神戸連続児童殺傷22年「被害者のため活動続ける」土師淳君の父
2019/5/23(木) 23:28配信 産経新聞
平成9年に神戸市須磨区で起きた連続児童殺傷事件で、土師(はせ)淳君=当時(11)=が殺害されてから24日で丸22年となる。父親で医師の守さん(63)が産経新聞のインタビューに応じ、「犯罪被害者が直面する課題はまだある。解散した『全国犯罪被害者の会』(あすの会)の活動を後世に伝えたり、自治体に被害者支援条例制定を呼びかけていく活動など、できることを続けたい」と話した。
「悲しみは消えることはないし、『なぜ息子が殺されなければならなかったのか、親として真実を知る責任がある』と、ずっと思い続けています」。そう話す守さんだが、淳君の23回忌に当たる今年、一つの「区切り」をつけた。毎月、月命日に行っていた供養を今年4月で終えた。
加害男性(36)の「反省」や「更生」の状況が遺族側に伝えられることはなく、手紙や連絡すらない音信不通の状態が、29年春ごろから続いたままだ。加害男性の両親の弁護士のもとにも連絡はないという。
守さんが幹事を務めたあすの会は、犯罪被害者や遺族が刑事裁判に参加できる被害者参加制度の創設などに大きく貢献。昨年6月に解散後、関西の犯罪被害者や遺族が中心になって「つなぐ会」が設立された。
守さんも参加して毎月1回集会を開催。大阪市が制定を進める犯罪被害者支援条例について話し合うほか、シンポジウムも計画する。守さんは現組織名にもなった“つなぐ”ことの意味にも触れ、「政策集団として法律の改正案を打ち出して実現させ、市民運動として成功した『あすの会』の活動を、身を置いて知っている私たちが、後世の人に伝えていかないといけない」と話す。
今秋には3人目の孫が生まれる。医師として忙しい日々を送るが、24日は静かに過ごす予定という。家族の中で事件の話が出ることはないが、淳君への思いが変わることはない。
最終更新:5/24(金) 7:50 産経新聞
◎上記事は[Yahoo!JAPAN ニュース]からの転載・引用です
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神戸連続児童殺傷22年 父守さんの手記全文
2019/5/24(金) 3:01配信 毎日新聞
神戸市須磨区で1997年に起きた小学生連続殺傷事件で、小学6年だった土師(はせ)淳さん(当時11歳)が殺害されて22年となる24日を前に、父守さん(63)が報道各社に寄せた手記の全文は次の通り。
この5月24日は、私たちの次男の「淳」の二十三回忌になります。元号が平成から令和に変わりましたが、私たち家族の子どもへの想(おも)いは変わることはありません。
今年も、加害男性からの手紙は届いていません。以前から言い続けていることですが、何故私たちの次男の命が奪われなければいけなかったのか、という問題について私たちは真の解答を求め続けています。そのためには、加害男性が、自らが犯した残忍な犯罪に向き合い、真実を導き出す必要があると思いますが、その手段として私たちに手紙を書くという行為は重要な意味を持つことだと私は考えています。この問題の解答を得ることは難しいことだと理解していますが、今後も諦めずに求め続けていきたいと思います。
昨年6月に解散した「全国犯罪被害者の会(あすの会)」は、2000年に元日弁連副会長の岡村勲弁護士を中心にして設立され、18年間の活動期間の中で、犯罪被害者を取り巻く環境を劇的に変えた団体であったと思います。「あすの会」は、被害者問題においては大きな幹の部分を作ったことは間違いありませんが、被害少年やその兄弟たちへの支援、自治体の犯罪被害者支援条例の制定の推進など多くの課題が残されていると思います。関西では元「あすの会」会員有志で「つなぐ会」を設立し、被害者問題に継続的に関わっていこうとしています。私も参加していますので、今後も被害者問題の改善に向けて可能な範囲で活動を続けていきたいと思っています。
この5月1日で元号が「令和」に改元されました。「平成」は、少年による事件も含め、凶悪な犯罪が数多く発生した時代でもありました。新しい「令和」の時代は、犯罪被害者を含め弱者に優しい、そして暮らしやすい時代になってほしいと願っています。
令和元年5月24日 土師 守
最終更新:5/24(金) 3:01 毎日新聞
◎上記事は[Yahoo!JAPAN ニュース]からの転載・引用です
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* 「加害者の手紙、今年も届かず」2019/5/24 遺族の土師守さん 神戸連続児童殺傷22年
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◇ 神戸・連続児童殺傷事件(1997年)…山下彩花ちゃんが亡くなってから22年 「彩花桜」とこれからも 2019/3/23