本日は名古屋能楽堂。2016.9.11.Sun.
京都の観世流・片山家による「第14回名古屋片山能」午後2時から。
「小督」は私の大好きなお話。
片山九郎右衛門「融」は、前シテの姿もよかったが、後シテの、如何にも「貴人」を漂わせる美しさ。堪能した。お声のすばらしさにも酔った。間は、野村又三郎さん。引き締まって、最高だった。
9月10日(土)中日新聞夕刊に以下の記述。抜粋
後半、高貴な白い装束に、怨霊を意味する黒頭(くろがしら)という一種異様な姿で現れ、美しく詩的な情趣の中に、政争に敗れて天皇になれなかった融の心を見え隠れさせる。
「融は癒しきれない心があって、遊び尽した。月光の下で舞い、自分を月の精霊と思うのか鬼と思うのか、観客にまっすぐ問いかける。美しいかぞっとするか、皆さまの心次第です」と九郎右衛門。「荒れ果てた河原の院が、後半では往時の景色となる。融の遊興のスケール大きさを余すところなく表現して、皆さまの想像の中に、その景色を膨らませたい」と意欲を示す。
美しく輝く月がさまざまに意味を持つことを、所作で表現する。
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◇ 「小督」 四番目物(雑能)
◇ 「融」 五番目物(貴人物)
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