中日“監督やGMのようなもの”で自滅 戦力を現場に渡せないならGMもあっさり首を切られる―GM制度とはそういうものである

2016-08-23 | 相撲・野球・・・など

“監督やGMのようなもの”で自滅。中日ベンチ内で、一体何があった?
 Number Web 8月23日(火)7時1分配信
 監督のようなものにGMのようなもの……「のようなもの」が跋扈して中日はシーズン途中で空中分解した。
  中日の谷繁元信監督の休養が発表されたのは8月9日のことだった。
  「結果が全てのプロの世界。腹をくくりながら過ごしてきて、こういう結果になったのは監督である私の責任。何とか強くしたいとやってきて、このような形でドラゴンズを去る寂しさ、悔しさがある」
  ナゴヤドームのヤクルト戦を前に行われた実質上の解任会見で谷繁監督はこう語った。
  ただ、この日の朝に球団から呼び出され突然、休養を求められた急転直下の展開は「寝耳に水だった」と監督には予想外の出来事だったことも疑う余地はなかった。
  そしてこのドタバタでクローズアップされたのが、解任の“黒幕”と言われる落合博満GMである。
■「経費少なく、おやっと思う選手を獲って生かして優勝」
 2013年オフに高木守道前監督の後任監督を選定する中で、白井文吾オーナーが評論家だった落合さんと会談して谷繁監督案を相談。落合さんもこれを支持して谷繁監督は誕生することになった。このとき同時に白井オーナーが落合さんに顧問になって欲しいと要請し、「GMっていう手がありますよ」と落合さんサイドから提案があったのだという。
  ただ、このときの白井オーナーの頭には、そもそもGMという職制への認識がほとんどなかったのが実際だ。
  記者会見ではオークランド・アスレチックスのビリー・ビーンGMを描いたベストセラー小説『マネー・ボール』を例に出して「経費を少なく、おやっと思う選手を獲って生かして優勝させる。理想です」と嬉々としていたのが印象的だった。
  そうしてそのオフには落合GMの手で球団史上例のない大幅な選手の年俸カットが行われた。その「経費を少なく」チーム運営を行うGMの手腕に、オーナーの評価は一気に高まったという。
  そして落合GMは最高権力者の信頼をバックにコストカットだけでなく、チーム人事や補強など全権を掌握していった。
  これがこの3年間の中日だった。
  ただ、谷繁監督にしてみれば、思っていたものとも聞いていたものとも、現実の監督業は全く違う、まさに「監督のようなもの」だったのである。
■谷繁監督と落合GMが衝突した、ある人事問題。
 ドラフト、トレードやフリーエージェントなどを含めた戦力の補強でも、一切の希望が入れられずに、落合GMの意向が全面的に反映された。一、二軍の選手の入れ替えさえも、監督時代の腹心である森繁和ヘッドコーチを通じてGMが掌握していた。
  自然と広がる溝の中で、谷繁監督と落合GMが決定的に衝突したのが、様々なメディアで報じられている昨オフの佐伯貴弘守備コーチを巡るコーチ人事だった。
  当時の二軍監督から一軍打撃コーチへの配転を希望した監督案を、肝いりで獲得した加藤秀司打撃コーチとの兼ね合いで落合GMが却下。谷繁監督が白井オーナーに直訴して、最終的には守備コーチで一軍昇格という折衷案で落ち着いたが、その時点で両者の関係は後戻りのできないところまで悪化したという。
■監督だけが責を問われる、ということで良いのか?
 メジャーでは簡単に言えば、球団経営をするのがオーナー(親会社)でそのオーナーから予算を渡されてチームの編成と運営を行うのがGMとなる。監督の仕事はGMから与えられた戦力を切り盛りしてグラウンドでの勝利を目指すことになる。
  メジャーのコーチ人事を例にとれば、監督が連れてこられるのは話し相手のベンチコーチ1人ぐらいで、他のコーチ人事はGMが決める。また選手の入れ替えもGMの専権事項である。
  そういう意味では落合GMは職務に沿って、仕事をしただけと言えるわけだ。
  ただ、一方でGMと監督という職務を考えたときに、果たして谷繁監督だけがその責を問われるものなのかという疑問も、どうしても拭いされない部分として残るのだ。
 解任の最大の理由は成績不振である。
 休養時点で、チームは8カード連続負け越しで最下位に転落していた。チーム打率でリーグ5位、防御率は4位と、戦力的にも上位を狙える数字ではなかった。5月31日にはドラフト1位ルーキーの小笠原慎之介投手を一軍に上げて先発起用するなどしたが、はっきり言ってチームのムードを変える力はまだなかった。序盤にチームを引っ張ったビシエドの調子が落ちると、打線の軸となる選手が全く見当たらなくなり、オーダー編成にも苦労するようになった。
■中日最大の問題は戦力不足である。
 要は、打つ手のないままにズルズルと後退して行ったというのが実情だったのである。
  それをやりくりして何とか結果を出すのが監督の仕事だとすれば、不振の理由が采配になかったとは言えないかもしれない。ただ、最大の理由は戦力不足の一言に尽きるのである。
  そこは落合GMの職責に属する問題だということになる。
  いくつかのメディアで報じられたが、谷繁監督は就任したオフに捕手の補強をGMに要請した。もちろんいずれ自分がユニフォームを脱ぐこと、下にいた選手の力を見定めて、補強しなければチームに大きな穴が空くという判断からだった。しかし、そのオフのフリーエージェント戦線で獲得に一番近かった楽天の嶋基宏捕手から、GMのツルの一声で西武の炭谷銀仁朗捕手に方向転換して、捕手の補強そのものに失敗している。
  ドラフトでも落合GM主導で獲得した選手、特に投手で一軍の戦力になっているのは又吉克樹投手ぐらいだ。
  こういう部分がまさに編成の全権を握るGMの責任なのである。
■結局は落合も「GMのようなもの」でしかなかったか。
 落合GMがどういう戦力分析の元にチームを作り谷繁監督に渡したのか。その部分が全く見えてこない。しかもこういう状況になっても現場の責任者と全くコミュニケーションを取ろうとしないのは、チーム運営として問題と言わざるをえないだろう。
  聞けば谷繁監督が休養するまで、落合GMは今季、1度も一軍の試合を視察したことがないばかりか、谷繁監督と意見交換も行ったことがなかったという。
  これはチームの編成と運営を預かるGMとして、職務を全うしているとは言えない。落合GMもまた、本当のGMではなく「のようなもの」でしかなかったということなのである。
  成績不振の責任を監督が取るのは日米を通じて球界の常識かもしれない。ただ、もし優勝を狙える戦力を現場に渡せないなら、GMもあっさり首を切られる――GM制度とはそういうものである。(「プロ野球亭日乗」鷲田康 = 文)

 ◎上記事は[Yahoo!JAPAN ニュース]からの転載・引用です
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谷繁監督“解任”で問われる中日落合氏「GM」としての資質 「落合GM辞任要求」大多数 抗議電話殺到2016/8/11 
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【中日】白井オーナー、谷繁監督更迭激白!「みっともない。やめてくれ」2016/8/17

   

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◇ 中日・谷繁監督がオーナーに迫った捨身直訴「補強でも落合GMの意向が優先される? オレはお飾りなのか」
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◇ 中日の暗黒時代は、まだまだ続く…やりたい放題の落合博満GM ストレスがたまる一方の谷繁元信監督
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