3府県連続リンチ殺人:名古屋高裁、再審請求を棄却
毎日新聞 2013年02月06日 中部朝刊
大阪、愛知、岐阜3府県で94年、男性4人が殺害された3件の連続リンチ殺人事件で、強盗殺人罪などに問われ死刑が確定した男(37)=愛知県一宮市出身=の再審請求について、名古屋高裁(柴田秀樹裁判長)は5日までに請求を棄却した。決定は4日付。
関係者によると、弁護団が新証拠として提出した「事件当時は心神喪失状態だった」とする精神鑑定について、高裁は「事件から12年以上たって行われた面接などを基にしており、信頼性に疑問がある」などとして証拠価値を認めなかった。弁護団が決定を不服として異議を申し立てた場合、同高裁で改めて異議審が開かれる。
男は事件当時19歳だった。1審の名古屋地裁判決(01年)、2審の名古屋高裁判決(05年)はいずれも死刑を言い渡し、最高裁が11年に上告を棄却して死刑が確定した。確定判決によると男は他の男2人=いずれも死刑が確定=と共謀して94年、3府県で当時19〜26歳の男性計4人を金属パイプで殴るなどして殺害した。
一方、死刑が確定した3人のうち、今回棄却された男とは別の男(37)=事件当時19歳=が今年1月、名古屋高裁へ再審請求していたことが弁護側への取材で分かった。【山口知】
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3府県連続リンチ殺人:暴行前の致命傷、新鑑定書で主張−−再審請求
毎日新聞 2013年02月06日 中部夕刊
大阪、愛知、岐阜の3府県で94年、男性4人が殺害された3件の連続リンチ殺人事件で強盗殺人罪などに問われて死刑が確定し、今年1月に名古屋高裁へ再審請求した男(37)=大阪府松原市出身=の弁護人が6日、高裁に提出した新証拠の内容を明らかにした。
男は事件当時19歳だった。弁護人によると、新証拠は男の上申書と法医学者による遺体の鑑定書。上申書では自らの暴行と被害者の死亡に因果関係がないことなどを主張している。鑑定書は事件のうち1件について男が暴行を加える前に「他の共犯者によって致命傷が与えられていた可能性がある」としている。新証拠は上告審でも提出されたが証拠調べはされなかった。
確定判決によると男は他の男2人(いずれも死刑が確定)と共謀して94年9〜10月、3府県で、当時19〜26歳の男性計4人を金属パイプで殴るなどして殺害。3人のうち、今回再審請求した男とは別の男(37)が4日、名古屋高裁に再審請求を棄却されている。【山口知】
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別の死刑囚も名古屋高裁へ再審請求 連続リンチ殺人
中日新聞2013年2月6日 12時03分
愛知、岐阜、大阪の3府県で1994年、男性4人が殺された連続リンチ事件で、強盗殺人罪などに問われて死刑が確定した元少年3人のうち、大阪府松原市生まれの死刑囚(37)が、名古屋高裁に再審請求した。弁護人が6日会見して説明した。請求は1月8日付。
代理人の弁護士によると、死刑囚は新証拠として、本人の上申書と法医学者の鑑定書を提出した。上申書は捜査段階での自白を否定する内容で「捜査官に迎合することで全く虚偽の事件が作られた」と主張。鑑定書は、犠牲になった4人のうち「木曽川事件」の被害者の死因に関するもので、死刑囚の暴行以前に、ほかの共犯者らによって既に致命傷が加えられていたことを証明しているという。
会見した弁護士は「本人の思いは『とにかく事実をもって裁いてほしい』の一点につきる。暴行自体に関与したことは争わないが、共謀はなく、殺意もなかった。無罪を言い渡すべき明らかな証拠だ」と述べた。
リンチ殺人事件の裁判をめぐっては、3人のうちリーダー格とされた愛知県一宮市生まれの死刑囚(37)の再審請求は、高裁が今月4日付で、精神科医の鑑定書など新証拠に「新規性がない」などとして棄却している。
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死刑囚再審請求、高裁が棄却決定 94年の連続リンチ殺人
日本経済新聞2013/2/6 11:09
大阪、愛知、岐阜の3府県で1994年、男性4人が殺害された連続リンチ殺人事件で、強盗殺人などの罪で死刑が確定した小林正人死刑囚(37)による再審請求について、名古屋高裁(柴田秀樹裁判長)は6日までに、請求を棄却する決定をした。
決定は4日付。小林死刑囚は心神耗弱を理由に死刑回避を求めていた。同事件では、大倉(旧姓・小森)淳死刑囚(37)も1月8日付で名古屋高裁に再審請求をしている。
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◆ 木曽川長良川リンチ殺人事件/元少年1人が裁判のやり直しを求め、名古屋高裁が受理 2011-12-19 | 死刑/重刑/生命犯 問題
連続リンチ事件、リーダー格の死刑囚が再審請求
中日新聞2011年12月19日 21時37分
愛知、岐阜、大阪の3府県で1994年、男性4人が相次ぎ殺害された連続リンチ殺人事件で、強盗殺人罪などに問われ、死刑判決が確定した元少年3人のうち、リーダー格で愛知県一宮市生まれの死刑囚(36)が、名古屋高裁に再審請求書を提出したことが分かった。提出は16日付。リンチ事件での再審請求は初めて。
弁護側によると、再審請求書でリーダー格の死刑囚は、精神科医の鑑定内容を新証拠とし、各犯行時、刑事責任能力が問えない心神喪失状態だったと主張しているという。
関係者によると、ほかに死刑が確定した大阪府松原市生まれの死刑囚(36)は、一、二審で事実認定の判断が分かれた点などに関し来年、新証拠を添えて再審請求する方針。もう1人の大阪市西成区生まれの死刑囚(36)も再審請求の準備を進めているという。
一審名古屋地裁は、リーダー格の死刑囚に死刑、残り2人に無期懲役の判決を言い渡した。二審名古屋高裁は「3人の役割に差異はない」と判断し、3人全員に死刑判決を言い渡した。最高裁第1小法廷は3月10日、3人の上告を棄却。少年事件では初めて一度に複数の死刑が確定した。
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◆ 「凶悪犯罪」とは何か 光市裁判、木曽川・長良川裁判とメルトダウンする司法
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