。日本政府は15日には、4000万ドル(約40億円)の追加支援実施も決めた。
 トヨタ自動車も1000万ペソ(約2300万円)の義援金を決めており、海外メディアから「世界第2の経済大国なのに、中国の支援は少なすぎる」と批判が出た。
 これを受けて中国当局は大慌て。同国外務省の秦剛報道局長は14日の定例記者会見で、1000万元(約1億6000万円)相当の物資を追加支援すると表明。「中国政府と国民は同情とお見舞いの気持ちを持っており、できる限りの人道援助をする」と強調した。
 国際政治学者の藤井厳喜氏は「中国では少数民族の弾圧など、もともと人権感覚がなく、現政権も人道的なことに興味はない。また、日本は表明した金額通りの支援金を送るが、中国は以前、ある大災害で宣言した額の数分の一しか出さなかったことがあった。今回、1000万円を送るのかどうかも疑わしい」とみている。
 この国に人道的な行動を期待するだけ無駄か。
 ◎上記事の著作権は[zakzak]に帰属します
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『最終目標は天皇の処刑』 中国「日本解放工作」の恐るべき全貌 ペマ・ギャルポ著 飛鳥新社 2013-02-05 | 読書 
  (抜粋)
p15~
台湾からの義援金
 東日本大震災における一連の流れで、私にはもう1つ気になったことがあります。(略)
 例えば、台湾で集まった義援金は震災後1カ月足らずで、日本円にして140億円を超えました。
p16~
 しかもその大半は一般市民からのものです。アメリカの赤十字による寄付が100億円ですから、人口がアメリカの約10分の1に過ぎない台湾で140億円も集まったということは、いかに彼等が心配してくれているかの表れでしょう。その後もその額は増え続け、台湾総統府の発表によると、2011年5月1日時点で約163億円、最終的には200億円に迫る金額で、海外への義援金としては過去最高だそうです。
 ところが、この事実を報道したのは一部のメディアに過ぎませんでした。しかも、ほんの小さく事実を伝えただけの、いわゆる“ベタ記事”扱いです。その一方で、中国から15人の救援隊が派遣された時は、「民族の感情を越えた人道主義」といった美談仕立てにして、大手メディアが大々的に報じています。一方、インドからは中国の3倍にあたる47名がやって来て、過酷な大罪環境の中、瓦礫の山の中からの遺体収容など一番つらい仕事を受け持ちました。インドだけではありません。(略)にもかかわらず、ニュースになるのは圧倒的に中国のことばかり。ちなみに中国からの義援金は10億円に満たない額です。金額や人数の多寡を、あまりとやかく言うつもりはありませんが、それにしても台湾が10数倍の金額を寄付してくれた事実を、ほぼ無視するというのは、あまりにも不自然ではありませんか。
p207~
  もう1点は、中国の13億人の人口のうち、12億人近くがいわゆる漢人ですから、その人々を養っていくためには食糧を始め相当の資源が必要です。その意味ではチベットは地下資源が豊富であり、また、アジアの大河の源流が全てチベットにあることからもわかるように、水資源も豊富です。それら資源の獲得ということが目的にあったと思います。
  そして今、尖閣諸島周辺や日本各地の森林で起きていることは、その資源収奪の領域が拡大しつつあるということなのです。
“中華”という名の厄災
  一般にその国の国力を測る場合、軍事力と経済力、この2つが大きな比重を占めることになります。戦争の勝敗にしても、その2つに負うところが大きいのも事実です。しかしながら、古代ギリシャから今日までの世界の歴史を見てみると、武力によって滅んだ国は、ほとんどが再び独立しています。
p208~
  また、おそらく経済力の差だけの理由で勝敗が決まった戦争もありません。ところが、文化的侵略によって同化されてしまうと、もう二度と独立できません。つまり、その国民の価値観や連帯感を失ったときに、ほかの国に征服されることになるのだと思います。ですから今日の日本で、特に経済界の人たちが、全ての事柄を経済的観点のみで見ようとする傾向を、もう少し考え直さなければならないと思います。
  チベットの場合は、すべての価値観は宗教中心で、現世より来世に向けたものでした。現世は苦しくても来世に希望を持ったり、成仏(解脱)するということが1つの理想としてありました。逆に今の日本の場合、あまりにも現世、しかも極めて目先のことだけを考えているように思えます。
  中国という国も非常に現実主義なのですが、日本との大きな相違は、少なくとも中国の場合は100年単位の国家計画を立てていることだと思います。このことは、小平が「4つの近代化」を提唱してから30年経ちましたが、それを着実に進めていることからも明らかです。
  さらに、この4つの近代化が究極的に何を意味するかということも、きちんと考えるべきでしょう。国家にとってビジョンというものが常に重要になりますが、中国の場合はそれがはっきりしています。
p209~
  つまり、ごく当然のこととして世界制覇という揺るぎない大望を抱いているのだと思います。中華思想という言葉がありますが、“中華”という言葉自体は孫文が考えた概念であり、実は誕生してから100年ほどしか経っていません。ただし、その根底にあるものは孔子、孟子、老子などの思想に西洋の植民地主義の考え方を導入したものです。孫文はアメリカ合衆国のような国民国家の連邦制を目指しましたが、それは中国人中心の国、中国人上位の民族主義でもあったのです。そうしたバックボーンを持つ彼らは「弱肉強食」という文化の中で生き続けているのです。
  中国以外のアジア諸国で成立した原始宗教、例えばチベットのボン教にしろ、インドのヒンズー教にしろ、日本の神道にしろ、精霊や万物に命が宿るという自然観があります。しかし、中国の場合は世界は善か悪か、生か死かの二元論なのです。中国で兵法が発達したのも、戦術を駆使していかに自分が生き延びていくかが大事だったからでしょう。そして、最終的には征服するか従属するかであり、共存共栄という概念はないのです。
  自然崇拝をする民族は、第1に自然との共生を尊び、他の人間とも共存共栄を図ることを目指します。そのために個人は、その共同体と一体化するという精神性を伝統的に持っています。征服する、あるいは従属するということではなく、どうにかしてお互いに生き、生かされる道を探そうという文化があるのです。
p210~
  このような精神性はアジアにおいて、現在ではイスラム圏に含まれるアフガニスタンまで通底していると思います。バーミアン文明に見られるように根底には仏教的な共存共栄の思想が残っているはずです。
  確かに中国にも仏教は伝わり、“信仰”として広まりましたが、残念ながら、“文化”として深く根付くには至らなかったのだと思います。生きるか死ぬかの世界では、価値観の根底にはならなかった。そしてその信仰の対象は、常に現世利益が中心であり、“来世と現世”あるいは“自分と自然”という観念を持つ宗教観は非常に薄いと思います。中国が約束を守らないということもそういう宗教観や倫理観の希薄さから生じていると思います。彼らにとって約束とは永遠に守るものではない。その時の利益を守るための方便、戦術でしかないのです。たとえ酔っぱらっていようと、自分の口から発した言葉には責任を持ってしまうという一般的日本人とは、そこが決定的に違うのです。
  工作要綱にもあったような、日中が共通の文化を持つ民族だというプロパガンダに騙されることなく、あくまで中国人は異質の人間として捉え、その人々とどう向き合っていくかを考えることが大事です。
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