【川内原発再稼働】 エネルギーは国の基盤 原発排除は間違い/「安倍首相にとって大勝利」豪メディアが論評

2015-08-14 | 政治

 産経ニュース 2015.8.13 05:06更新
【産経抄】茨の道 8月13日
 九州電力にとって、川内(せんだい)原発1号機の再稼働までの日々は、まさに茨(いばら)の道だった。福岡市の九電本社には、反原発を訴える団体が押しかける。会議室で応対した九電社員に、「社長が出てくるまでここで立て籠(こ)もるぞ」と言い放ち、「籠城(ろうじょう)」が4時間を超えたこともある。
 ▼市民団体が開いた意見交換会では、こんな発言が飛び出した。「原発はある種、人体実験とかナチスの行いと同種のものとして捉えないといけない」。人々の生活を支えてきた原発をナチスの蛮行に例える人物は、当時九州大学の副学長である。
 ▼反対運動の実態については、小紙九州総局がまとめた新著『原発再稼働までに何が起きたか』(産経新聞出版)にくわしい。対する九電は、原発停止にともなって、重油やLNGの調達費がかさみ、社員のボーナス支給もままならない苦境が続く。
 ▼いや、電気料金の値上がり分を製品価格に転嫁できない中小の製造業は、もっと大変だ。燃料の輸入増加によって、年間3兆円もの国富が流出している。原発再稼働に反対するメディアは、事故のリスクを強調する。原発停止によって日本経済が疲弊し、子や孫の働く場が失われてしまうリスクは、考慮しなくていいのか。
 ▼先月、米航空宇宙局(NASA)の無人探査機「ニューホライズンズ」が、プルトニウムの名前のもとになった冥王星(プルート)への接近に成功した。冥王星には太陽光がわずかしか届かず、太陽電池パネルではなく、プルトニウムを燃料とする原子力電池を搭載している。
 ▼米国やロシアでは、新たな原子力エンジンの開発が進んでいる。原発へのバッシングが続き、優秀な若者が、原子力に背を向けるようになっては、取り返しがつかない。
  ◎上記事の著作権は[産経新聞]に帰属します
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2015.8.11 16:14更新
【川内原発再稼働】「不人気だが、安倍首相にとって大勝利」豪メディアが論評
 【シドニー=共同】オーストラリア放送協会(ABC)は11日、九州電力川内(せんだい)原発1号機の再稼働について「一般には不人気だが、(原発停止の)経済への影響を心配する安倍晋三首相にとって大きな勝利だ」と報じた。
 ABCは、地元経済のために原発が必要だとする再稼働賛成派と、事故を心配する反対派の声を紹介。東京電力福島第1原発事故により、今も多くの市民が自宅に戻れないとも伝えた。
 ◎上記事の著作権は[産経新聞]に帰属します
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 産経WEST 2015.8.5 07:32更新
【九州「正論」詳報】「エネルギーは国の基盤」「原発排除は間違い」十市勉氏講演
 一般財団法人「日本エネルギー経済研究所」顧問、十市勉(といちつとむ)氏は、4日の九州「正論」懇話会で、国の基盤をなすエネルギー問題について、原発も含めた多様性が重要だと訴えた。講演詳報は次の通り。
*ようやく先に光が…
 私がエネルギーの世界に入ったのは第1次オイルショックがあった1973(昭和48)年です。日本エネルギー経済研究所に入所して42年になりますが、東日本大震災から4年、今、日本のエネルギー問題は第1次、第2次オイルショック以来となる大変革の時にあると感じています。
 2年前の9月、関西電力大飯原発3、4号機が停止して国内の全原発が停止しました。原子力の新規制基準が施行されて以降、再稼働はありませんでしたが、ようやく九州電力の川内原発が動く直前まできた。なかなか先が見えなかったのですが、少し先が見えてきたという状況です。
 私は平成24年11月に放送されたNHKの「クローズアップ現代」に出演する予定でした。当時はいかに安く火力発電の燃料となるLNG(液化天然ガス)を買うかが課題だったのです。
 ところが、事前打ち合わせで「安全が確認され、地元の理解が得られた原発の再稼働は対外的な交渉にとっても大事だ」と言ったら、その後、NHK側から電話があり「原子力が必要だと言ってもらっては困る」と。結局、出演はなくなりました。
 この経緯は翌年4月1日付の産経新聞に掲載され、大きな反響を呼びました。原子力については国民の中でいろんな意見があるでしょう。でもすべての物事はいいことばかりじゃない。
 私は大学で講義もしますが、メリット、デメリットがあって、それをちゃんと知った上で判断しなさいと言っている。特にエネルギーという問題は、国にとって大事なことです。
*20年先の政策を見据えて
 日本は、エネルギーをほぼ全て海外から輸入しています。
 世界、特にアジアがどう変化するかを考え、10年、20年先の政策として原発を考えないといけない。だから今、国会で議論している安全保障関連法案にもつながってきます。
 米国は世界の警察的役割を果たしてきたのですが、米同時多発テロやイラク戦争などを経て、そうではなくなってきた。シェールガス革命で米国は中東から石油を買わなくてよくなったことも要因でしょう。(石油のために)若い人の血を流すようなことを米国がしなくなった。
 ただ、日本は石油全体の8割を中東から輸入しており、シーレーン(海上交通路)を守らないといけない。ホルムズ海峡で運ばれてくるので、そこの安全をどう確保するかは大問題なのです。石油タンカーが通れなくなったときに、何もしなくていいのか。「集団的自衛権の限定容認が必要だ」と指摘されているのはそのためです。エネルギーの安全保障は、自衛権の問題と密接に関わっています。
 南シナ海も重要です。中国は大部分の領有を主張し、サンゴ礁を埋め立てて、飛行場を建設している。日本のタンカーは中国の軍事施設のすぐそばを通ることになるのです。
 その中国ですが、ものすごい勢いで原発の開発に力を入れています。日本ではリスクがゼロじゃないから原発をゼロにすべきだという人がいます。ですが、中国では現在26基が稼働しており、建設中が23基、大部分が海岸線や海沿いにある。中国の原発は2020年までに、確実に50基を超えます。計画中もあり、中国は将来、米国を抜いて原子力大国になる。
 万が一、中国で原発事故が起きたら、(放射性物質は)確実に偏西風に乗って日本にくる。日本で原発をやめたから安全だ、という世界ではなくなっているのです。
 むしろ日本が保有する優れた原子力の人材・技術をアジアに継承する必要がある。放射線の健康への影響も含め、(福島第1原発事故の)知見を世界の原子力の平和利用にどう役立てるかでしょう。
*国のリーダーシップ必要
 国内の原子炉については、運転開始から原則40年で廃炉になる「40年ルール」があり、いずれ減っていくわけです。現在、建設中が3基あって、中国電力島根原発3号機、電源開発(Jパワー)の大間原発、東京電力東(ひがし)通(どおり)原発1号機。ですが、40年ルールを適用していくと、2030(平成42)年の原発は25基程度で、合計出力は2500万キロワットとなります。
 国が目指す2030年の電源構成比率(エネルギーミックス)では、原発比率は20~22%としており、(出力)3500万キロワットが稼働していなければならない。達成するには、10基ぐらいが40年ルールを更新して、60年稼働という形にしないと難しい。今は、関西電力高浜1、2号機が60年への延長を申請していますが、若干時間がかかるでしょう。
 20%という目標実現には、国がルールと政策を明確に決めないといけない。数字だけ決めても、絵に描いた餅になるリスクがあります。残念ながら、電力自由化や、二酸化炭素排出量削減などの環境対策を含めて、政策論として、きちっとできあがっていない。
 エネルギーは多様性をもったエネルギーミックスを進めないといけない。原子力を排除するのは大変な間違い。一定比率を持たないと、技術の継承、人材育成もできません。
 総合的なエネルギー戦略とは、先ほども触れましたが、外交・安全保障と一体です。国として何十年先の国の基盤になる大事な問題ゆえに、リーダーシップが求められます。
 安倍晋三政権は安全保障関連法案で苦労していますが、エネルギー問題も、もっとやってもらいたい。
 粛々と川内原発を再稼働させ、安全性や電気料金の問題など、プラスの影響も示して、(原発への)国民の信頼を取り戻すことも大事ではないでしょうか。
 ◎上記事の著作権は[産経新聞]に帰属します
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