元看護助手の再審開始確定 滋賀の呼吸器外し殺害事件
2019/3/19(火) 11:31配信 朝日新聞デジタル
滋賀県東近江市の湖東(ことう)記念病院で2003年、入院患者の人工呼吸器を外して殺害したとして、殺人罪で懲役12年の判決が確定し、刑期を終えた元看護助手・西山美香さん(39)の再審開始が確定した。最高裁第二小法廷(菅野博之裁判長)が18日付の決定で、病死の可能性を指摘して再審請求を認めた大阪高裁の判断を支持し、検察側の特別抗告を棄却した。今後、やり直しの裁判が開かれることになり、無罪となる公算が大きい。
病院では03年5月、慢性呼吸不全で入院していた男性(当時72)が死亡した。西山さんは翌年、警察の任意聴取に「呼吸器を外した」と認めて殺人容疑で逮捕、起訴されたが、裁判では「取調官に強制、誘導された」と無罪を主張した。
05年の一審・大津地裁判決は、西山さんが呼吸器を外し、急性の低酸素状態に陥らせて殺害したと認定し、懲役12年を言い渡した。自白についても「極めて高い自発性が認められ、内容も具体的だ」と信用性を認めた。大阪高裁、最高裁もこの判決を支持して07年に確定し、西山さんは17年に満期出所した。
弁護側は受刑中だった12年、2回目の再審を請求。自白通りなら呼吸器が外れていたのは最長3分になるが、「3分では心停止に至らない」とする医師の意見書などを新証拠として提出した。大津地裁決定はこうした見解を採用せず、請求を棄却した。
一方、大阪高裁は17年の決定で、解剖時の血液データなどから、不整脈で自然死した可能性を認めた。自白の目まぐるしい変遷も問題視し、「警察官、検察官の誘導があり、迎合して供述した可能性がある」と指摘。西山さんが犯人であると認めるには「合理的な疑いが残る」と結論づけた。
再審開始を認めた第二小法廷の決定は、裁判官3人が全員一致した意見。三浦守裁判官は大阪高裁決定を不服として、特別抗告した当時の大阪高検検事長だったため、審理に加わらなかった。(岡本玄)
最終更新:3/19(火) 12:08 朝日新聞デジタル
◎上記事は[Yahoo!JAPAN ニュース]からの転載・引用です
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2019年3月19日 中日新聞 夕刊
滋賀の呼吸器事件、再審確定 元看護助手、無罪の公算大
滋賀県東近江市の湖東記念病院で二〇〇三年、男性患者=当時(72)=の人工呼吸器のチューブを抜いて殺害したとして、殺人罪で懲役十二年が確定し、服役した元看護助手西山美香さん(39)=同県彦根市=が申し立てた再審請求で、最高裁第二小法廷(菅野博之裁判長)は、裁判のやり直しを認める決定をした。十八日付で検察の特別抗告を棄却した。事件発生から十六年を経て再審開始が確定した。裁判官全員一致の結論。
再審請求では、患者の死因と自白の信用性が争点だった。大阪高裁は、患者が自然死した疑いがあると指摘した上で、自白は警官らによる誘導があった可能性があるとして、再審を認め、これを最高裁も支持した。大津地裁でやり直される公判で無罪となる公算が大きい。
患者の死因を巡っては、確定判決では遺体を解剖した医師の鑑定によって、窒息死と認定していた。再審請求審で大阪高裁は、確定判決が患者の異常発見時に人工呼吸器のチューブがつながっていたと認定しているのに対して、医師の鑑定書が警官から事前に得ていた誤った情報を基に、チューブが外れていたという前提に立って、作成されていると指摘。死因は解剖所見のみからでは分からず、自然死の可能性を排除できないとしていた。自白の信用性についても、「犯人と認めるには合理的な疑いが残る」と結論付けていた。
事件では、県警は当初、呼吸器が外れた際のアラーム音を聞き逃したとする業務上過失致死容疑で捜査していた。西山さんは任意聴取を受けていた際に殺害を自白し、〇四年七月に逮捕された。公判で否認に転じ、自白の理由を「取り調べがきつくなり、同僚看護師をかばおうとした。刑事に好意を持った」などと訴えたが、〇五年十一月に大津地裁は懲役十二年を言い渡し、最高裁で確定した。
殺人事件で再審が確定するのは、熊本県松橋町(現宇城市)で男性が刺殺された「松橋事件」の再審が昨年十月に確定して以来。
<滋賀の呼吸器事件> 滋賀県東近江市の湖東記念病院で2003年5月22日、入院中の72歳の男性が死亡しているのを看護師が見つけた。県警は04年7月、病室を巡回中に人工呼吸器を外して殺害したと自白した看護助手西山美香さんを殺人容疑で逮捕。西山さんは公判で無罪を主張したが、一審大津地裁で懲役12年の判決を受けた。07年6月に最高裁で確定し、服役。17年8月に刑期を終えて出所した。
◎上記事は[中日新聞]からの転載・引用です
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◇ 【滋賀・呼吸器事件 再審決定】供述弱者を守れ ■「はい、逮捕」 “一丁あがり”とでも言うような口ぶりだった
◇ 【滋賀・呼吸器事件 再審決定】西山美香受刑者の手紙(上・中・下) 中日新聞2017/5/14~28
◇ 滋賀 湖東記念病院「呼吸器事件」西山美香さん 再審決定 2017/12/20 大阪高裁 後藤真理子裁判長
◇ 呼吸器事件、再審決定 大阪高裁「患者、自然死の疑い」2017/12/20 <神の座の 右に坐したまふといふことの しみじみと沁む 裁きを終へて>
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