「集団生活施設から浮かび上がる障害者強制管理システムの病巣」佐藤彰一 /「障害者が安楽死できる世界を」植松聖

2016-07-28 | 相模原事件 優生思想

集団生活施設から浮かび上がる障害者「強制管理」システムの病巣
2016-07-27 22:47:00 iRONNA編集部
佐藤彰一(國學院大学教授、弁護士)
 現時点の報道では容疑者の人物像がクローズアップされており、事件があった「津久井やまゆり園」という障害者施設の生活の全容はまだ明らかになっていない。それだけにこの事件を読み解くのは難しい。容疑者は措置入院したというが、医師が2週間程度で退院を認めたということは、重度の精神疾患ではないとの判断だろうが、この点もまだ判然としておらず、詳細な分析はできない。
 ただ、容疑者は「障害者を抹殺する」というような強烈なメッセージを発しており、今回の事件で重視すべきは容疑者個人の精神構造だけでなく、なぜこのような考え方を持つにいたったのか、施設で働き始めた後に抱いたと思われるだけに、施設の運営方法や職員と入所者の関係など、内情もきちんと検証しなければ本質は見えてこないと思っている。
 このような施設の中で起こり得る事態は、職員が働くうちに、入所者への差別意識が極度に先鋭化し、職員が入所者と対等ではない関係に思えてくる傾向が強くなることだ。
 こういった感覚に陥る要因は、施設での障害者は否応なく集団生活をしなければならないからだ。集団生活をするということは、風呂やトイレのほか、食事や外出など、入所者がさまざまな要望を職員に投げかけても、その要望を職員がすべて引き受けることはできず、手間がかかる障害者に支援が集中したり、重度の障害者だけににかかりきりになったりし、その中で一部の入所者の要望は無視されることになる。
 こうなると自分の意向を無視される入所者はあきらめが先行して希望を失い、その一方で無視せざるを得ない職員の方も入所者を対等の人として見えなくなるという悪循環が生まれてしまう。
 また、本来障害者施設では就寝時に入居者の部屋の施錠をしてはならないことになっているが、これまで高知県や鳥取県など、いくつかの県立施設で施錠の実態が明らかになっており、職員の数や手間を省くために施錠をしてしまうケースは後を絶たない。
 やまゆり園の施設がどうなっていたのかはまだ判明していないが、個別の部屋の施錠は原則として禁止されていても、原則通りに運用されているかはわからない。個々の支援記録に記載されないケースもいくつかの施設で見られ、実態は報道によっても明らかになっていない。施設の玄関や施設内のフロアなど区切れたスペースでの施錠はしていたわけで、これに加えて夜間の部屋の施錠管理が行われていたのかどうなのか、容疑者が「職員から鍵を奪った」行為が何を目的にしているのかなど、これらはこれから明らかになるだろう。
 施錠によって入所者の行動可能な範囲を限定することは、入所者を閉鎖的・集団的に管理してしまうことになり、職員の感覚を変えてしまう要因となる。一定のスペースを施錠して管理する行為は、特に障害者の受け入れを断れない公立の施設で多いようだ。
 こうした環境の中で職員は、結果として入所者が人間らしい生活をしていないと実感する場面に遭遇する。当初はこの状況に疑問を抱く職員もいるだろうし、多くの職員はその環境を人間らしいものに変えようと努力していると思う。だが、日常の仕事の中で入所者が言うことを聞かないことや、意思疎通が思うようにできないなど、仕事自体がうまくいかないようになれば、入所者が「重い」存在になっていき、職員はストレスを溜めやすくなる。最終的には入所者をうっとうしい存在に思えてくる。
 だからといって殺人まで起こすケースは異例なことだが、平成25年に起きた千葉県袖ケ浦市の施設で起きた暴行死事件の容疑者は入所者を人間と思っていなかったという趣旨の話をしている。その後に発覚した川崎市の特別養護老人ホームの介護職員が入所者を突き落として殺害した事件などでも、結局は入所者に対して「邪魔者」という感覚に陥っている点で共通しているのかもしれない。
 そもそも知的障害者は集団生活が苦手だ。にもかかわらず、集団生活を強いられてるだけに、入所者と職員がともに大きなストレスを感じている現状にも問題がある。理想を言えば、一対一の支援で、個人の意向に沿った対応ができればよいが、人手を十分に確保できない現状ではこういった対応は難しく、解決策を見出すのは容易ではない。改善につながる対策といえば、根底から施設の生活環境を変えるしかない。
 今回の事件の容疑者は、薬物依存などといった行動がみられるが、単に施設を辞めた後、無関係なものからの影響で犯行に及んだとは思い難い。容疑者は職員として採用される際に試用期間があったとの情報があるが、おそらくその時点で犯行に及ぶ兆候はなかったからこそ正式に採用されたのだろう。ゆえに容疑者の異常な考えやメッセージは施設環境の中で育まれたといえる。
 やはり重要なのは、施設内で容疑者が見た風景というものが、どうだったのかであり、職員や入所者と生活する中で、犯行につながるような出来事があったとみるのが妥当だ。そこに何があったのかは、やまゆり園の施設の運営状態に加え、職員に対する指導やサポート体制といった対策が行われていたのかなども含め、内情をじっくり検証していく必要がある。(聞き手、iRONNA編集部 津田大資)
* さとう・しょういち
 昭和28年福岡県生まれ。立命館大学大学院法学研究科博士後期課程修了。立教大学、法政大学の教授を経て現在國學院大学教授。専門は民事訴訟法と権利擁護。平成12年に弁護士登録し、障害者とその家族の権利擁護活動に従事。20年から全国権利擁護支援ネットワーク代表も務める。
 ◎上記事は[iRONNA]からの転載・引用です
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「障害者が安楽死できる世界を」

衆議院議長大島理森様
この手紙を手にとって頂き本当にありがとうございます。
私は障害者総勢470名を抹殺することができます。
植松聖容疑者が大島衆院議長に宛てた手紙のコピー
常軌を逸する発言であることは重々理解しております。しかし、保護者の疲れきった表情、施設で働いている職員の生気の欠けた瞳、日本国と世界の為と思い、居ても立っても居られずに本日行動に移した次第であります。
理由は世界経済の活性化、本格的な第三次世界大戦を未然に防ぐことができるかもしれないと考えたからです。
私の目標は重複障害者の方が家庭内での生活、及び社会的活動が極めて困難な場合、保護者の同意を得て安楽死できる世界です。
重複障害者に対する命のあり方は未だに答えが見つかっていない所だと考えました。障害者は不幸を作ることしかできません。
今こそ革命を行い、全人類の為に必要不可欠である辛い決断をする時だと考えます。日本国が大きな第一歩を踏み出すのです。
世界を担う大島理森様のお力で世界をより良い方向に進めて頂けないでしょうか。是非、安倍晋三様のお耳に伝えて頂ければと思います。
私が人類の為にできることを真剣に考えた答えでございます。
衆議院議長大島理森様、どうか愛する日本国、全人類の為にお力添え頂けないでしょうか。何卒よろしくお願い致します。
文責 植松 聖

作戦内容
職員の少ない夜勤に決行致します。重複障害者が多く在籍している2つの園を標的とします。見守り職員は結束バンドで見動き、外部との連絡をとれなくします。職員は絶体に傷つけず、速やかに作戦を実行します。2つの園260名を抹殺した後は自首します。
作戦を実行するに私からはいくつかのご要望がございます。逮捕後の監禁は最長で2年までとし、その後は自由な人生を送らせて下さい。心神喪失による無罪。新しい名前(伊黒崇)本籍、運転免許証等の生活に必要な書類。美容整形による一般社会への擬態。金銭的支援5億円。
これらを確約して頂ければと考えております。
ご決断頂ければ、いつでも作戦を実行致します。日本国と世界平和の為に、何卒よろしくお願い致します。
想像を絶する激務の中大変恐縮ではございますが、安倍晋三様にご相談頂けることを切に願っております。
植松聖(住所、電話番号=略)かながわ共同会職員

 ◎上記事は[iRONNA]からの転載・引用です


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